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国税庁・韓銀資料から1%を抽出 所得不均衡の現実を精密捕捉

登録:2012-05-04 08:32
http://www.naksung.re.kr

原文入力:2012/05/03 23:04(1288字)

[富の集中 ますます深化] キム・ナンニョン教授の研究はどのように

 キム・ナンニョン東国(トングク)大教授(経済学)の今回の研究は富の偏重と所得不均衡に関する既存研究の限界と問題点を補完できる土台となりうると期待されている。

 既存研究は統計庁が質問に基づく‘家計動向’または‘家計金融’調査に基づいてなされてきた。 多くの専門家たちはこのような研究が実際の所得不均等程度を過小評価しうると指摘してきた。 標本調査対象の範囲が1万人に制限されていて、実際の現実を見せにくいためだ。 その上、回答者の中で高所得者らが所得額を実際より縮小して答える事例が頻繁に現れた。 それによって貧富格差と階層間所得分布の不均衡強度を示す代表的指標であるジニ係数が現実を正確に反映できていないという問題が提起されていた。

 実際、西江(ソガン)大チョ・ユンジェ教授(国際大学院)らは去る1月に発表した‘韓国の経済成長と社会指標の変化’という韓銀経済研究院論文で「国税庁の(所得税)資料などを見れば、実際の所得不均等強度はジニ係数が示す不均等強度より大きい可能性を排除しにくい」と明らかにした。 それでも国税庁所得税申告資料等に基づいた所得集中および不均等に関する研究は殆ど無いに等しい。 個人情報保護のために作った国税基本法により国税庁が非常に制限された資料だけを公開しているためだ。

 キム教授は上位1%の所得が所得全体に占める比重がいわゆる‘富の集中’を現わす国際的にも重要な指標と見なされてきたという点、そしてこの国税庁所得税申告資料が‘上位所得’に対する根拠資料としては非常に役立つ’という点に着眼した。 キム教授はすでにトーマス ピケッティ(Thomas Piketty)とエマニュエル サエズ(Emmanuel Saez)など米国・英国・フランスなどでなされた先行的な研究と統計学的なパレートモデルに立った分析等を通して所得税申告資料から1%(または、5%、10%など)に細分化した上位所得の規模を抽出した。 また、韓国銀行が発表する国内総生産(GDP)データの中から個人総所得を推算することによって上位1%所得の規模と比重の推移を時系列的に示す研究成果を出したのだ。

 キム教授はこれを‘韓国の所得集中度推移と国際比較、1976-2010:所得税資料による接近’という報告書に作成し、近い将来 落星垈(ナクソンデ)経済研究所()に掲載する予定だ。 この研究所は我が国の経済史研究を目的に1987年に設立され、朝鮮時代後期から最近の高度成長までわが国の経済制度の変化にともなう社会変化を多様な統計で説明する実証的研究を展開してきた。

カン・テホ記者 kankan1@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/531206.html 訳J.S