6年にわたる正規職化闘争を終えて、昨年5月に会社に復帰したキリュン電子(現レックスLEエンジ)の労働者たちは歳末にあきれる事件を体験した。 出勤してみると会社ががらんどうになり広く空いていた。復帰後に待機発令が下され給与も受けとれずに出勤だけしていた状況で、会社が通告もせずに引っ越してしまったのだ。
1日、全国金属労働組合キリュン電子分会労組員の説明を総合すれば、去る30日朝ソウル新大方洞(シンデバンドン)にあるキリュン電子事務室に引越しセンターの職員が押しかけて来て、事務機器などの什器を運び始めた。 労組員が朝9時頃に出勤した時は、すでにほとんどすべての荷物が運び出された状態だった。
事務室移転の気配がないわけではなかった。 会社側が数ヶ月にかけて賃貸料5000万ウォン余りを払えなくなるや、建物主は去る16日 "20日までに建物から出て行かなければ停電・断水をする" という公告文を貼り付けた後、23日に実際に電気と水道を切った。
労組員はそれでも出勤した会社の総務部長と修理技師に 「どこに引っ越しするのか」と尋ねたが、彼らはごまかすばかりで答えなかった。 彼らも荷物が運び出された以降は出勤していない。
組合員が会社がどこに引っ越ししたのかを尋ねるために電話連絡を試みても、明確な返事は聞けなかった。 ユ・フンヒ キリュン電子分会長は 「会社関係者に引っ越しした場所がどこかと尋ねても‘近所’と言うだけで正確に話さない。 こんなことがどこにあるか」と声を荒げた。 チェ・ドンヨル キリュン電子会長は、すでに昨年7月から会社に出勤していない。 組合員たちは他所に彼の事務室があると主張している。
去る30日から空っぽの会議室で座り込んでいる労組員10人余りは、1日ソウル上道洞(サンドドン)のチェ会長自宅前で集会を開き、会社の不当な処遇を批判した。 キム・ソヨン前分会長は 「闘争を続けている労働者に対する会社の抗議性行動であるようだ。我々も正確な真意が分からず当惑している」と話した。
分会側はキリュン電子が国外に移転した工場を2012年に売却するなど、資産が殆どない状態だと見ている。 現在、韓国取引所はキリュン電子の上場廃止を審査中で、株式は取引が中止された状態だ。 チェ会長は「会社の規模が縮小されたため、キリュン社屋付近のオフィスに移転した。 (労組員が会社を)不法占拠しようとしているようだ。彼らは私たちの会社の労組員ではない。 今は会社がとても難しい状況にある」と説明した。 これに対してキム前分会長は「チェ会長の発言は2010年11月の正規職復職を約束した労使合意に正面から反すること」と反発した。
イ・ジョングク記者 jglee@hani.co.kr