本文に移動

少なくとも2500人を殺した‘ドロン’今後は…

登録:2012-11-25 21:26

 米国がパキスタンなどでテロ団体組織員を除去するために使っている無人戦闘機(ドロン)の攻撃対象と条件などを法で明文化する作業をしている。 ドロン攻撃が国際法を無視して民間人誤爆を招いているという批判が強まっていることにともなう対応と見える。

 <ニューヨーク タイムズ>は24日(現地時間)米行政府高位官僚の話を引用し「国防部などドロン関連部署が最近数ヶ月間、ドロン攻撃の細部規則草案を機密に分類して回覧している」として「早ければ来年初めには完成されるものと見られる」と伝えた。 この新聞は 「オバマ大統領と彼の補佐官がこの‘遠隔殺害’を米国に対する緊急な脅威に対応する最後の手段として使うのか、同盟国の敵に対する攻撃を助けるなどの一層柔軟な道具として活用するかは依然として論争中」と伝えた。

 この作業はオバマ大統領がテロ容疑者除去の対象になる‘殺生簿’を作ることに直接関与して最終決定を下すという事実が去年の夏に初めて外部に知らされたことが契機になったとこの新聞は伝えた。 オバマ大統領は民間人被害を伴いかねないこのような攻撃の道徳的責任を負うために直接決定を下すと明らかにしたが、法的・道徳的論難が提起された経緯がある。 オバマ大統領は先月あるインタビューでドロン攻撃と関連して「私だけでなくいかなる大統領でも統制を受けられるよう法的構造を作る必要がある」と話し、ドロン攻撃には法的な問題があることを間接的に認めもした。

 米国は2001年9・11テロ事件以前までドロンを利用したテロ容疑者除去に反対してきたが、この事件以後に態度を変えた。 ジョージ・ブッシュ前大統領が2002年に初めてドロン攻撃を命令した以後、彼の在任時期に約45件が実行された。 これはオバマ行政府になり更に拡大して実行件数が300件を越えた。 攻撃対象も次第に拡大してきた。 初期には米国に対する攻撃計画を立てていると疑われるアルカイダとタリバンの高位級幹部に特定していたが、最近2年間にはパキスタン当局やアフガニスタン駐留米軍と戦闘を行っているテロ集団または反乱軍に拡大した。 作戦地域もイエメンとソマリアなどに拡大した。

 米国政府がドロン攻撃を徹底的に秘密にしていたため正確な死傷者数や民間人被害者数などは公開されていない。 しかし民間団体と言論などの現場調査によれば、今までに少なくとも2500人以上が死亡し、ここには数百人の罪のない民間人が含まれていることが把握されている。 英国の調査報道メディアである<ビューロー オブ インベスティゲイティブ ジャーナリズム>が発表した資料によれば、2004年6月から2012年9月までパキスタンでドロン攻撃で死亡した人が少なくとも2562人、最大3325人で、この内の民間人が最小474人、最大881人だ。 ここには子供176人も含まれている。

 国連が先月米国のドロン攻撃を調査するという方針を公式表明するほどにドロン攻撃は国際社会で大きな議論になっている。 ベン エマーソン国連対テロ・人権特別調査委員は先月25日、米国のドロン攻撃にともなう民間人被害を調査して関連国から説明を聞く方針だと明らかにした。

 ドロン攻撃が批判を受けるのは、罪のない民間人の犠牲だけでなく、米国に緊急な脅威がないにも拘らず容疑者を法廷に立てずに直接殺害するという点のためだ。 米国外交関係協会(CFR)のミカ ジェンコ研究員は「テロ容疑者などが攻撃をするためにニューヨーク行きの飛行機に乗ろうとしない限り、彼らは米国にとって緊急な脅威ではない」と話した。 一部では民間人誤爆などに対する反発を招き、かえってテロを煽る逆効果を招いているという指摘も出ている。

 反面、米国政府はドロン攻撃がテロ容疑者の攻撃から米国人を保護するためのる自衛権を行使であるため国際法に違反せず、在来式戦争より民間人被害が少ないという点を前面に掲げてこれを擁護している。

ワシントン/パク・ヒョン特派員 hyun21@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/international/america/562285.html 韓国語原文入力:2012/11/25 20:47
訳J.S(1864字)