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5月5日午前11時、日本のすべての原発が停止

登録:2012-05-02 11:09

原文入力:2012/05/01 22:45(1880字)

テント座り込みの勝利…唯一稼動‘泊原発3号’も中断
電力不足有無 意見分かれる…市民団体 "再稼働するな"

 昨年9月11日、一群の老人たちが東京の官庁街である霞ケ関の経済産業省庁舎横の空地に大型テントを張り座り込みを始めた。 この日は3・11東日本大地震の津波に包まれた日本、福島第1原子力発電所が放射能大量流出事故を起こして6ヶ月目の日だった。 その日以後、こちらは日本脱原発運動の象徴的場所となった。

 去る4月17日から座り込み参加者は新しい運動に突入した。 ‘日本のすべての原子力発電所が停まる日’を目標に、リレー断食に入ったのだ。 彼らの努力は無駄にならなかった。 日本政府が福井県大飯原発3,4号機の再稼働推進を保留した中で、唯一稼動中の北海道の泊3号機が5月5日午前11時に定期点検を受けるため運転を停止する。 日本で商業用原子炉が一基も稼動しなくなるのは日本初の原発である東海1号機が定期点検を終えて再稼働に入った1969年8月以来43年ぶりのことだ。

 電力業界と日本政府は‘電力大乱’を前面に出して原発再稼働を急いだが、‘安全措置’を優先する世論には勝てなかった。 市民団体‘経済産業省前テント広場’は子供の日でもあるこの日を「脱原発運動の偉大な記念日」として宣言することにした。

 東京電力が最近廃業した福島1原発の1~4号機を含めれば、日本原子力発電所54基の発電出力は計4884万kWだ。 全てが稼動すれば、日本の最大電力需要の3分の1を賄える規模だ。昨年6月現在で19基(1758万kW)が稼動中だったが、今年はそれらも全てが停止する。 それでは、「日本の原発が全て停まっても残りの発電設備で需要に十分耐えられる」という反原発運動家の主張は正しいのだろうか?

 沖縄を除く9ヶの地域電力会社が推定した今夏の電力需給事情を見れば、首都圏に電気を供給している東京電力は今年の供給能力が需要を4.5%ほど上回ると予想されている。 昨年は大規模需要者に電力使用制限令を下したが、今年はそのような必要がない状況だ。

 もちろんこれは火力発電設備を総動員して、7%ほどの積極的な‘節電’を考慮した予想値だ。 環境省は夏に簡素な服を着る‘クールビズ’を例年より1ヶ月操り上げ1日から始めた。来月からはハワイアンシャツまで許容する‘スーパークールビズ’を始める。 官公庁と鉄道会社、一般家庭の自発的な節電型照明器具交替も昨年以後続いてきた。

 電力会社3社の管轄地域では供給が不足すると予想されている。 大阪・京都などに電気を供給している関西電力は2010年夏の最大電力需要時に比べて16.3%、九州電力は3.7%、北海道電力は3.1%の供給が不足すると予想した。 関西電力は電力消費が多い時間帯に電力を供給されないようにする大規模需要者には電気料金を割り引く制度を今年は大幅拡大することにした。 大阪府は電力需給が深刻な時間帯には庁舎の門を閉めるなど勤務時間を大幅に調整する方案を検討中だ。 枝野幸男 官房長官は関西電力管内に深刻な電力不足が起きる場合「計画停電や電力需給制限令発令もありえる」と語った。

 しかし一部の反原発専門家たちは今年の関西電力の電力需給展望に対して‘悪い計算’が含まれていると指摘する。 関西電力は今年の最大電力需要を気象観測が始まって以来最も暑かった2010年(3095万kW)より若干少なく、昨年(2784万kW)よりは246万kWも多い3030万kWと予想した。 環境運動家 広瀬隆はこれについて「関西電力が原子力発電所の再稼働を推進するために、大飯原子力発電所3・4号機の生産量(236万kW)に該当する電力需要を根拠なく増やしたもの」と批判した。

 反原発市民団体は政府が‘脱原子力発電所計画’を明確にするまでは原子力発電所の再稼働を容認しないという意思を固めている。 日本政府は大飯原子力発電所の再稼働推進努力が挫折した後、原発再稼働計画をこれ以上持ち出さずにいる。 ‘原発オールストップ’状況が長期化し、それによる不便と経済的損失が現実化され、再稼働賛成世論が大きくなることを待つほかはないという意が伺える。

東京/チョン・ナムグ特派員 jeje@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/530787.html 訳J.S