「線路の容量配分など 競争確保」明記
赤字路線 公共運営放棄 宣言
水西(スソ)KTX設立によるKorailの損失
理事会で議決された最終案から除く
理事と実務者、共に背任の疑い
「水西(スソ)発KTX 運営準備に関する組織設計」報告書、「国土交通部・Korailの鉄道産業発展ワークショップ」 報告文献。これらのKorail内部文献は、共通的に鉄道の民営化を掲げている。すでに文献の中には赤字路線の運営放棄と民間資本の投入、鉄道管制権の移管など、主な鉄道民営化の過程が記されていた。
まず、Korailは運営を放棄する路線をすでにある程度厳選している。ジョン善線・鎮海線・慶北線・慶全線・京義線など、投入原価に対し三倍以上の赤字を出している8ヶ路線である。累積された赤字は政府とKorailが共に負担を感じている状況であるため、公共運営は放棄し、その役目を民間企業に任せる計画である。さらに文献によると、広域鉄道の新規プロジェクトも民間企業に委ねる可能性が高いと見られる。組織設計報告書によると、「広域鉄道の新規プロジェクト等は民間との競争体制導入」と言及しており、これは鉄道民営化の完成段階に該当する内容である。
また、組織設計報告書は鉄道管制権の移管もほぼ既定事実化していた。報告書は水西(スソ)高速鉄道の有効な競争のため「線路容量の配分、線路運行時間帯の配分、通行順位などは政府が公正な決断を下し、実質的な競争効果を得られるよう」にすべきだと明記している。鉄道管制権とは、列車の運行情報と計画をリアルタイムに制御する鉄道中央運用システムであり、鉄道関連専門家たちは「管制権の移管はいずれ鉄道民営化につながる」と指摘していた。 同じく以前から国土部も新規企業の導入により、Korailが運用中の鉄道管制を中立機関に渡すべきだと強調していた。いわば鉄道産業構造の重要ポイント毎に民営化の種が潜んでいる状況である。
鉄道産業構造の改編がこうであるにもかかわらず、Korailは敢えて目をそらしてきたように見える。特にKorailは水西発KTXの分離によって、年間およそ1078億の純損失を出すことが目に見えているのだが、この様な内容は理事会の案件には含まれない状態で水西高速鉄道子会社の設立が認可されたことが明らかになった。この日<ハンギョレ>が入手した当時のKorail「水西高速鉄道出資会社設立及び出資計画案」によると、「高速鉄道利用客の需用転移により年間およそ1078億ウォンの純損失が発生する」と指摘した部分が抜け落ちている。Korailの内部資料などでも競争体制導入による損失発生は一貫して指摘されていたが、肝心な最終案にあたる理事会議決時にはこの様な内容が脱落していたのだ。
Korail側も理事会の公式議決時、損失額の発生内容が抜けていたことを認めた。6日、あるKorail関係者は<ハンギョレ>との通話で「損失額を記録した当該内部文献は、会社の事情を良く知らない非常任理事達にも分かるように説明するため、実務者が参考資料の形で作成し渡したもの」と釈明した。これは背任にもなりうる行為である。『民主社会のための弁護士会』のリュ・ハギョン弁護士は「会社の損失を予見しながらも賛成した理事達のみならず、損失発生の予想数値を除いて案件を作成した実務チームも業務上背任に該当する可能性がある」と述べた。
ノヒョンウン・イ・ジョングック goloke@hani.co.kr