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"食事を準備して差し上げられない所が多くてごめんなさい" 鍋を持った市民 大賑わい

登録:2012-11-25 22:44 修正:2012-11-26 05:51
23日午後ソウル徳寿宮(トクスグン)大漢門前‘共に生きよう座り込み村’を訪ねて無料昼食接待をした市民キム・ホギュ(右)氏とノ・ジュヒョク氏が持ってきた料理を座り込み者たちに配りながら明るく笑っている。 イ・ジョンア記者 leej@hani.co.kr

会社員など縁故ない一般市民たち
汁・ご飯・キムチなど持ち寄ってテントを訪ね
主婦のツイッター文から始まりうわさを呼ぶ
野宿座り込みに疲れた人々に大きな力

 去る23日昼、冷たい風が吹きずさぶソウル徳寿宮大漢門前の‘共に生きよう座り込み村’に大きな鍋を持った人々が訪ねてきた。 彼らは米飯、汁、大根の炒め物、茹で豚などの昼食を即座に準備した。

 "食事して下さ~い!" テントを尋ね歩いて食事の準備ができたことを知らせると、座り込み者たちが食卓前に集まった。 ご飯が山盛りになった使い捨て食器を綺麗に空にしたムン・ジョンヒョン(72)神父が驚いた表情で尋ねた。「久しぶりにご飯をとてもおいしく食べた。 ところで私は双龍(サンヨン)車労働者の夫人たちが用意してくれたと思ったのに、普通の市民なんだって?」

 昼食を準備した人々は‘ご飯シャトル チーム’だった。 彼らは座り込み村に常駐する双龍車解雇者はもちろん江汀マウル住民、龍山惨事遺族などとは何の縁故もない会社員、大学院生などの一般市民たちだ。 去る4月から毎週一度、双龍車組合員のための昼食を提供してきた。

 この日のご飯とキムチは大学院生ノ・ジュヒョク(32)氏が準備した。 寺で修行生活をしているキム・ジヨン(36)氏は海苔の入った汁と大根の炒め物などの精進料理を用意した。一緒に来た大学休学生キム・ホギュ(27)氏は「私はタクシー代を出した」と言って笑った。 時給アルバイトで生計をまかなっているキム・ヘリョン(30)氏が少し遅れて、おでんの炒めものとカボチャの和えものを持って訪ねてきた。 ソウル、汝矣島(ヨイド)の会社に通っているという匿名の中年男性は、ミカン2箱と飲み物を持ってきて急いで立ち去った。 食後には有機農シッケ(甘酒)と桑黄きのこを煮出した水が食卓に配られた。

 ご飯シャトルは‘トマム’というIDを使う主婦チョ・ヨンジュ(仮名・33)氏のツイッターから始まった。「双龍車解雇者たちが座込み場でパンを食べているのを見て戦闘警察官たちがあざ笑ったという文がツイッターに上がってきました。‘パンを食べることが滑稽だ? それなら私がご飯と肉を準備して差し上げましょう’という思いでツイッターに‘ご飯シャトル’一緒にやりましょうという文を載せたんです。"

 ‘ご飯シャトル’とは、いじめ学生に強制的にパンを上納させる学校暴力を示す隠語‘パン シャトル’をもじった言葉だが、自発的に座り込み者たちにご飯を接待しようという意味を含んでいる。

 うわさが広がり参加する市民たちが増えて、今は毎週平均6~7人が固定的に参加して、それ以上の人々が常に応援して食べ物を用意してくれる。 これまでに、ドングリ汁飯、エゴマすいとん、ユッケジャンなど多様な料理を野宿座り込みに疲れた人々に接待してきた。

 時には30~40人分の食卓を整える時は、10人余りの市民が集まって‘出張バイキング’を彷彿させる規模の食卓を整えもした。 今や大漢門前の座り込み村は‘被害当事者’だけでなく弱者と共にしようとする一般市民の空間になっている。 キム・ジョンウク双龍車労組対外協力部長は「このような市民がいるから、これほど長期にわたる座り込みができる力を得られる」と話した。

 食事接待の度に天安(チョナン)からソウルまでわざわざ上京してきているキム・ジヨン氏は、それでもいつも残念な気持ちになる。「韓進重工業希望バスに乗って双龍車のことをを知り、続けて才能教育・コルトコルテック・現代車などの非正規職問題を知るようになりました。 私たちが食卓を整えて差し上げられない所がまだとても多くて、いつも済まない気持ちで一杯です。」国家暴力により崖っぷちに追い出された人々の‘共に生きよう座り込み村’は26日で座り込み23日目を迎える。 <終わり>

チン・ミョンソン記者 torani@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/562286.html 韓国語原文入力:2012/11/25 21:18
訳J.S(1942字)

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