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金を求めてアマゾンに来て、売春に原住民虐殺まで

登録:2012-09-01 06:23

原文入力:2012/08/30 22:04(1583字)

←原始部族 ヤノマミ族はベネズエラとブラジル地域で集団生活をしている。 ヤノマミはヤノマミ語で‘人’を意味する。 サバイバル インターナショナル ホームページより

不法鉱山業者‘カリムペイル’
金採取時、水銀が生態系を破壊
彼らのキャンプでは性売買などの犯罪も
ヤノマミ族と衝突で虐殺も
※カリムペイル:<許可を受けていない金採取者>

 1970年国際金相場は1オンス(31.1035g)当たり37ドルであった。 以前の数十年間にもそれほど大きな変動はなかった金価格は、1971年米国が金本位制を放棄しブレトンウッズ体制が崩壊した以後に途方もなく上昇し始めた。 1980年には最高850ドルを記録したが、2011年物価基準では、2466ドルに達する。 それこそ狂ったように上昇したわけだ。 そして金価格上昇と共にヤノマミ族とアマゾンの悲劇も始まった。

 カリムペイルはブラジル語で許可を受けずに金を採取する人を称する。 彼らはかつての米国西部時代のように簡単な装備だけを持って金を探し、アマゾンのジャングルをさ迷う。 カリムペイルは金価格上昇以後1975年頃から始まったいわゆる‘ブラジル ゴールドフィーバー’以来、急激に増え始め現在は数万人以上がアマゾンのジャングル内に留まっていると推測される。

 彼らは様々な面でアマゾン近隣国家たちの悩みの種になっている。 まず金を抽出するために使う水銀がアマゾンの生態系を深刻に破壊する。 米国ピューリッツァセンターの推算では、1年に30t以上の水銀がアマゾン川に流出している。 また、彼らが留まるキャンプでは売春、密輸、銃器事故など各種問題の温床になっている。 フランス政府はフランス領ガイアナに入ってきているカリムベイルを一掃するために2008年大規模軍事作戦を行った。

 最も大きな問題はマノマミ族との衝突による人命被害だ。 ヤノマミ族が暮らしているブラジルとベネズエラの境界地域は金が豊富に埋蔵されていると調査されており、当然カリムペイルらの主な活動舞台になった。 この地域だけで少なくとも2万人以上のカリムペイルが留まっていると推定される。 初めにこの地域に来た少数のカリムペイルらは各種の西洋の物品をプレゼントしてヤノマミ族の歓心を買ったが、自分たちの数が徐々に増えるや本性を現し始めた。 ヤノマミ族もまた自分たちの土地が不当に侵犯されたとしカリムペイルらとたびたび衝突を起こした。

 代表的な例が去る1993年ヤノマミ族がカリムペイルに相次いで殺害された‘ハシム虐殺’だ。 公式集計では16人が亡くなったと知られたが、<ニューヨーク タイムズ>などは当時殺害されたヤノマミ族の数字は実際には76人に達すると報道した。 当時虐殺が始まった理由は明確に明らかにならなかったが、あるヤノマミ族がカリムペイルのハンモックを盗んだことから触発されたというのが定説だ。 この事件以後にも衝突は続き、結局先月80人余りのヤノマミ族が一度に殺害される悲劇が起きた。

 ブラジルのシンクタンクである半球委員会(COHA)のジャレッド ヒツブ研究員は国際金相場が限りなく上昇する限り、カリムペイルらは引き続きヤノマミ族の領域を侵すだろうし、一時的に退去措置を取ってみてもすぐにまた戻ると見通した。 政府次元でこの問題の深刻性を悟って強力な管理政策を樹立するまではこのような悲劇が終わらないという意だ。

イ・ヒョンソプ記者 sublee@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/549543.html 訳J.S