原文入力:2012/06/20 19:01(1713字)
←エジプト ムスリム兄弟団の大統領候補であるムハンマド ムルシの支持者が19日カイロ タフリール広場でムルシのポスターと支持プラカードを持って軍部の退陣を要求するデモを行っている。 カイロ/APニューシス
軍-ムスリム兄弟団 互いに勝利を主張
アルジャジーラ "誰が勝利者なのか混乱"
‘軍勝利’発表すれば流血闘争は必定
市民、軍部に対抗して長期戦の構え
カイロに住むエジプト人事業家マグディ ニマタルラ(47)は19日夜、エジプト革命の象徴であるタフリール広場へ向かった。 広場にはすでに少なくない人々が集まっており、軍部の退陣を要求するスローガンを叫んでいた。 彼は英国<ファイナンシャル タイムズ>インタビューで「不正投票で選出された他の大統領(シャフィク)は見たくない」として「私たちは広場を離れない」と叫んだ。 昨年2月、解放区となったエジプト革命の象徴であるタフリール広場にはこの日夜、再び数万人の人波が押し寄せた。
<アルジャジーラ>は 「この日の集会は誰が大統領選挙の勝利者なのか分からなくなった紛らわしい状況のために一層激しくなった」と伝えた。 去る16~17日に行われた投票が終わった後、イスラム原理主義団体ムスリム兄弟団は自主集計した投票結果を根拠にムハンマド ムルシ自由正義党候補の勝利を宣言した。 ムルシは「すべてのエジプト人の大統領になる」と演説し、多くの市民がこれを既定事実として受けとめた。 しかし19日午後、旧軍部勢力を代表するアフマド シャフィク候補側で「シャフィク候補が51.5%の票を得てムルシ候補を50万票程度上回った」と主張して混乱が広がった。 タフリール広場を訪ねた会社員ムスタファ サディド(35)は「もしムルシが負けるならば、流血闘争が起きるだろう」と話した。 外信もエジプト選管委が21日に予定された公式結果発表でシャフィクの勝利を宣言するならば、不正選挙を巡る大混乱がおきるという予測を出している。
<ロイター>通信は最近軍が見せている反革命的措置は軍が永く葛藤を生じさせてきたムスリム兄弟団に素直には政権を譲り渡さないという明確な意志表示だと指摘した。 1928年急進的なイスラム主義を掲げて結成されたムスリム兄弟団は時間の経過と共に穏健路線への変身を試みたが、昨年2月ムバラク政権が崩壊するまでは軍部の弾圧を受ける不法団体であった。 軍が突然に議会を解散し、大統領の権限を大幅に縮小した暫定憲法修正案を発表したのもムルシの勝利に備えた保険性措置ということだ。
エジプト人らはすでに長期戦に備える態勢だ。 第一の争点は軍が一方的に解散した議会の性格規定になる展望だ。 ムスリム兄弟団はすでに19日記者会見で「議会の解散は無効」と宣言し、この日広場に集まった市民も重武装した警備員が出入りを厳格に統制している国会前まで行進を試みた。 その後も憲法改正、議会再構成など敏感な懸案が残っていて、エジプトが安定を得るには相当な時間がかかる展望だ。
それによる苦痛を抱え込まなければならないのはエジプト国民だ。 国際信用評価社ムーディーズは最近の報告書で「憲法と選出された議会がない現在のエジプトの政治状況は、外国債権者の支持を得ることができないだろう」と指摘した。 永く親米路線を歩んできた軍部を一貫して支持してきた米国の態度も重要な変数だ。 米国は前日軍部に「早い時期に民間委譲しない場合、支援を打ち切る」と脅しをかけたが、実際にどの程度の行動を取るかは不透明だ。 昨年、躊躇していた米国がムバラク政権に背を向けたのは暴力鎮圧でも止まないエジプト人らのデモと、それを支持する国際社会世論の拡散だった。 革命の後退か、進展か、エジプトが岐路に立った。 キル・ユンヒョン記者 charisma@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/538739.html 訳J.S