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外国でも、韓国に戻ってきても失業者…‘悲しい帰還者(returnee)’

登録:2012-10-31 21:34 修正:2012-10-31 23:49

 去る8月、英国のある大学で観光経営を勉強したキム・ソンヨン(仮名・27)氏は現地ホテルに就職しようという計画をあきらめた。 卒業を控えた去る4月、英国政府が外国人留学生の就職を許容する就職準備ビザ(PSW)制度を廃止したためだ。 英国政府は去る2008年世界金融危機以後、自国民の働き口を保護するためとし留学生にビザと市民権をあたえる要件を難しくするなど反移民政策をとっている。

 英国から帰ってきたキム氏を歓迎してくれる国内企業もなかった。 キム氏は今秋、国内有名ホテルをはじめリゾート事業を営む大企業など20社余りに願書を出したが、1次書類審査で全て脱落した。 優れた英語力と留学派という‘スペック’は役に立たなかった。 「今年の就職はあきらめました。 コンピュータ資格証でも取るつもりです。」キム氏が苦々しく話した。

 オーストラリアで大学を卒業し移民まで考えたソ・ドンヒョン(仮名・27)氏は去る2010年オーストラリア政府が永住権取得要件を強化したせいで、去る7月に帰国した。 同月オーストラリア政府は従来の永住権発行対象である‘人材不足職業群’を408群から181群に大幅に減らした。 米国政府も去る2009年2月勤労者雇用法を作り救済金融恩恵企業に対しては外国人の就職を制限した。

 キム氏やソ氏のように国外に留学に出て就職できずに国内に戻る帰国留学生である‘returnee’が大幅に増えている。 去る2008年世界金融危機以後、世界各国で広がっている反移民政策のためだ。 国外で1年以上滞留した満21~30才の入国者は、去る2002年の2万3710人から去る2010年には4万113人へ2倍近く増えた。 特に去る2007年まで3万人前後だった入国者は金融危機のあった2008年には4万人水準へ急増した。

 だが、帰還者たちは国内就職市場でも冷遇されている。 斗山(トゥサン)重工業人事担当者は「韓国の学生たちが国内企業の特性をよく把握して就職市場に飛び込んでいるのとは違い、帰還者たちは人的ネットワークが足りず企業情報にも疎いことが弱点」と語った。 また別の大企業関係者は「この頃は韓国の大学生も英語力が優れているので、留学派ということだけでは競争力がない」として「国内企業の採用過程は書類と面接が中心である外国とは異なり、特に短い時間内に多様な分野に関し多くの問題を解かなければならない修学能力検定試験スタイルの人・適性検査を帰還者たちは苦手なようだ」と伝えた。

 帰還者たちを対象にした就職専門学院まで登場した。 昨年8月開校したソウル江南区(カンナムグ)ノンヒョン洞の‘Tキャリア アカデミー’は帰還者を対象に8週間かけて自己紹介書作成と面接、人・適正検査などに備える就職準備課程を運用し100万~300万ウォンの受講料を受け取っている。 現在40人余りの帰還者たちがこの課程を受講中だ。 この学院の関係者は「就職準備に困難をきたしている帰還者たちの需要が多い」と話した。

 韓国労働研究院のナム・ジェヤン博士は「帰還者が増え一種の社会現象になったが、この間わが国社会は帰還者に対する関心自体がなかった」として「彼らが置かれた状況に対する認識と問題意識を広める必要がある」と指摘した。

ホ・スン記者 raison@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/558479.html 韓国語原文入力:2012/10/31 20:30
訳J.S(1585字)

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