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我が国最高の不動産富者 パク・某氏 納税資料を要求してみたら…

登録:2012-05-09 08:41
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/531866.html

原文入力:2012/05/08 20:02(1830字)

上位1%が明らかになるかも…国税庁、納税資料‘密封’
個人情報保護を理由に国政監査の度に資料提出せず
所得分配把握に障害物…米国では個人別課税を公開

 一時期、我が国最高の‘不動産富者’はイ・ゴンヒ 三星(サムスン)電子会長ではなくパク・某氏だという言葉が巷間に飛び交った。 去る2007年、シム・サンジョン民主労働党(現、統合進歩党)議員室で仕事をしたソン・ナック補佐官は好奇心が動いた。彼は直ちに国税庁に総合不動産税納付関連資料を要請した。 だが、国税庁は個人情報保護を理由に拒否した。 ソン補佐官は「情報漏出がそれほど心配なら総合不動産税を多く納めた1位から100位までの資料を匿名で欲しい」と繰り返し要請した。 国税庁は総合不動産税納付額を1~5位までの平均値、6~10位までの平均値という方式でなら提供できると知らせてきた。 ソン補佐官は「そのようにするなら意味がない」として結局あきらめてしまった。

 翌年、同じ党所属のイ・ジョンヒ議員は与党であるセヌリ党(旧ハンナラ党)が発議した総合不動産税減税法律案が実際に施行されれば税収がどれくらい減るのか国会予算政策処に分析を依頼した。 国会予算政策処から帰ってきた答は‘税収推計不可能’であった。 「国税庁が課税情報の提出を拒否している」ということが理由であった。

 イ議員は当時国税庁に要求した‘所得税納税標本資料’を18代国会任期が終えられる今でも受けとれずにいる。 毎年の国政監査の度に議員らは納税資料の公開を要求しているが、国税庁はオウムの如く 「個人情報であるから提出不可能だ」という返事で持ちこたえている。 法を作る国会でさえ、政府からきちんとした課税資料を受けとれず、法律案の制・改定にともなう費用を計算できないケースも数多い。

 所得分配悪化および集中がわが国社会の核心話題に浮上しているにも関わらず、本来最も重要な基礎資料である課税資料を国税庁が公開せず、きちんとした実態把握さえ難しいという指摘が出ている。 実例として租税研究院は先月国内で初めて我が国所得上位1%(100分位中の1分位)が所得全体の16.6%を占めているという資料を出した。分析を引き受けたパク・ミョンホ研究委員は 「国税庁に詳細資料を要求しても受け取れないだろう」とし、分析に限界があったことを明らかにした。 現在、国税庁が毎年公開している国税統計年報には100分位(母集団の1%)より標本の有用性が大きく劣る10分位資料だけが公開されている。 統計庁関係者は「私たちでさえ国税庁資料を受け取ることはできない」として「もう少し具体的な課税資料があるならば所得分配の実態をより正確に把握する上で多いに役立つだろう」と話した。

 我が国とは異なり先進国では情報公開に積極的だ。 英国の課税当局はすでに1911年に人口全体の約0.05%に該当する1万2000人の‘スーパー富者’に対する具体的な納税資料を公開した。米国も納税者の名前などを隠して‘マイクロ データ’(個人別課税資料)を公開している。 キム・ナンニョン東国(トングク)大教授(経済学)は「米国やフランスのようにマイクロ データを任意に標本抽出できるように公開しなければならない」として「それが難しいならば課税標準および所得区間をより細分化化して過去の資料も提供しなければならない」と話した。

 もちろん国税庁が過去に比べて情報公開の制限をやや緩めているのは事実だ。 国税庁は昨年初めて国会予算政策処に‘所得税100分位’資料を提出した。 だが、これは一回きりのものに終わり、その上に他の機関や一般には公開されることもない。 このため情報公開幅をより一層拡大しなければならないという声が強い。 ホン・ホノ市民社会経済研究所長は「スウェーデンやフィンランドのような国では隣人の税金納付内訳まで全て見ることができる」として「所得分配改善などの研究に活用できるよう国税庁に対してより詳細な課税資料提供を義務化する方案を講じている」と語った。

リュ・イグン記者 ryuyigeun@hani.co.kr

原文: 訳J.S