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“米 対話政策旋回…MB政府対北強硬策は失敗するだろう”

登録:2008-12-22 12:13

原文入力:2008-12-22午前08:59:48
 [オバマ時代の韓半島]ブルース・カミングス-パク・ミョンニム教授特別対談
カミングス “オバマ優先課題から後ろ送りされ、6者は安保協議体に拡張”
パク・ミョンニム“南政府,北問題影響力喪失…強硬に固執すれば韓米関係も漂流”

キム・ウェヒョン記者 パク・ビョンス記者

←ブルース・カミングス シカゴ大教授とパク・ミョンニム延世大国際学大学院教授対談. 左側からパク・ミョンニム延世大国際学大学院教授,司会者パク・テギュン ソウル大国際大学院教授,ブルース・カミングスシカゴ大教授. キム・ミョンジン記者 littleprince@hani.co.kr

著名な韓国問題専門家ブルース・カミングス米国シカゴ大教授がパク・ミョンニム延世大教授と17日‘オバマ政府のスタートと韓半島’を主題にして対談をした。
カミングス教授はこの日、延世大アレン館でパク・テギュン ソウル大国際大学院教授の司会で3時間余行われた対談で「オバマ以後、米国の対北政策は北核凍結に成功的だったクリントン政府時期の対話政策に戻らない理由がない」として「イ・ミョンバク政府が対北強硬策を維持するならば、これは成功しないだろう」と警告した。パク教授は「イ・ミョンバク政府が積極的に介入しなければならない対北問題には影響力を発揮できなくなっており米国の新政府スタートを待って推進しても良い韓米自由貿易協定批准は急ぐという過ちを犯している」として「現在の政策を変えなければ韓米関係も漂流する可能性が大きい」と語った。

<朝鮮戦争の起源>等、韓国関連著作で有名なカミングス教授は延世大国学研究員(院長ペ・ギョンソ)開院60周年国際学術会議参加のために訪韓した。

【パク・テギュン教授(以下、司会)】 オバマ政府の登場が及ぼす影響をどのように見るか?

【カミングス教授】 オバマ政府をクリントン3期とも呼ぶ。クリントン政府時期の人物を多く布陣しているためだ。対北政策に関する限り90年代によく機能したシステムに戻らない理由がないと考える。クリントン政府は寧辺(ヨンビョン)核施設を8年間凍結させることができた。強硬策か宥和策かの問題ではなく、何が効果があるかが重要だ。米国には北韓系米国人がいない。キューバ系やポーランド系米国人たちが米国の政策に影響を与えるのとは事情が違う。だから対北政策を言論や政界で簡単に操作することができる。オバマが強硬対北路線を変更するのに自由なわけだ。

【パク・ミョンニム教授(以下パク)】 ブッシュ大統領時期には古典的意味の外交がなかった。ネオコンは善と悪,親米と反米という二分法に基づいた一方主義を強要してきた。オバマは「外交はイデオロギーではなく現実の問題」と強調してきた。核,テロなどの色々な問題に原則を、時には強硬策を堅持することもありうるが、オバマ政府は一方主義を中止することだけでもブッシュの時と違うと見る。

【司会】 北核6者会談が危機に瀕している。6者会談はどのように見るか?

カミングス 2~3年前から6者会談は北核だけでなく東北アジア安保を扱うのに効果的という話が出始めている。ヨーロッパのように東北アジア地域集団安保協力体の基盤として拡張させようということだ。米国ではこういう意見が多く、オバマ時代に出現可能な未来と見る。

【パク】 6者会談は二つの点で画期的だ。最初は東北アジア最初の多者安保協議の枠組みという点だ。米国は他の大陸には集団安保協力体を創設してきたが、東北アジアではそのようにしなかった。米日同盟を機軸にソ連と中国を牽制するためであった。私はこれを東北アジア例外主義と呼んでいる。二番目は韓国が自分の問題にこのように深く直接当事者として参加した議論構造は初めてだという点だ。 韓国が停戦協定,北-米ジュネーブ会談など重要安保問題から除外されてきた枠組みを克服したという意味がある。韓半島の平和と北核問題は北-米両者対話,東北アジア多者協議,南北協議の三つの道を併行すること以外には方法がない。過去、米国は韓国問題を独占的に左右したが、中国と南北韓が声を出し始めたことにより時代が変わった。南-北,北-米関係の進展と併行する6者会談は、韓半島平和と北核問題解決の一つの通路になるだろう。

【司会】 イ・ミョンバク政府の対応についてはどのように見るか?

【パク】 イ・ミョンバク政府は韓米同盟強化と対北圧迫に出ているが、それは冷戦時代の認識だ。韓米同盟と南北関係は決して二者択一ではない。今イ・ミョンバク政府が北韓に対して影響力があるか? イ・ミョンバク政府が政策方向を変えなければ、韓国はキム・ヨンサム政府の時のように韓半島問題議論で孤立する危険な状況に置かれるだろう。

【カミングス】 キム・ヨンサム政府の時より今がさらに悪いようだ。 6者会談で韓国の声に誰も耳を傾けなかった。強硬対北政策は成功できない。

【パク】 ドイツで統一を主導したゲンシャー外相と会って話を交わしたことがある。彼はドイツが統一をすることができた理由は政権交替にもかかわらず、ブラント前総理以来続いた政策の一貫性にあったと話した。

【司会】韓国は反対に行くようだけど?

【カミングス】イ・ミョンバク-オバマ両政権の不調和はまだまともに説明するのが難しい。明らかなのは韓国が孤立しないための努力をするべきではないかということだ。イ・ミョンバク政府の1年は、既存政策方向を変えて新しいものを試みようとして、だからとても大変だった。最も良い対北政策は政権崩壊の憂慮を減らしてあげながら市場経済と平和共存に誘導することだ。キム・デジュン政府の政策はそのようにして成功的だった。こういう路線が続くならば北韓はベトナム形態で発展できないだろうかと考える。開城工業団地は途方もない事件だ。圧力を加えるよりインセンティブを与えつつ変化を誘導しなければならない。北韓は変化しており私は楽観的だ。キム・デジュン政権時期に北韓に送った資金で核開発をしたという見解もあるが、これは実際ブッシュ政府の威嚇による部分が大きい。北韓は95~96年にすでに核兵器を作ることができた。<ニューヨーク タイムズ>もそのような社説を出したことがある。北韓が核兵器開発をしたのはイラクのように侵攻されないためであった。

【司会】オバマ行政府登場以後の北-米関係はどうなると見るか。北韓の態度変化の可能性はあるのか?

【カミングス】オバマ当選者は対北朝鮮政策を具体的に言及したことがない。一般的範疇において敵とも対話することであり、非核化を支持するという程度に留まっている。クリントン時期の政策に戻るだろうという予想が可能だ。しかし北韓問題はさらに緊急なイラク,アフガニスタンなどに押されて新政府の優先課題リストで9番目,10番目になるといっても驚くにあたらない。だから北韓が‘関心’を引くためにミサイル発射などの手段を動員することもありうる。

【パク】オバマ側はブッシュ政府とは異なり、北韓を交渉と交流の相手として見ているようだ。オバマ政府は6者会談形態の多者間交渉を進めながら直接対話も併行するだろう。韓国政府も北-米関係進展に合わせて南-北関係を一定水準以上に引き上げなければならない。 北韓は米国の政権交代期に形勢を見極め既存政策を調整する方式を選んできた。問題はカミングス教授の話のように北韓問題が米国の優先順位から滞るという点だ。その上、韓国政府には何の影響力もない。北核問題がしばらく浮遊する可能性もある。

【司会】韓米関係はどうなるのか? 韓米自由貿易協定問題を含めてみてみよう。

【カミングス】イ・ミョンバク政府がブッシュ政府の米国と親しいと考えたかも知れないが、むしろオバマ政府と関係を通じることに時間がかかるかもしれない。韓米FTAもオバマが自由貿易に対して異なる立場を明らかにしており問題になる素地がある。とはいえ20年前の韓国独裁政権時期のように根本的な問題はないだろう。韓国が民主化された後、全般的な韓米関係の基盤ははるかに強固になった。

【パク】イ・ミョンバク政府が現在の政策に固守すれば韓米関係は漂流する可能性が大きい。イ・ミョンバク政府が積極的に介入しなければならない北核解決は反北朝鮮路線により疎外されており、米国新政府スタートを待って推進しても良い韓米自由貿易協定批准は非民主的に急ぐ‘アベコベ政府’だ。韓米自由貿易協定批准を急いで、米国で相応する手続きが進行されないならば長期漂流に陥る可能性もある。米国が再協議を要求すれば、その時は国内政治とかみ合わさって深刻な状況になるだろう。あれこれ批准手続きを非民主的に推進したことは得になりえない。

【司会】歴史学者として最近の韓国政府の歴史教科書修正企図についてどのように見るか。

【カミングス】歴史教科書改訂に反対する外国学者たちが請願運動を行っている。私も署名した。民主化以後、韓国では済州4・3や麗水・順天事件など過去ダブー視された分野の歴史が出版されるというすごいことが起きた。再び教科書を変えるということはバカなことだ。歯磨きを再びチューブに押込むということだ。民主化以後、教科書に入った内容は左翼でなく真実だ。4・3事件は李承晩政権に抗議する済州道民たちのデモであり、南労働党や北韓の指示ではなかった。これは当時米国と韓国警察の報告に出てくる内容だ。

【パク】歴史わい曲や教科書問題で、21世紀に国内外で署名対象になっている国は日本と韓国しかないという恥ずかしい事実を政府は分からなければならない。

整理/キム・ウェヒョン パク・ビョンス記者 oscar@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/329004.html

原文: 訳J.S