原文入力:2012/07/26 15:53(1729字)
軍事政権、工場団地造成を口実に追い出し
68年 最高裁 "返還せよ" 判決にも関わらず
政府が再び訴訟 89年には覆り
農民たちの粘り強い再審要求の末に結局 勝訴
1960年代 朴正熙軍事政権にソウル、九老洞(クロドン)の土地を奪われた農民たちが再審の再審の末に51年ぶりに土地を取り戻すことになった。
ソウル高裁民事30部(裁判長 カン・イルウォン)はソウル、九老洞(クロドン)一帯の農民とその遺族265人が「不当に奪っていった土地を返してほしい」として国家を相手に出した所有権移転登記請求訴訟再再審で原告一部勝訴判決したと25日明らかにした。
以前は九老(クロ)工団であったし、今はソウルデジタル団地になって高層ビルがぎっしりと建った九老区(クログ)、九老洞(クロドン)一帯の土地30余万坪は日帝強制占領期間に強制収容され、1942年頃に陸軍省の名義になった。 だが収容される前からここで農作業をしていた農民は解放以後に農地改革を通じて1950年に土地の分配を受けた。
←去る6日夜、ソウル、九老区(クログ)、九老(クロ)デジタル団地の高層アパート型工場が灯を点している。 リュ・ウジョン記者 wjryu@hani.co.kr
ところが韓国戦争の終わり頃である1953年5月から国防部が所有権を主張し始めると、クーデターで執権した朴正熙政権は1961年9月からこの土地に九老輸出産業工業団地(九老工団)を作るという口実で土地を奪い農民を追い出した。 農民は数名ずつ群がって1964年に国家を相手に所有権移転登記請求訴訟を起こし、1968年最高裁は 「農民に分配した土地に間違いない」として土地を農民に返還するよう判決した。
国家が訴訟で敗れると検察と中央情報部は「農民が国家の土地を詐取した」として訴訟詐欺・偽証などの疑いを着せて農民を不法連行・監禁した。 このようにして捕らえた農民に釈放を前提に民事訴訟を放棄するよう勧めるために、143人は自身の権利を放棄して釈放されたり不起訴処分にされ、意を曲げなかった41人は結局起訴された。 朴正熙政権は強圧的な捜査結果を基に 「民事訴訟自体が農民の詐欺によるもの」とし、土地を奪うために再審を請求した。 この裁判は農民の刑事裁判が終わった1984年に審理が再開され、1989年12月に最高裁は土地が国家所有に相違無いと判決した。
しかし民事訴訟を出したという理由で連行され苛酷行為にあった農民とその遺族たちは2006年真実・和解のための過去事整理委員会(真実和解委)に真実糾明と名誉回復申請を行い、真実和解委は2年後に「国家が行政目的達成のために民事訴訟に介入して公権力を不当に乱用した」として「農民に訴訟詐欺の責任を問うことはできず、農民を不法連行して苛酷行為を加えたことは刑事訴訟法の再審理由に該当する」と真実糾明決定を下した。
再び農民とその遺族たちは2009年刑事裁判に対する再審を請求して昨年無罪判決を受けた。 続けて1989年に確定した民事再審判決に対しても去る1月に再再審を請求し結局勝訴判決を受けたのだ。 裁判所は「1968年国家が再審を請求して1989年に裁判所が下した再審判決は農民の不法行為を前提としたものであり、農民の不法行為は以後の刑事事件の再審裁判で無罪を宣告されたので、1968年に国家が請求した再審理由がもはや存在せず再審判決は不当だ」とその判決理由を明らかにした。
訴訟代理人を務めたイ・チャンジン弁護士は「今回の訴訟を通じて国家によって不当に進行された再審判決を取り消し、1968年最高裁判決状態に戻ることになった」とし「現在、国家名義とされている土地は所有権を受け継ぎ、そうでない土地の場合には損害賠償を請求する予定」と明らかにした。
パク・テウ記者 ehot@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/544253.html 訳J.S