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韓国に来たウィキペディア創業者 ジミー ウェールズ

登録:2012-05-30 06:47

原文入力:2012/05/29 22:40(1619字)

"インターネット規制、結局 失敗に終わるだろう"

←ウィキペディア創業者ジミー ウェールズが29日午前、ソウル、冠岳区(クァナクク)、新林洞(シルリムドン)のソウル大法科大学で開かれた記者懇談会で取材陣の質問に答えている。 ニューシス

学生創業フェスティバルで講演
"韓国、失敗を甘受する文化が必要"

"米 著作権法 50年ぶりに初めて阻止 情報共有拡大を楽観する"

"インターネット コンテンツに対する規制は世界的現象だが結局失敗に終わるだろう。"

 オンライン百科事典‘ウィキペディア’を創業したジミー ウェールズ(46)は29日<ハンギョレ>インタビューで情報‘共有’と‘統制’の二つの流れの間でおきている衝突について "共有拡大を楽観する" としてこのように語った。 ウェールズは教育科学技術部と‘全国学生創業ネットワーク’(SSN)共同主催でこの日開かれた‘2012大韓民国学生創業フェスティバル’で特別講演を引き受け訪韓した。

 彼は楽観論の根拠として昨年オンライン著作権侵害禁止法案(SOPA)と知的財産権保護法案(PIPA)の米国国会通過阻止を挙げた。 「米国で(ハリウッドと巨大メディア企業らの)著作権法案ロビーを防いだことは50年ぶり初めてだ。 肯定的な方向だ。 世界の多くの国で検閲が進行しているのは事実だが、これ以上は通じないことを悟る日がすぐにくるだろう。"

 インターネットの拡散と共に‘情報共有’の時代が開かれ、これを規制しようとする巨大企業・政府と‘インターネット市民’の間の力比べは世界的な現象だ。 悪性コメントなどを阻むという趣旨で導入された韓国の‘インターネット実名制’も表現の自由を制限する代表的規制の一つに挙げられる。 ウィキペディアは去る1月SOPAに抗議する意味で英語サービスを一日中断する‘ブラックアウト’デモを行いグーグルと共に阻止運動の先頭に立った。

 ウェールズは同じ脈絡で特許規制に対しても批判的な態度を示した。 彼は「米国の現在の特許システムは(技術)革新意欲を失っている。 三星(サムスン)やアップルなどが告訴戦を行うのはもちろん、ベンチャー創業までも遮る作用をしている」として「特許専門家ではないが制度改革が必要だという点は明らかだ」と指摘した。

 韓国の青年創業環境に対しては肯定的に評価しながらも、保守的認識を障害物に挙げた。 「大企業に就職することが望ましく、飛び上がる行動をしてはならないという両親と周辺の視線が否定的な影響を及ぼしている。 失敗を甘受して自身が好きなことに飛び込める文化が必要だ。」

 ウェールズは「政府が創業の妨げにならないことが重要だ」として「米国の創業が活発なのは新規産業に対する進入障壁が低いためだが、政府はこのような環境を作る役割をしなければならない」と話した。 また「大企業がベンチャー企業らを潜在的威嚇として扱うケースがある」として「(創業の)企業家精神は、大企業内部の革新のためにも育てなければならないという認識転換が必要だ」と指摘した。

 米国、シカゴでオプション トレーダーとして仕事をしたウェールズは2000年にインターネットの可能性を看破して創業に飛び込んだ。 失敗を繰り返したが‘全世界のすべての人がすべての言語の無料辞典を持とう’という旗を掲げたウィキペディアで一躍ウェブ2.0の先駆者に浮上した。 ウィキペディアは現在、訪問者基準で世界5位のホームページとして、利用者数が毎月平均4億6000万人に達する。

クォン・オソン記者 sage5th@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/535117.html 訳J.S