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警察庁長官が‘米軍憲兵に味方’

登録:2012-07-10 07:16

原文入力:2012/07/09 21:39(1434字)

←キム・キヨン警察庁長官

米軍憲兵が韓国人に手錠をはめた事件に
「不法とは判断できない」
警察のぬるま湯対処質問には
「主観的なことなので判断を留保」
ノ・フェチャン 「どこの国の警察なのか」

 警察の首長であるキム・キヨン(写真)警察庁長官が韓国民間人に手錠をかけて連行した駐韓米軍憲兵の肩を持つような発言をして物議をかもしている。

 キム庁長は9日開かれた記者懇談会で「米軍が韓国人を連行したからと言って、直ちに警察が(不法と)判断できることではない」として「(一線警察官が見た時)韓国人なのか日本人なのかは分かり難い」と話した。

 米軍憲兵が韓国民間人を逮捕しても韓国警察が来れば直ちに身柄を引き渡さなければならない韓-米駐屯軍地位協定(SOFA)があるにも関わらず、事件当時警察がぬるま湯的に対処したのではないかとの記者たちの質問には「消極的かどうかという主観的なことで、判断は留保する」と答えた。キム庁長はまた「警察捜査というものは正確に犯罪事実を確認して違法な部分に対して立件し処罰すること」としながら「米軍に関連した事案を捜査する時も法解釈で対応すべきであり、政治的な判断をすることではない」と線を引いた。

 事件当時現場にいた駐韓米軍空軍部隊(K-55)憲兵7人は韓国警察が出動した状況でヤン・某(35)氏ら市民3人に手錠をかけて米軍基地正門側に150mほど連行した。 ヤン氏は荷物を運ぶために店の前に一時車両を駐車していたが、米軍憲兵の度重なる要求で車を移動した。 その後、米軍憲兵は突然「韓国警察を呼んだので待て」として後から手錠をかけた。 申告を受けて出動した警察が手錠をはずすよう要求したが、米軍は聞こうとしなかった。

 キム庁長の発言が知らされると「無責任な発言」という批判が出てきた。 オ・チャンイク人権連帯事務局長は「警察が自国の国民が外国軍人に不法的に連行されてもただ見ていたというのは米軍が治外法権ということを公式認証したかたち」と話した。 ノ・フェチャン統合進歩党議員は自身のツイッター(@hcroh)に「キム・キヨン警察庁長官、‘米軍が韓国人に手錠をかけて連行していっても無条件に不法だとは見られない’だと? この方は李完用(イ・ワンヨン)内閣で警察庁長官をした方なのか?」と皮肉った。

 一方、京畿道(キョンギド)、平沢(ピョンテク)警察署は去る5日夜、米軍憲兵がヤン氏を逮捕し手錠をかける場面が撮影された防犯カメラ(CCTV)録画画面などを分析した結果、米憲兵がヤン氏を過度に制圧した場面を確認した。 したがって米軍が現行犯でもないヤン氏を不法逮捕したと見て、不法連行に関与した米軍憲兵7人に対してSOFA違反有無とともに刑法上の逮捕・監禁罪の適用を検討している。

 しかし去る8日まで1次警察調査を受けた米軍憲兵は「威嚇的行動にともなう正当防衛」として対抗している。 米軍は民間人を部隊正門まで連行していった理由について「現場に駆けつけた怒れる群衆のために身辺に脅威を感じて正当防衛次元で行動した」と警察で述べた。

イ・ジョングク記者、平沢/キム・キソン記者 jglee@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/541794.html 訳J.S