原文入力:2012/07/12 08:16(1325字)
50代女性、夫の振り回す凶器で刺され
地区隊に来た夫に警察が行方を教える
昨年‘強制隔離’導入しておきながら守らず
去る2日ソウル、江東区(カンドング)の半地下住宅で韓国人の夫ホン・某(67)氏が在中同胞の妻イ・某(57)氏を凶器で殺害した事件の当時、被害者イ氏が事件発生直前に警察に申告していたことが確認された。 しかし警察はしばらくイ氏を保護した後に自宅に連れて行き、イ氏はその20数分後に夫のホン氏によって無残に殺害された。
11日ソウル、江東警察署の説明を総合すれば、被害者イ氏は事件が発生した去る2日夜6時54分、警察に家庭内暴力にあったと申告した。 申告を受けて出動した警察は家の外に出てきていたイ氏を夜7時15分頃に城内(ソンネ)地区隊に連れてきた。 以後、警察は40余分後お8時頃に家の中に夫がいないという事実を確認して、イ氏を家に連れていった。 警察は夫が再び戻ったり家庭内暴力が発生すれば再申告しろと言った。
しかし夫のホン氏は警察がイ氏を家に連れていった時刻に城内地区隊を訪ねてきて妻の行方を尋ねた。 この時、警察は妻が地区隊に来たという事実はもちろん、イ氏を家に連れていったと知らせたことが確認された。 家庭内暴力をふるったホン氏に対しては特別な措置を取らなかった。 家庭暴力が再発する恐れがあるにも関わらず夫に妻の行方まで教えていたわけだ。
結局、イ氏が家へ帰った20分後の8時20分頃、再び地区隊に申告電話があり警察がすぐに出動したが、ドアが閉まっていて家に入れなかった。 刃物の音に驚いた警察が防犯窓をはがして入ったが、夫ホン氏がイ氏の鎖骨部分を刃物で刺した後であった。 イ氏は病院に運ばれる途中で亡くなった。 ホン氏は妻が逃げられないようドアーを閉めておき、凶器を振り回したと警察は明らかにした。 亡くなったイ氏は食堂などで仕事をし、職業のないホン氏の生計の責任を負ってきたことが分かった。
オ・ウォンチュン事件など112申告に対する警察の安易な対応が相次いで問題になっているなかで、今回の事件を契機に家庭内暴力に対する警察の警戒心が依然として不足しているという批判は避けられないものと見られる。 また、家庭内暴力被害者を保護するために昨年10月、家庭内暴力行為者を警察が強制隔離できる‘緊急臨時措置権’等を導入したが有名無実な状態という指摘も出るものと見られる。
警察関係者は「イ氏を地区隊へ連れてきた後、告訴手続きと対応方法などを詳細に説明し陳情をさせたが、イ氏が夫の処罰を望まず家へ帰ることを望んだので直接家に連れていき夫がいないという事実を確認した後に撤収した」として「故人が残念なことになったことに対しては責任を痛感するが、対応には最善を尽くしたと考える」と明らかにした。
チョン・ファンボン記者 bonge@hani.co.kr
原文: 訳J.S