原文入力:2009-03-20午前09:23:57
貸出担保に車渡したが、違反紙切れ・滞納 ‘雪だるま’
基礎需給対象でも除外…救済手続き複雑 地団太
チョン・セラ記者
←貧困層キム氏がかかった不法車両の罠
キム・某(47・無職・仁川,南洞区)氏は2005年‘不法名義車両の罠’にひっかかった。生活情報誌に広告を出していた‘車両担保貸出業者’に90万ウォンを借り250万ウォンの中古車を担保にとられた。利子は半月に15万ウォンだといった。返せなければ車をあきらめるという覚書を書き車のキーを譲り渡した。借金はすぐに雪だるまのように増えた。彼は「借金の代わりに車を名義移転して持って行け」と言ったが拒絶された。それでも車を返してもらった訳でもない。キム氏は自分の車両を誰が運転している知らない。5年目、交通法規違反‘紙切れ’と税金滞納告知書だけで数百万ウォン分も積もった。不法車両被害者になったのだ。
被害はここで止まらなかった。キム氏は離婚後、子供を育てながら70代の母親とともに暮らす。10代後半から深刻な慢性疼痛で職場生活が難しかった。両親の財産で事業を始めたが皆失敗した。貸切の貸間で老母が農場で稼いだ労賃で暮らす境遇だ。だが‘不法車両’のために基礎生活受給者にもなれない。
貧困層が不法名義車両の罠から抜け出す道が殆どなく、福祉死角地帯に取り残されている。だが保健福祉家族部は不法だとか非現実的な方法を案内するのみだ。
19日福祉部‘国民基礎生活保障事業案内’によれば、名義盗用・貸与や不法名義車両は公的な証拠書類を出せば自動車財産算定から除外される。そうでなければ250万ウォンの車の保有は250万ウォン月間所得と見なされ、まあまあだからとして基礎生活受給者になることは難しい。福祉部は盗難申告確認書や告訴・告発状などを証拠書類として例示する。だがキム氏がこういう書類を手に入れる道は殆どない。
福祉部が案内する自動車名義強制移転や職権抹消も時間・費用負担が大きかったり、区庁が拒絶したりして事実上不可能だ。
警察はキム氏が盗難申告をすれば刑事処罰対象だと話す。警察庁側は「不法名義車両は民事上の債務関係がからまったことであり、盗難申告をすれば虚偽申告として刑事処罰対象」と明らかにした。自動車登録抹消や名義移転を引き受ける区庁も首を横に振る。仁川,南洞区側は「不法車両という理由で職権抹消をすることもせず、不法車両が紙切れをはがすなど(せず)運行痕跡を残している限りは区庁では助ける方法がない」と説明した。
‘名義強制移転’を請求する民事訴訟を起こすことはできる。ある法務士は「不法名義車両は三,四段階にわたって取り引きされ運転者が変わるが、これらの中で責任保険加入者を相手に訴訟をすることができる」と話す。だが訴訟には3~6ヶ月かかり、50万ウォン程の費用もかかる。大韓法律救助公団ソウル中央支部チェ・ジョンギュ弁護士は「刑事告訴・告発はさらに複雑で一線警察もなかなか受け取ってくれない」と話した。
小部屋居住民・ホームレスを支援する‘共にする家’のキム・キルスン所長は「貧困層,特に路上生活者たちは大部分が不法名義車両,不法事業体や偽装結婚に名義貸与などあらゆる名義関連の罠にかかっている」として「究極まで追い込まれても、不法名義貸与をしたとして基礎生活受給者になる道を遮るのは机上の行政」と話した。 チョン・セラ記者seraj@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/345201.html 訳J.S