李承晩と朴正熙 2人の前職大統領の功罪に批判的に光を当てたドキュメンタリー<百年戦争>が静かに人気を独占している。 大統領選挙に前後して近現代史に対する関心が高まったためという分析が出ている。
民族問題研究所(所長 イム・ホニョン)は1日 「映像公開後一ヶ月で193万人(先月31日基準)が<百年戦争>を観覧した」と明らかにした。 ‘近現代史真実探しプロジェクト’の一環として民族問題研究所が2011年から製作中の6部作ドキュメンタリー<百年戦争>は本編4部と番外編2部で企画されている。 研究所は昨年11月26日に初めて試写会を開いて李承晩前大統領の日帝強制占領期間における行跡を扱った本編1部‘2つの顔の李承晩’(52分)と朴正熙前大統領時期の経済成長の裏面を扱った番外編1部‘フレーザー報告書-誰が韓国経済を成長させたか’(40分)を初めて公開した。
以後、封切り館では上映せずユーチューブや‘歴史正義実践市民歴史館ホームページ’(http://ibuild.tistory.com)等を通じて映像を無料公開しているが、ネチズンたちから爆発的な呼応を得ている。 ‘ソン**'という名前のネチズンは「新しい事実を知れてうれしい気持ちと怒りを感じた。 歴史を正しく立て直すことの重要性を今一度骨の髄まで感じた」と市民歴史館ホームページに鑑賞評を残した。 ネチズン‘aws**'も 「両親、姉と一緒に観ました。 (ドキュメンタリーに含まれた内容を)初めて知ったと言われました」と書いた。
映像を公開した後、応援も続いている。 俳優クォン・ヘヒョ氏はもともと女性ディレクターが務めた‘二つの顔の李承晩’編のナレーションを自ら要望して映像の完成度を高めた。 「聴覚障害者のための字幕を作ってほしい」という呼び掛け文がホームページに上がってくるや忠北(チュンブク)鎮川(ジンチョン)のある市民は直接字幕を作り映像製作を助けた。
ドキュメンタリーが人気を呼ぶ中で民族問題研究所の新規会員も大幅に増えた。 去る12月一ヶ月間に新しく加入した後援会員だけで1570人余りになる。 この内、大統領選挙の翌日である20日以後に加入した会員が720人に達する。 1991年に作られたこの研究所の既存会員が7500人である点を勘案すれば爆発的反応と言える。
パン・ハクジン民族問題研究所事務局長は「大統領選挙以後に新規加入した会員たちの加入申込書を見れば‘選挙結果を見て歴史認識の重要性を痛感した’という意見が多かった。 動乱の歴史に誰もが理解しやすい方式で接近して呼応を得られたようだ」と<百年戦争>熱風を解説した。
民族問題研究所は今後、解放政局と李承晩下野を扱った2部、朴正熙執権時期を扱った3部、全斗煥政権時期を扱った4部、番外編であるフレーザー報告書2部などを順次製作し公開する予定だ。 研究所側は 「歴史的事実に対する厳密な検証が必要であるため、映像公開時期はまだ決まっていない」と明らかにした。 オム・ジウォン記者 umkija@hani.co.kr