原文入力:2012/07/26 23:24(2193字)
←'ブローカーと共に' 去る2010年7月17日キム・ビョンファ最高裁判事候補者(左端)がブローカーであり私債業者であるパク・某(右から2番目)氏などと共に太白(テベク)サラン山岳会3周年記念式に参加して記念写真を撮っている。 パク・ポムゲ議員室提供
キム・ビョンファ任命提案から辞退まで
‘最悪の最高裁判事候補者’という指摘が出るほど絶え間なく疑惑に包まれたキム・ビョンファ(57・前仁川(インチョン)地検長)最高裁判事候補者が結局自主辞退した。 キム候補者の任命提案と落馬過程は最高裁判事任命システムの弱点をそっくり見せる。 特にキム候補者を最高裁判事候補者に推薦したクォン・ジェジン法務部長官の責任論が避けられないように見える。 終盤までキム候補者任命をゴリ押ししようとしていた李明博政府とセヌリ党も政治的負担を背負うことになった。
■キム候補者を推薦したクォン・ジェジン長官
最高裁判事14名中の1名を検察出身で満たすことが我が国最高裁の慣例だ。 いわゆる‘検察持分最高裁判事’だ。 その間検察では高等検察庁長級人士を最高裁判事候補として推薦してきた。 キム・ビョンファ候補者は去る10日に退任した検察出身アン・テヒ最高裁判事の後任に推薦された。 当初、前・現職の最高検察庁次長など高等検察庁長級が有力に議論されたが色々な理由で推薦名簿から除外されたと伝えられた。
最高裁判事候補推薦委員会の当然職委員であるクォン・ジェジン法務部長官が最終的に推薦した検察出身人士はアン・チャンホ ソウル高検長、キム・ホンイル釜山(プサン)高等検察庁長、キム・ビョンファ仁川(インチョン)地検長など3人だった。 地検長級のキム・ビョンファ検事長が推薦名簿に含まれたことは異例的だった。 検察と裁判所周辺ではクォン長官の意が早い時期に慶北(キョンブク)高校とソウル大法大の後輩であるキム地検長側に固まったという解釈が出てきた。 アン高等検察長の場合、同じ大田(テジョン)高同窓がすでに現職最高裁判事に二人もいるので早くから候補から除外された。 BBK事件捜査を指揮したキム高等検察長に対しても裁判所は政治的中立性を認められにくいという立場だった。
最高裁高位関係者は「推薦名簿を見るやいなや一部最高裁判事はクォン・ジェジン長官の意中がのせられたキム・ビョンファ仁川地検長が候補者になると予想した」と伝えた。 結局ヤン・スンテ最高裁長官は去る6月5日李明博大統領にキム候補者を検察持分最高裁判事候補者として任命提案した。
民主統合党はキム候補者に対する推薦権を行使したクォン・ジェジン長官に対する問責を主張した。 クォン長官は去る24日、国会法制司法委員会法務部業務現況報告で「キム・ビョンファ候補者が一部かんばしくないことは謝ったし、その程度の瑕疵ならば最高裁判事候補として大きく問題がない」と話して野党議員から袋叩きにされた。
←キム・ビョンファ最高裁判事候補者が去る11日午前、国会で開かれた人事聴聞会で宣誓をしている。 カン・チャングァン記者 chang@hani.co.kr
貯蓄銀行ブローカーと癒着関係
頻繁な通貨・アパート購入確認
偽装転入・息子兵役などの疑惑も
世論悪化に与党でも‘否定論’
政治独立性など徹底検証なしで
‘検察持分最高裁判事’認定が禍根
■世論悪化に負担を感じた政界
民主統合党など野党は人事聴聞会直後、早くからキム候補者に対して‘任命同意不可’党論を定めた。 セヌリ党の一部議員もキム候補者に対する否定的意見を表わしたが、セヌリ党は最近まで任命同意案処理を強行する意を曲げなかった。 セヌリ党は去る24日イ・ハンク院内代表主宰で院内対策会議を開き、最高裁判事候補者4人に対する任命同意案を7月中に処理するという方針を繰り返し確認し、カン・チャンヒ国会議長に表決に送ることを要求した。 しかしカン議長がこれを受け入れず、任命同意案処理は8月に延ばされた。 大統領府は沈黙でキム候補者を支援した。
だが相次ぐ疑惑で世論が悪化するとセヌリ党では何人かの議員たちが集まって‘キム・ビョンファ最高裁判事否定論’に意見を集めた後、イ・ハンク院内代表らにこれを伝達するなど積極的に動いたことが明らかになった。
ファン・ヨンチョル議員は26日「気流を見ると大統領府も悩んでいるようで、それなりの措置が取られる可能性もあるようで一日だけ待ってみようといった」として「しかし措置がとられなければ明日朝早くに声明を発表することにした状態であった」と話した。 彼は「私たちは自主辞退が正しいと見た」として「(最高裁判事承認案が)上程されても同意しないことで意見を集めた」と話した。 ある当局者は「時間が経つほどに新たな疑惑が出てくる状況で事必帰正」とし「本人が自主辞退したことは大いに幸甚」と話した。
ユ・シンジェ、ソン・ヨンチョル記者、ヨ・ヒョンホ先任記者 ohora@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/544500.html 訳J.S