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[深層リポート] 韓国現代製鉄、低賃金長時間労働に加え安全装備まで差別(上)

登録:2014-10-02 23:40 修正:2014-10-03 06:28
現代製鉄非正規職労働者パク・ソンジェ氏が9月12日、忠清南道唐津の現代製鉄唐津製鉄所前で自身の業務内容を説明している。 パク氏の作業服の左胸には自身が属する協力業者の名前が書かれている。//ハンギョレ新聞社

ブレーキがない悪い働き口、間接雇用
(2)差別を受ける かぼそい命

現代製鉄唐津製鉄所 間接雇用の実態

正規職の安全帽は“白色”社内下請けは“黄色”
非正規労働者は6年間に10倍に増え約7千人
順天など4か所を合計すれば約1万1千人
52%が間接雇用…業界最多

正規職は4班3交代 月平均183時間
社内下請は3班3交代で243時間働いても
月給は正規職より約90万ウォン少ない

 忠清南道唐津(タンジン)にある現代製鉄唐津製鉄所で働く労働者は全員がグレーの作業服を着る。だが、サッカー場1013面に相当する広大な唐津製鉄所で社内下請労働者に会うことは極めて簡単だ。 社内下請は上着の胸にそれぞれ他の会社名が書かれている。 工場内でかぶる安全帽の色も正規職は白、社内下請労働者は黄色だ。 先月12日、唐津製鉄所近くで会ったパク・ソンジェ氏(27)の作業服の左胸には元請である現代製鉄ではなく協力業者「PJロジクス」と書かれていた。 あえて「正規職か非正規職か」を尋ねる必要はない。 2010年から唐津製鉄所で仕事をしているパク氏は、今までに所属会社が「ファインテック→ファインテック トレーディング→PJロジクス」と三回変わった。 だが、B地区のB熱延工場前で生産されたコイルを検収し車に載せる業務の内容は全く変わっていない。

 唐津製鉄所にはパク氏のような社内下請労働者が7000人以上いる。 金属労組現代製鉄非正規職支会の資料によれば、唐津製鉄所の間接雇用非正規労働者は2007年の716人から、2013年には7714人になり、6年間で10倍以上に増えた。 唐津製鉄所だけではない。 唐津を含め順天(スンチョン)、浦項(ポハン)など現代製鉄の4製鉄所で働く労働者2万2763人のうち、1万1956人(52.2%)が間接雇用労働者だ。 雇用形態公示対象企業2942か所の平均の間接雇用非正規労働者の比率20.1%より2倍以上も多い規模だ。 常時労働者5000人以上の大企業99か所中で、11番目に間接雇用比率が高い。 同業のポスコ(46.6%),東部製鉄(9.8%)より高い。

 社内下請と正規職の時計は違う。社内下請は3班3交代、正規職は4班3交代で仕事をする。 製鉄所は24時間365日連続稼働だ。したがって(溶鉱炉の)火を消すことはできない。 溶鉱炉が24時間連続稼動するので24時間を8時間ずつ分けて3交代で仕事をする。

 1勤は午前7時~午後3時、2勤は午後3時~夜11時、夜間勤務である3勤は夜11時~翌朝7時までだ。 通常5日周期で勤務時間が変わる。 4班3交代の正規職は、予備班があるため、勤務時間帯が変わる度に一日または二日休める。 だが、予備班がない3班3交代で回る社内下請は、勤務時間帯の変更時には一日二回出勤しなければならない時もある。 「1勤→3勤→2勤」の順で変わる交代制で、交代日には退勤した8時間後に再び出勤しなければならないためだ。 休暇届けを出さない限り、休める日は特にない。 仕事がきつくて交代日に“特休(特定休暇)”を取れば、前後の組から1人4時間ずつさらに働かなければならない。 パク氏は「正規職は予備班があるので休日が保障されるが、社内下請けはひとりが休めば他の誰かが“代わり”をしなければなりません」と話した。

唐津/文・写真 キム・ミンギョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/657930.html 韓国語原文入力:2014/10/01 22:55
訳J.S(1672字)