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韓国でも増え始めた「婚前契約書」

登録:2015-01-08 00:31 修正:2015-01-08 05:45
婚前契約書。//ハンギョレ新聞社

#結婚式の日取りを決めたキム氏(36)は、悩んだ末、婚約者に「持っている財産をお互いに公開しよう」という話を持ち出した。まわりから結婚前お互いの財産を入念に確かめておく必要があるとアドバイスされたからだ。婚約者は意外にも最初から「婚前契約」を書こうと提案した。キム氏は「最初は『私が信じられないのか』と思って気を悪くしたが、こんな時代には必要だと思って両親には秘密で婚前契約書を書いた」と話した。婚前契約書には財産関連情報のほかに、結婚後の生活のルール、家事の分担についての内容も含まれた。

#離婚を経験したムン氏(51)は、登山同好会で出会った女性と再婚を決意したが、気になることがあった。ムン氏は「元妻と慰謝料など財産関連訴訟で大変だった。老婆心から弁護士を訪ねてアドバイスを求めた」と話した。どちらも離婚経験があるので、財産問題に対する見方は似ていた。ムン氏と婚約者は「結婚前の財産はそれぞれ所有し、離婚することになっても合理的な線で財産を分割する」という婚前契約を交わした。

婚前契約書の見本。//ハンギョレ新聞社

 離婚後の財産権争いなどを懸念し婚前契約書を書く人々が増えている。 「結婚は必ずしも契約関係ではない」という認識は相変わらずだが、米国のハリウッドスターや、いくつかの財閥に限られていた婚前契約書に対する拒否感はかなり和らいだ。

 7日、結婚情報会社デュオが、過去3か月間、全国20、30代の未婚男女782人に「婚前契約書の必要性」を尋ねたところ、422人(54%)が「必要だ」と答えた。女性は383人のうち242人(63.2%)が、男性は399人のうち180人(45.1%)が必要性を認めた。婚前契約書に必ず入る内容としては、「結婚後の財産管理」や「離婚後の財産分割」など敏感な内容が多かった。イ・インチョル弁護士(法務法人ウィン)は、「離婚率が高いため、2~3か月に1回の割合で婚前契約書の問い合わせがある。今はまだ財産が多かったり再婚する場合、財閥や芸能人が多い」と話した。イ弁護士は、「準財閥級2世が平凡な家庭の女性と結婚するのに、不安に思った新郎側の両親が『離婚後、財産を一銭も与えなくてもいいような』契約書を要求したこともある。しかし、このような不公正な内容は裁判所で認められない」と伝えたという。

 婚前契約書について相談は多いが、実際の作成まで越えなければなら壁が多い。ヤン・ソヨン弁護士は「相手が気を悪くする場合が多く、実際婚前契約書の作成までつながるのは容易ではない」とした。法務法人世宗のチョ・ジョンヒ弁護士は「婚姻前契約書に入る内容についての相談は多いが、『結婚は契約ではない』とする韓国的な文化ではまだ簡単に受け入れられないところもある」と話した。

 婚前契約書以外に財産管理方法を裁判所に登記しておく夫婦財産契約登記も増えている。大法院(最高裁判所)の資料によると、2011年11件、2012年16件、2013年26件、昨年は28件だった。

ソ・ヨンジ、イ・ジェウク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/01/06 20:08

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/672611.html l 訳H.J