原文入力:2012/06/14 10:01(1598字)
↑ 左から米国ロッキード マーティンの‘F-35A’、米国ボーイングの‘F-15SE’、ヨーロッパ航空防衛宇宙産業の‘ユーロファイター’
8兆ウォン(訳注:約6000億円)次期戦闘機 不良選定 憂慮
専門家 "武器購入の常識に外れる"
ロッキード マーティンF-35A 実物飛行できず
特定業者に対する特恵疑惑に火がついた
次期戦闘機(FX)事業者選定と関連した雑音が絶えない。 防衛事業庁は13日国防部で記者会見を行い、機種選定方法と日程などを明らかにしたが特定業者に対する特恵疑惑がふくらむなど論難が一層大きくなるものと見られる。 シミュレーター評価、購入費用、10月に予定された機種決定までの差し迫った日程などを巡るうわさがあふれ出ている。
現在、競争機種は米国ロッキード マーティンのF-35A、ボーイングのF-15SE,ヨーロッパ航空防衛宇宙産業(EADS)のユーロファイターの3機種だ。 この内、F-35Aは実物での飛行試験自体ができない。 シミュレーター選定はこの機種のためだったのではないかという論難が出てくる理由だ。 防衛事業庁は「完成品で競争するのではなく、2016年納品時までの開発を考慮する」として 「3機種全て一定部分はシミュレーションを経ざるを得ない」と説明した。 F-15SEとユーロファイターも電子式レーダー、一部武装、ステルス機能などわが軍の要求条件を充足するための追加開発が進行中なので、その部分に対しては他の2機種もシミュレーターまたは資料で評価するということだ。 防衛事業庁はまた「飛行試験が可能な装備だけを対象機種と決める場合、競争制限となり国益面で不利だ」と説明する。 しかしキム・ジョンデ<ディフェンス21+>編集長は「シミュレーターテストで問題ないということは、配偶者を選ぶ時に写真だけ見て行っても問題がないということと違わない」としながら「武器購入の常識に外れた態度」と指摘した。
ノ・デラ防衛事業庁長が去る8日、自身のツイッターに上げて議論になった「日本、イスラエルもこのように(F-35検証をシミュレーターで)行った」という文と同じ内容が防衛事業庁の説明資料にも載せられた。 これに対して 「日本はF-35A 4機を共同生産して、残りの34機は技術移転を受けて独自開発するなど状況が違うのに同じ状況であるかのように言及するのは特定業者の事情だけを考慮して客観性を失った態度ではないか」という指摘が出ている。
購入費用が既に明らかにした8兆3000億ウォンを軽く越えるという主張も相変わらずだ。 防衛事業庁関係者は「今まで目標額を越えた例が殆どない」として「価額を合わせられない場合、契約を破棄できる」と答えた。
機種決定までの時間があまりにもハードだという指摘も出た。 防衛事業庁関係者は「10月の機種選定を目標に進めているが、交渉が遅れたり意見が合わない部分があれば選定延期も可能だ」として「ただし、9月までに試験評価を終えた後、2016年に最初の次期戦闘機が納品されるよう実務陣として推進することが目標であり、延期有無は防衛事業推進委員会(委員長は国防部長官)で決めなければならない」と話した。 キム・ジョンデ編集長は「防衛事業庁の説明は論難に対する釈明ではなく、結局購入してしまうという意志を表現したものと見られる」として「今からでも機種決定時期を遅らせ常識的な次元で検討しなければならない」と話した。
ハ・オヨン記者 haha@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/537561.html 訳J.S