本文に移動

財政がパンクした‘自動車のメッカ’…デトロイト、結局 破産宣言

登録:2013-07-19 22:15 修正:2013-07-20 09:15
18日(現地時間)米国ミシガン州デトロイトの非常管理人キャビン オア(前列中央)弁護士がデトロイト市の破産申請発表を終えた後、沈痛な表情で記者会見場を出ている。 デトロイト/APニューシス

‘米国自動車産業のメッカ’として名声を誇ったデトロイト市が破産した。

 米国地方自治体史上、最大規模の破産申請だ。 債権団はもちろん、市民と公務員、他の財政危機都市もざわついている。

 ミシガン州デトロイト市政府が18日(現地時間)ミシガン州連邦裁判所に破産保護申請書を提出したと<ニューヨークタイムズ>等の外信が報道した。 デトロイト市の非常管理人であるキャビン オア弁護士は、市の債務が180億ドル(約20兆2050億ウォン)水準であり、最大200億ドルに達することがありうると明らかにした。 上・下水道事業のために発行した保証債券と引退労働者健康保険給付と年金など、無保証債券などが含まれている。 リーク シュナイダー ミシガン州知事は 「困難で苦痛な決定だが他の合理的代案はないと信じる」として破産申請を承認した。 彼はまた 「全てを返す希望がない債務の負担なく新しい出発ができる機会」と話した。

 デトロイトは米国自動車産業、ひいては米国の製造業を象徴する都市であった。 全盛期の1950年代、人口は200万人で、米国の4大都市であった。 しかし日本製自動車が米国市場を蚕食しながら完成車メーカーはもちろん部品会社までが直撃弾を受け、衰退の道を歩いた。 会社は他の都市に移った。 2013年現在の失業率は米国平均の2倍を越える18.6%まで急騰し、人口は70万人に減った。 住民の83%が黒人であり、人口の36%は極貧層でもある。 不動産価値は暴落し、市政府の税収は急激に減少した。 去る5年間に財産税収入は5分の1、所得税は3分の1へ縮小した。

 市政府の財政悪化は公共サービスの縮小につながった。 警察の人力不足でデトロイト市民は申告電話をかけた後、平均58分待ってようやく警察官に会うことができる。 米国平均11分の5倍を越える。 米国最悪の殺人事件発生率を記録しているが、解決される事件は8.7%に過ぎない。 全国平均は30.5%だ。 また、デトロイトの公園107ヶ所の内、半分はすでに門を閉ざした。 街灯の40%は火を灯すことができなくなって久しい。 住民たちが家と建物を捨てて去り、8万軒が廃屋に変わった。 幽霊都市の風景だ。

 デトロイトは去る2009年クライスラーの破産保護手続きを引き受けたオア弁護士を非常管理人に選任し、回復を模索した。 予算削減と資産売却、構造調整を推進したが効果はなかった。 先月には債権団に‘債権1ドル当り10セント’の損失を負担させる交渉を進めた。 代わりに公務員数を減らし、年金と福祉予算削減などの構造調整を提案した。 しかし債権団の同意を得ることに失敗した。 特に年金基金側の反発が強かった。

 ミシガン州連邦裁判所は今後30~90日間以内に破産承認可否を検討することになる。 破産申請が受け入れられれば、デトロイト市は債務償還の猶予を受ける代わりに公務員数と年俸を減らし、公企業を民営化し、公共サービス予算をさらに絞り込まなければならない。 ホワイトハウスは「デトロイトの状況をモニタリングしている」としつつも、救済金融支援の有無は明らかにしなかった。 この都市の酒場のマネジャーであるボン トデオリオン(36)は<ウォールストリートジャーナル>に "私は恐ろしくて、いらいらしている。 全速力で走る汽車に乗ったような気持ちで、汽車がどこへ行くかは誰にも分からない" と話した。

チョン・ジョンユン記者 ggum@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/international/america/596423.html 韓国語原文入力:2013/07/19 21:03
訳J.S(1773字)