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朴槿恵が出ないと言うので…KBS、他候補 個別討論も取消

登録:2012-11-04 20:57 修正:2012-11-04 23:09
朴槿恵セヌリ党大統領候補が1日午後ソウル東大門区(トンデムング)の韓国外国語大学で開かれた全国大学言論合同インタビューで出席学生(左)の投票時間延長に関する質問に答えている。 ニューシス

 韓国放送(KBS)が13~15日の3日間開こうと推進した大統領選候補招請個別討論会(対談)が朴槿恵セヌリ党大統領候補側の不参加のために失敗に終わった。 これに先立ち文化放送(MBC)とSBS招請大統領選候補討論も同じ理由で全て取り消された。 候補登録(25・26日)までわずか20日しか残っていない点を考慮すれば、公式選挙運動前のTV討論会は野党圏候補単一化のための2者討論会1回程度を除いては事実上なくなったわけだ。 候補の資質を検証し国民の判断を助けるテレビ討論会が全滅するという現象は1997年15代大統領選挙からテレビ討論会が導入されて以後、未曾有の事態だ。

 韓国放送は当初、朴槿恵(パク・クネ)、文在寅(ムン・ジェイン)、安哲秀(アン・チョルス)3人の候補を一緒に招請する3者討論会を検討した。 だが、セヌリ党が‘野党圏候補単一化議論が整理されるまでは3者討論に一切応じない’という方針を定めたことにより、13~15日に3人の候補を順に招請し、パネルらと質疑応答する形式の個別討論を行うことを決めた。 韓国放送は先月29日、3人の候補キャンプに公文書を送り‘個別討論は順序も重要なだけに抽選で決めて、不参加候補がいる場合は参加候補だけで進める’という方針を通知した。 この方針は外部専門家で構成した韓国放送の‘選挙放送討論委員会’の諮問を経てのものだった。

 回答期限である2日までに文在寅 民主統合党候補と安哲秀 無所属候補側は討論応諾書を韓国放送に送った。 しかし朴候補側は韓国放送との調整過程で「朴候補の討論順序を文在寅・安哲秀候補の討論が終わった後の2日後、もしくは少なくとも最終日にして欲しい。 そうでなければ参加は難しい’という意を伝えた。 イ・ジョンヒョン セヌリ党公報団長は 「野党圏2候補が単一化をしようとしているので、2候補が先にして私たちが後にするという意見を出した」と話した。

 これに対して韓国放送選挙放送企画団と選挙放送討論委員会はそれぞれ会議を開き、参加意思を明らかにした2候補だけを対象に討論会を進めようとの結論を出した。 韓国放送関係者は4日「順序を一番最後にしてほしいという朴候補側の要求は受け入れられないということで意見一致を見た。 選挙放送討論委も全員一致で‘不参加候補は抜いて討論を進めるほかはない’と結論を出した」と話した。 現行公職選挙法は招請に応じない候補は抜いて討論を進められるよう規定している。

 だが、選挙放送企画団のこのような結論はイ・ファソプ報道本部長など韓国放送高位幹部によって覆された。 韓国放送新労組関係者は「イ本部長が3日‘社内世論を取りまとめてみたところ(2人だけが参加する討論に対して)賛否が交錯していた。 政治部を通じて最大限(朴候補側を)説得してみるから待ってみよう’として、今回の討論は一旦延期しようと話した」と明らかにした。韓国放送使用側関係者は「3人の候補に公平でなければならないので日程を延期しただけ」と話した。これに対して韓国放送のある核心関係者は「切迫した日程上、延期は言葉遊びに過ぎず、事実上取り消したこと」とし「朴候補側の決断を圧迫するためにもひとまず2人でも進めるべきなのに、経営陣など幹部が朴候補の顔色を伺った」と話した。 5人で構成された選挙放送討論委員会も「私たちは案山子だという話か」として強く反発しており、一部委員は辞退する意向を明らかにしたと知られた。 韓国放送労組は今回の事態を追及するために5日キム・インギュ社長に公正放送推進委員会の招集を要求することにした。

今回の討論取り消し事態と関連して野党圏候補らはいっせいに反発した。 民主党のキム・ヒョンミ、シン・ギョンミン議員は4日記者会見を行い「特定候補が参加しないからと、他の候補の討論機会まで剥奪してはならない」と指摘した後「朴槿恵、安哲秀候補の積極的参加をもう一度促す」と明らかにした。 チョン・ヨンス安哲秀候補スポークスマンはブリーフィングで「なぜ当初の約束と違い3者討論でもない順次討論を取り消すことになったのか、説明しなければならない」と韓国放送に要求した後、朴候補に対しても「自身の立場と国政方向を明らかにする順次討論も拒否する候補が国政を導いていく指導者として能力があるのか、国民の前で答えなければならない」と話した。 イ・ジョンヒョンセヌリ党公報団長は「野党圏2候補が単一化をしようとしているので2候補が先にしてから、私たちがするという意見を出したに過ぎない」とし「寛勲討論と記者クラブ討論などに今まで一度も参加しなかった安候補こそ厚顔無恥はもちろん、図太い神経だ」と話した。

 地上波放送が推進した候補討論会が全て失敗に終わったことに伴い、テレビ討論会は選挙運動期間に中央選管委が主催する法定討論会4回(招請候補3回、非招請候補1回)だけが残った。 だが、法定討論会は出席候補は多いのに比べ討論時間が短く、まともに討論ができない。 寛勲討論など言論団体で進める個別候補招請討論会が行われる可能性はあるが、地上波テレビはこれを通常中継しない。

 今回の大統領選挙の場合、大統領選候補に対する国民の知る権利が深刻に毀損されるわけだ。 イ・ガンユン時事評論家は「公衆波で全国民に放送される多様な大統領選候補討論会は国民の知る権利次元で投票時間延長に劣らず重要な価値を持った事案」とし「これを忌避する候補は大統領選候補者として資格がない」と話した。 2002年16代大統領選挙時はテレビ討論会をはじめとして各種討論会が83回あったし、2007年17代大統領選挙時は48回開かれた。

キム・ジョンチョル、ユ・ソンヒ記者 phillkim@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/558901.html 韓国語原文入力:2012/11/04 20:18
訳J.S(2538字)