リフト車が後進して人を襲い
高所作業で足場が崩落…
労働部の是正要求も守らず
蔚山(ウルサン)現代重工業だけで最近5年間に13人の労働者が作業中の事故で死亡したことが分かった。 ほとんどが作業安全規定を守らずに起きた事故だ。雇用労働部が特別勤労監督を実施して是正を要求したが、現場では相変らず守られていないという指摘が出ている。
ハン・ジョンエ新政治民主連合議員が29日、雇用部から受け取った現代重工業労災死亡事故現況を見れば、2009年2人、2010年1人、2011年2人、2012年2人、2013年3人が亡くなった。今年に入っても墜落・火災などで3人の労働者が死亡した。 5年間の事故死亡者は計13人で、この内3分の2以上が下請け業者の労働者であった。 警察が正確な死因を捜査している26日の死亡事故、および今年すでに4人の死亡事故がおきた蔚山現代尾浦(ミポ)造船、全南(チョンナム)現代三湖(サムホ)重工業など、現代重工業の系列会社まで加えれば数字が更に大きく膨らむ。
死亡事故原因の大部分が安全無視だ。 2013年3月にはリフト車が安全点検のために移動したソン・某(64)氏を、その年の5月には貨物車が移動しているホ・某(53)氏を発見できずに襲った。 同年5月にはリフト車が後にいたオ・某(58)氏を見れずにバックしてぶつかった。 先月には高さ20mで作業していたキム・某(49)氏が足場が過剰積載で崩壊し墜落して亡くなった。 28日に亡くなったキム・某(36)氏はトランスポーター(船舶組み立て用ブロックを運ぶ車)を見ながら後ずさりをして合図誘導しながら海に転落した。 安全と作業環境にもう少し関心を傾けていれば‘重大災害’につながらなかった事故だ。 現代重工業労働組合キム・ドクキュ労働安全保健室長は29日 「安全管理規定さえよく守っていれば、このように頻繁に事故が発生することはなかっただろう。 元請けは下請け業者に、下請け業者は再下請け業者に仕事を督促しても本来必要な安全教育や安全装備の設置などは疎かにしたため」と指摘した。
相次ぐ労災死亡事故に対して、雇用部は2011~2013年にかけて3回の勤労監督を実施したが、問題を正すことはできなかった。 チャン・ハナ新政治民主連合議員が雇用部から受け取った‘2013年特別勤労監督細部違反内容’を見れば、墜落防止措置未実施、安全欄干未設置など、安全関連事項が繰り返し指摘されている。 さらに雇用部が特別勤労監督に入った28日にも、下請け業者の労働者であるキム・某氏が海におぼれて亡くなった。 雇用部キム・キュソク産業安全課長は「造船業の景気が生き返り、受注物量を一度に建造しなければならない状況なのに加え、まともに管理されていない臨時人材が増えて災害率が高まっている」として「安全保健総合診断も共に進めて根本的な問題を確認する」と明らかにした。
キム課長は人手不足を理由に、現代重工業の系列会社で特別勤労監督を拡大するのは難しいと付け加えた。
事故が相次ぐや現代重工業は29日に謝罪文を発表した。 現代重工業は "深い責任を痛感し、関係当局と緊密に協力して再発防止対策をたてる" と明らかにした。 これと共に安全管理者の作業中止権即時発動、事故危険相互補完制導入、事故危険特別診断チーム常時運営などの改善策を出した。
キム・ミンギョン記者 salmat@hani.co.kr