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ソウル市 "近現代遺産 1000ヶ所 発掘"

登録:2012-06-08 07:04
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/536714.html

原文入力:2012/06/07 22:54(1519字)

文化芸術家の古宅・殉国烈士墓地・最初のアパートなど
無分別な開発で滅失・き損の危機…関連団体も支援

 キム・スヨン詩人の肉筆原稿<草>は相応しい展示空間がないために、夫人キム・ヒョンギョン(85)氏が暮らす京畿道龍仁(ヨンイン)のアパートの一室に懸かっている(<ハンギョレ> 6月4日付2面)。 詩人が生前に使った書斎でも蘇らすことを望む夫人の願いと関連して、ソウル市は大雪で崩れたキム詩人の古宅(鍾路区(チョンノグ)、鍾路6街43-4)跡に家を再び建て記念館や図書館として活用する方案を検討中と明らかにした。 キム・スヨン詩人以外にもパク・キョンニ、マ・ヘソン、チョン・ヒョンピル氏らが暮らした家などを保存し活用する方案も推進する。

 パク・ウォンスン ソウル市長は7日ソウル市庁西小門(ソソムン)別館で記者会見を行い、ソウルの近現代遺産を発掘し保存する内容の‘近現代遺産の未来遺産化基本構想’を明らかにした。 パク市長は保全と活用が不十分な1900年以後の近現代遺産と、文化財保護法の枠外にある遺産に焦点を合わせて少なくとも1000ヶ所を発掘し保存し活用すると明らかにした。

 先ず△イ・ジュン、ソン・ビョンヒ先生など殉国烈士の墓地である江北(カンブク)、水踰洞(スユドン)の歴史文化遺跡△京橋荘・梨花荘など政府首班遺跡△南山(ナムサン)の旧中央情報部建物など民主化遺跡△九老(クロ)工団歴史記念館などの産業化遺跡△パク・キョンニ、キム・スヨン、マ・ヘソン、チョン・ヒョンピル氏など文化芸術家遺跡など5分野に分けて今年末までに5億5000万ウォンでモデル事業を繰り広げる計画だ。 ペクサ・チャンス・クリョン マウルなど庶民の暮らしをはらんでいる貧民街、忠正・東大門など韓国最初のアパートなども対象だ。

 これらの‘未来遺産’は歴史的・象徴的価値があるにもかかわらず所有者が住居・生活空間として使ったり財産価値を高めるために増改築も簡単になされているというのがソウル市側の診断だ。 ‘青鹿派’詩人 パク・モグウォル氏と小説家ヒョン・ジンゴン氏の生家は所有者により撤去され、キム・スヨン詩人が生まれた直後に引っ越し韓国戦争前まで暮らした鍾路6街の古宅は2004年3月の大雪で崩れた。

 ソウル市は来月まで市長と市民委員長が共同委員長を務め‘未来遺産保存委員会’(仮称)を設け、保存対象を選定し優先順位を決める諮問を委託する計画だ。 来年上半期までにマスタープランを立て、文化遺産保存運動団体である‘ナショナルトラスト’関連市民団体を支援する方案も推進する。

 だが、近現代文化遺産の保存にともなう所有権制約のような問題を解決できる補完策が後に従わなければならないという指摘が出ている。 ファン・ビョンウ韓国文化遺産政策研究所所長は「現在は法律的・予算的・行政的根拠が微弱なので、ソウルの近現代文化遺産を実質的に保護する制度的改善方案を検討しなければならないだろう」と話した。

 パク・ウォンスン市長はこの日の記者会見で、このような指摘に対して「予算配分などソウル市の努力とナショナルトラストなど市民社会の動き、歴史の手あかがついてコケが生えたものなども保存しなければならないという市民意識の変化がかみ合わされば今後の文化遺産管理方式が大きく変わるだろう」と説明した。

パク・キヨン記者 xeno@hani.co.kr

原文: 訳J.S