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軍 大統領選挙を控えて怪しい安保教育

登録:2012-06-21 10:16

原文入力:2012/06/21 08:20(1746字)

4・11総選挙の12日後 "民主党内従北勢力" 講演
5月には "進歩党は従北勢力…各種デモの背後"

←京畿道(キョンギド)楊州(ヤンジュ)郡で65師団が部隊内チョンボ館で去る12日、幹部を対象に安保招請講演をしている。 65師団ホームページキャプチャー

軍 大統領選挙を控えて怪しい安保教育

 軍が大統領選挙を6ヶ月余後に控えた時点で、野党を従北勢力に追い立てる大々的な安保教育を行っている情況は多くの論難を呼ぶものと見られる。 敏感な時期に野党を思想論争で攻撃する内容なので、野党が軍の政治的中立を問題視することができるためだ。

 最近進行されている安保教育は野党を実名で攻撃している。 軍は 「一部講師の個人意見に過ぎない」と言うが、該当講師は国防部講演と同じ内容を各軍で教育していて、国防部講演内容が各軍に通達される教育資料の根拠資料になったという点で個人意見に過ぎないとは見難い状況だ。 前方・後方に関わりなく部隊別に実施される安保教育の講演者、講演内容、映像資料なども類似している。

 講演内容も総選挙など政治懸案や野党圏連帯、従北論議の推移などに応じて変わるほど現情勢と密着している。 4・11総選挙直後の4月23日(国防部幹部教育)には 「民主統合党に従北勢力がいる」として、第一野党と直接的に従北を連結する内容が登場した。 しかし統合進歩党事態で従北論難に火が点いた5月には首都圏のある部隊で「統合進歩党は従北勢力だ」「この頃起きている各種デモ・集会の背後が統合進歩党であり、彼らは従北勢力だ」等、直接的に統合進歩党を狙った内容に若干変わった。 統合進歩党従北論難が弱くなった6月にはある部隊で再び野党圏をひっくるめて従北勢力と烙印する内容で満たされた。

 国防部は定例的な安保教育の一環と説明している。 しかし‘従北勢力’関連教育は最近まで前例がなかった。 <ハンギョレ>が入手した公文書を見れば、護国報勲の月である6月の主題には6・25特集、統一祖国、6・25と従北勢力などが教育項目として分類されている。 軍関係者は 「公文書にも出ているように、6・25韓国動乱(韓国戦争)教育と従北勢力実体教育が同時に進行される」として「従来は無かったこと」と話した。 これに対してある国防部関係者は 「少し前までは従北勢力の実体が明らかになっていない状況だったので教育内容に包含できなかった」とし「従北勢力が糾明された状況で軍がこれを強調するのは当然のこと」と説明した。

 その上、一線部隊では部隊員の参加を異例的に厳格に管理している。 最近教育を実施したある部隊の幹部は「普通の安保教育は業務を理由に参加しなくとも、それ以上は多くの理由を問わないが、今回は理由書を提出しろと言った」として 「最近数年間で初めての出来事」と話した。

 国防部は今回の安保教育の対象に軍だけでなく青少年など一般国民も含めている。 公文書を見れば、映像資料である‘従北勢力の実体’‘北の対南赤化脅威’等、従北実体関連映像資料の活用方案として「将兵および青少年安保教育時に積極的に活用」と出ている。 従北勢力関連教育に活用される資料は国防部精神戦力課ホームページからダウンロードできる。

 国防部はこれと関連して「一部野党に対する発言は過去に主体思想派と深く関与した体験者などの経験に個人的な分析と見解を加えて講演中に話したものと理解している」 として 「安保教育は常時継続的に実施しており、教育方法は部隊別の条件により安保専門家招へい講演、6・25参戦勇士など多様だ」と説明した。

 しかしイム・テフン軍人権センター所長は 「選挙がいくらも残っていない時点を考慮する時、今回の従北教育は軍が政治的中立原則に反し、政治に介入すること」とし「対敵観以上に憲法的価値観を守る任務を国民から与えられた軍は今回のことに対する責任を負わなければならない」と話した。 ハ・オヨン記者 haha@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/538859.html 訳J.S