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北韓 改正憲法‘核保有国’明示 波紋

登録:2012-06-01 06:28

原文入力:2012/05/31 18:45(1694字)

←北韓の金正恩 朝鮮労働党第1秘書が彼の祖父である金日成主席の生誕100年を2日後に控えた去る4月13日、平壌(ピョンヤン)で開かれた記念行事に参加している。 この日、金正恩は人工衛星 '光明星3号' を積んだ‘銀河3号’発射を敢行したが、ロケットは発射2分余後に爆発した。 平壌/ APニューシス

金正恩3代世襲の正当性 強調‘布石’
韓・米 "国際的孤立を深化させるのみ" 警告

 北韓が4月、改正憲法に核保有国であることを明記したことが明らかになるや我が政府と米国が直ちにこれを認めないことを明確にするなど敏感な反応を示した。

 北韓は去る2005年2月外務省声明を通じて初めて "核兵器を作った" と明らかにした以後、自ら核保有国であることを主張してきた。 しかし韓国と米国などは北韓がインドやパキスタン、イスラエルのように核非拡散条約(NPT)の外側の核保有国の地位を認めさせるための試みだと見て、これを否認してきた。 こういう事実を知る北韓が憲法に核保有国であることを明記したことは北韓に核放棄の意志がないことではないのかという疑問だけが大きくなっている。 政府当局者は「北韓が核保有事実を憲法に公式化することによって核放棄がより一層難しくなった側面がある」として「関連国の疑問をさらに育てるばかりになった」と話した。

 金正恩唯一体制の正当化のための国内政治用の性格があるという解釈も出ている。 北韓の核保有国宣言は4月改正憲法序文で金正日国防委員長の政治功績を説明する中で出てくる。 文脈上、金日成-金正日-金正恩につながる世襲の正当性を強調する脈絡だということだ。

 韓国と米国政府は直ちに「北韓の核保有国の地位を認めることはできない」と明らかにした。 チョ・ビョンジェ外交通商部スポークスマンは31日定例ブリーフィングで 「核保有国の地位は核非拡散条約(NPT)に従ったものだが、北韓は自ら核非拡散条約会員国でないと否認している」として「北韓は核保有国の地位を持つことはできない」と話した。 核非拡散条約は米国とロシア、英国、フランス、中国など5ヶ国だけに核保有国の地位を付与していて、北韓は条約を脱退した状態だ。 チョ スポークスマンはまた「北韓は9・19共同声明により核開発計画を放棄すると国際社会に約束したし、二度の国連安保理決議も北韓の核兵器開発を禁止している」として「北韓が約束を無視して、国際法違反を継続するということは北韓の国際的孤立をより一層深化させるだけだろう」と警告した。

 マーク トナー米国務部副報道担当者も30日(現地時間)「米政府は北韓を‘核保有国’として絶対に受け入れないという方針を永く維持してきた」として既存見解に変化はないと話した。 彼はまた、北韓の核開発を否認した‘9・19共同宣言’と国連安保理決議を取り上げ「彼らの政策を冷静に検討し、挑発行為を中断し、核保有国になろうとする欲望に先立ち住民たちを先に世話して、国際社会に参加しなければならない」と話した。

 日本政府の反応は直ちには確認されていないが、マスコミは北韓が憲法に核保有国であることを明示したことについて大きな意味を置かなかった。 <朝日新聞>は北韓憲法改正内容を国際面で小さく取り扱い、「北韓は以前から自ら核保有国だと称してきたが、今回憲法にこれを明示することにより北韓にとって核がどれほど重要なのかを繰り返し強調した」と解釈した。 <読売新聞>は「北韓が修正憲法序文で‘核保有国’と初めて明示した」とし「今までも核保有国と称してきたが、今回の改正で核を国家の基本とする体制であることを憲法にも明確に規定することになった」と伝えた。

パク・ビョンス先任記者、ワシントン・東京/クォン・テホ、チョン・ナムグ特派員 suh@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/535537.html 訳J.S