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韓国ビール「CASS」の悪評を広めたのは業界2位の社員

登録:2014-09-04 09:37 修正:2014-09-04 13:31
CASSの広告写真

警察がハイト真露を風説流布容疑で家宅捜査
ハイト「職員1人の逸脱」と弁明

 熾烈な競争を数年間繰り広げているビール業界で、ついに「悪魔化マーケティング戦略」まで登場したのか。競合会社の製品を貶めるネガティブな噂を広め、それに伴う営業利益を狙うマーケティング法をめぐり警察が捜査に着手した。

 捜査対象にあがったのはビールの「HITE(ハイト)」を生産する国内第2位のハイト真露で、「悪魔化の呪術」被害を受けたと主張するのは「CASS(カス)」を生産する1位のOBビールだ。ソウルの水西(スソ)警察署は3日、ハイト真露がCASSに対する悪質な噂をばらまいた端緒をつかみ、この日午前、ソウル瑞草(ソチョ)洞のハイト真露本社と大田(テジョン)代理店などを家宅捜査したと明らかにした。

 警察は本社職員のアン氏(33)と大田代理店のイ次長(45)のコンピューターのハードディスクと個人業務日誌などを確保した。アン氏は先月2日、「CASSからへんな臭いがする」というテレビのニュースを見た後、これを誇張した文をカカオトークなどを利用して広めたことが分かった。

今回の家宅捜査は先月6日にOBビールが水西警察署のサイバー犯罪捜査隊に捜査を依頼して始まった。ビールの需要が増える6月からソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)とカカオトークを中心に、「6~8月に生産されたカスを飲んだらだめだ」「可妊期の女性は無条件に避けろ」「ビール倉庫を洗浄した消毒薬をちゃんとすすいでないようだ」などの内容が広まった。イ・ウンアOBビール広報チーム次長は「このままではブランドイメージの打撃が大きくなりそうだったので捜査を依頼した。特定の企業を疑ったのではなかった」と話した。

 これに先立ち食品医薬品安全処(食薬処)はCASSの調査もしていた。食薬処は先月26日、CASSの「消毒薬の臭い」の原因として「流通過程で麦芽の脂肪成分とビールの溶存酸素が酸化反応を起こして出た臭い」と明らかにした。OBビールもこれを認めて謝罪した。OBビール側は「ただし今度の捜査で依頼したのは『可妊期の女性はCASSを無条件避けろ』などの悪質な噂を広めたこと」だと話した。

 家宅捜査で問題が大きくなるとハイト真露もすぐに対応レベルを高めた。広報チームが報道資料を出し、「OBビールが問題の本質を無視したまま、不法行為に関する話題を大きくして消費者を欺いている。品質管理に力を注いでほしい」と反駁した。ハイト真露側は「職員1人が私的なSNSで関連した話をしているうち、一部誇張された内容を含んだことを把握し、警察に自ら出頭させた。家宅捜査は会社次元でなく該当する職員に対する調査だと聞いている」と語った。ハイト真露関係者は「営業社員が多いので個人的な営業に一部活用したことも考えられる。しかし、組織的なものではない」と語った。

 昨年3月の韓国種類産業協会の資料をみると、市場占有率はOBビールが58.8%、ハイト真露が41.2%だ。過当競争を煽るとの理由でその後は関連資料が出ていない。

ソ・ヨンジ、キム・ヒョジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/654063.html 韓国語原文入力:2014/09/03 20:20
訳Y.B(1417字)