習近平、対日強硬発言なぜ?
壬辰倭乱・日清戦争を例にあげて
対日抗戦の史実を通じて同質性浮き彫り
共同声明からは対日協力メッセージが抜け落ち
「虚しい内心を表わしたもの」解釈も
政府、中国の積極的攻勢に困惑
4日、習近平 中国国家主席のソウル大講演は、壬辰倭乱・日清戦争など両国の対日抗戦史実を例に挙げ、日本を牽制することに焦点を合わせている。 過去事を否定する日本に対して、韓・中が共同で対応しなければならないという点を強調して、現在加速化している韓-米-日安保共助を弱化させようとする戦略的意図があるものと見られる。
習主席はこの日午前、ソウル大で学生たちを対象にした講演で腹を括ったように韓-中協力史を取り出した。 偶然にも全てが日本を対象にしたことだ。 特に、習主席が「歴史上危険な状況が発生する度に、両国は常に互いに助け合い克服してきた」事例として壬辰倭乱を挙げ、両国国民が「敵がい心を抱いて」日本との戦場へ向かったと言及した部分は表現の強度が相当に高い。 歴史的比喩の中で出てきた表現だが、一国家の首脳が戦争状況にある敵対国に対して使いそうな単語をよどみなく動員したという点で異例のことだ。 韓国国民の対日感情を刺激し、中国との‘情緒的共助’を試みたと解説できる。
習主席は続けて「明国の鄧子龍将軍と韓国の李舜臣将軍が露梁(ノリャン)海戦で一緒に戦死した」として「明国の将軍 鄧子龍の子孫は今日も子孫が韓国で暮らしている」ということも取り上げた。 血筋でも絡まっていることを強調して、韓-中間の同質感を浮き彫りにしたわけだ。
習主席はその他にも多様な歴史的事例を挙げて両国の対日抗争を強調した。習主席が言及した日清戦争の時は、朝鮮が1894年に軍隊を派遣し今の中国を助けた。 金九先生と尹奉吉義士も中国に留まり抗日独立運動を行った。
習主席が前日の首脳会談で‘中国の抗日戦争勝利70周年行事’と‘韓半島の光復(解放)70周年行事’を共同開催しようと提案したのも同じ脈絡だ。 韓国と中国が日本から勝ち取った歴史を共に記念することによって、日本を牽制しようという意味をこめている。
この日の講演は、今回の訪韓で中国の狙いが何かを最もよく示しているという評価が出ている。 韓-中首脳が慰安婦問題など侵略の歴史を否定する態度を見せている日本に対して、どの程度強い立場を明らかにするかは、今回の首脳会談の二大関心事中の一つであった。 しかし、前日に両国が出した共同声明にはこのような内容がほとんど入れられなかった。 キム・ジュンヒョン韓東大教授は「中国の立場では、今回の訪韓を通じて最も期待したことはまさに両国の対日協力メッセージであった」として「共同声明にこのような内容が全く反映されなかったので、習主席は虚しく感じたようだ。 これに対する内心を強く表わしたと見られる」と評価した。
中国は日本に対する韓・中歴史対応を通じて、韓-米-日が取っている三角共助体系に風穴をあけようとしている。 去る3月末、韓-米-日3国はハーグ核安保首脳会議の時に3国首脳会談を通して共助体系を強化し、今月初めには韓・米・日合同参謀議長会議を開くなど、軍事的共助体系を強化している。 アメリカと共にいわゆるG2に浮上した中国の立場からは威嚇状況と認識できる内容だ。
韓国政府の立場では中国の積極的な攻勢に強く困惑している。 韓国政府当局者は「韓国政府は日本に対して中国政府と共同対応はしないということが原則だ。 中国との対日共同対応が足りないのではないかという報道が出ているが、民間次元の対応はできても、それ以上は難しい」と話した。 中国とアメリカの一方に偏る場合、韓国の外交的立地が狭まりかねないという憂慮判断のためだ。
チェ・ヒョンジュン記者 haojune@hani.co.kr