原文入力:2012/06/04 16:03(2090字)
‘小川から龍が出る(鳶が鷹を生む)’ということわざは韓国社会でもはや通用しないという話が多い。 教育を通じた社会階層移動が遮られて久しいという問題意識だ。 それでは‘階層間はしご’を遮っている障害物は何だろうか?
韓国開発研究院(KDI)は4日、伝統的な重要科目である国・英・数の中で英語の学歴格差が所得格差に最も敏感に反応していると明らかにした。 世帯所得が上がるにつれ受験生の修学能力試験が上がる傾向を示したが、その中でも英語の成績が最も激しい‘富めば益々富を作り、貧は益々貧になる’現象を示すということだ。
韓国開発研究院の‘英語教育投資の公平性と効率性’報告書によれば、英語は世帯当り月間所得が1万ウォン上がるごとに検定試験成績百分率が0.029%上がると調査された。 例えば、月平均世帯所得差が200万ウォンある2人の受験生がいるならば、2人の英語成績格差は平均で5.8%広がるということだ。 これは世帯所得1万ウォン当たり国語0.022%、数学0.019%格差を示すことと比較して高い‘所得敏感性’を持っているという意味だ。
都市と農村間の学力格差を標準偏差を通じて調べても、英語の成績が最も大きな差を示すことが明らかになった。 小学校6学年、中学校3学年、高等学校1学年など3つの標準を通じて都市と農村の生徒たちの間の成績分布を分析してみると、3つのケースで全て英語成績で最も大きな格差が生じることが明らかになった。 特に英語科目に対する公教育が本格化する中・高等学校に上がれば都市・農村間の英語格差は多少縮まり平準化される現象を示すが、都市・農村間の小学校6年生の英語実力は最も大きく広がっていることが明らかになった。 幼いころから英語私教育を享受できるかに始まった現象と解釈される。
小学生の英語私教育現況を見れば、このような格差がどこに起因したかを確認することができた。 月間所得が100万ウォンにならない世帯では英語私教育に参加する児童は19.6%、月私教育費平均も1万6000ウォンに過ぎなかったが、月間所得600~700万ウォンの世帯では70.7%の児童が月平均14万3000ウォンの英語関連私教育費を使っていることが明らかになった。
特に嬰・乳児時期の英語教育で‘江南(カンナム)プレミアム’が明らかになった。 江南では小学校に入学する前に英語私教育を受けた児童の比率が50%に達したが、非江南圏では小学校3学年になってはじめて私教育対象者が50%を越えることになった。 また、江南の子供の中で24.6%が英語幼稚園に通ったが、非江南圏ではわずか1.1%の子供たちだけが英語幼稚園に通ったと調査された。 江南の子供たちは非江南の子供たちに比べて20倍を越える割合で早期英語教育を受けているということだ。
このように費用をかけて作られた英語能力が実務に活用される場合は多くないことも明らかになった。 簡単に言えば‘競争のための競争’の手段として英語が活用されている側面があるということだ。 韓国開発研究院が‘大卒者職業移動経路調査’データを分析してみると、経営・会計・事務職・金融・保険・社会福祉などの職群はTOEIC点数順位が他の職群平均に比べて高いと調査されたが、実際に業務に英語を使う比率は平均以下であることが明らかになった。 反対に英語活用度が高い化学・機械・電気・情報通信関連職群はTOEIC点数が相対的に低いことが明らかになり、英語実力の業務活用頻度は低いと調査された。
だが、業務活用度とは関係なく英語の実力が優秀な勤労者たちはそうではない場合より高い年俸を受け取っていると調査された。 韓国開発研究院はTOEIC点数が1点上がる毎に年俸が1万6000ウォン上がると調査されたと明らかにした。 また、TOEIC点数が高かったり語学研修に行ってきた経験がある求職者は書類選考を通過して面接を受けたり、入社試験に最終合格する確率が統計的に高まることも明らかになった。
このような英語能力による賃金プレミアムは英語能力自体によるものではないというのが韓国開発研究院の結論だ。 英語能力を備えていると報告された調査対象は英語駆使能力が必要な職群であろうがなかろうが、相対的に英語能力を備えていない側より高い年俸を受け取っていると調査されたためだ。 韓国開発研究院キム・ヒサム研究委員は 「英語能力者が受け取る賃金プレミアムは英語能力自体ではなく、英語能力を備えた人が持っている他の特性から出る副産物である可能性が高い」として「英語学習で証明された学習能力や誠実さ、または幼いころから私教育を受けた社会的背景などが作用したと見る」と話した。
ノ・ヒョンウン記者 goloke@hani.co.kr
原文: 訳J.S