"週30時間労働・不安定雇用撤廃" "有給安息年制・時間当り賃金1万ウォン" ‘その他’。新聞と放送では大統領選候補支持率世論調査が花盛りだが、朴槿恵(パク・クネ)セヌリ党候補と文在寅(ムン・ジェイン)民主統合党候補を除く残りの候補たちは大概その他候補として処理されている。 政党候補である朴槿恵、文在寅、李正姫(イ・ジョンヒ)候補を‘定数’とした質問用紙には、無所属候補としてカン・ジウォン候補が議論される程度だ。
存在感が微弱なのは事実だが、記号5番と7番は共に‘労働者大統領’を夢見る現場労働者出身だ。 記号5番キム・ソヨン候補は金属労組キリュン電子分会長を務めたし、記号7番キム・スンジャ候補は候補登録の数日前まで蔚山(ウルサン)科学大で清掃労働者っとして働いていた。
これらの候補は選管委に3億ウォンの預託金を預け、多忙な選挙遊説活動を進行中だ。 キム・ソヨン候補は4日、群山(クンサン)GM工場前遊説を手始めにギリギリな日程を消化した。 彼女は主に龍山(ヨンサン)惨事現場と北アヒョン洞撤去現場など主流候補たちの視線と足が向かない所を縫って歩いている。 キム・スンジャ候補もこの日、済州(チェジュ)に下り環境美化労働者と懇談会を開き、江汀マウルも訪ねた。 キム・スンジャ候補は民主労総済州本部を中心にした済州地域労働者の支持宣言も引き出した。
制度圏進歩政党である統合進歩党の李正姫候補が出馬し、進歩正義党のシム・サンジョン候補は文在寅候補を支持したが、進歩候補に分類されるこれらの人々は、なぜあえて独自出馬したのだろうか? キム・スンジャ候補側のキム・ソンイル選挙運動本部長は「統合進歩党の選挙公約が既存政界とそれほど違いがない。 また、シム・サンジョン候補が野党圏連帯のために辞退したが、野党圏連帯で政権を創り出しても進歩政治にはむしろ毒になりかねない」と語った。
労働大統領を前面に掲げた両候補の公約は制度圏政党候補らの公約とは明確に違いがある。 キム・スンジャ候補は6年働き1年休む‘有給安息年制’を第1公約として掲げた。 また、週当り35時間(現行40時間)に労働時間を短縮して、時間当り最低賃金は1万ウォン(現行4580ウォン)に上げると約束した。 また、国家が15才以上のすべての国民に月額33万ウォンの基本所得を現金で支給すると明らかにした。
キム・ソヨン候補の公約はさらに急進的だ。 彼女は週当り勤労時間を30時間に減らし、派遣制・期間制・フレックスタイム制などすべての不安定雇用形態を撤廃すると明らかにした。 また、財閥所有資産の没収および社会化、金融など主要産業社会化など社会主義に近い公約も提示した。
そのために両候補は‘このような公約が実現可能だろうか?’という質問をしばしば受ける。 キム・ソヨン候補側のパク・ソンイン政策委員長は「民主労働党が10年前に富裕税と無償教育、無償医療を話した当時も実現可能性に対する疑問が強かった。 だが、今はどうすれば可能かを議論している、現実性を問い詰めはしない」と話した。 キム・ソンイル本部長は「基本所得はヨーロッパ議会の勧告事項でもある。 キム・スンジャ候補の公約の大部分がすでに他の国々では施行されている政策」と話した。
両候補の出馬は韓国の労働界と進歩陣営が処した現実をそっくり見せることでもある。 ソ・ボクキョン西江(ソガン)大教授(政治学)は 「労働現場にいる方々が候補として出てきたということには政治的意味を付与できるが、進歩政党がこわれて労働者の政治勢力化が失敗する中で(李正姫候補を含めて) 3人の進歩候補が出馬したのは残念なこと」と話した。
リュ・イグン記者 ryuyigeun@hani.co.kr