本文に移動

江南(カンナム)乙 投票箱 移送中にすり替えられたのか

登録:2012-04-13 07:53

原文入力:2012/04/12 17:12(3707字)

←正常な投票箱(上)と問題のクリョンマウル(村)の投票箱








参観人 "封印確認した投票箱と開票場のものが違う" 主張
移送車両に監視はなく、チョン・ドンヨン候補側 "万が一…"
"鍵のない投票箱 選管委職員が隠した" 主張も
選管委 5個の投票箱について問題認定…民主党 捜査依頼 予定

昨夜、ソウル 江南(カンナム)乙選挙区では何があったのだろうか。

 徹底的に封印されていなければならない投票箱が、不始末な状態で開いていたし、投票場と開票場での封印状態が異なる投票箱があったという民主統合党側投票参観人の証言まで出てきた。 江南区選管委は無視と強弁で一貫し、結局 民主党側開票参観人の退場の中でキム・ジョンフン セヌリ党候補がチョン・ドンヨン民主統合党候補をやぶり当選した。 特に問題になった投票箱がチョン候補側の支持者が多い地域であるため民主党は事態を一層敏感に受けとめている。

先ず投票箱すり替え疑惑

 民主党側投票参観人K氏は開浦(ケポ)1洞第5投票所(クリョンマウル)投票場で目撃した投票箱の封印状態と異なる投票箱が開票場で発見されたと主張した。 K氏はチョン・ドンヨン民主統合党候補のファン・ユジョン秘書官が撮ってきたクリョンマウル(村)の投票箱の状態を見た後「私が投票場で目撃した投票箱の封印状態と違う。選管委が投票箱に鍵をかけ、その上にエックス(X)字形にテープを付けて封印したのを見た」と話したことが12日伝えられた。 ファン秘書官が公開したクリョンマウルの投票箱は鍵の上にテープがついておらず、封印もされていなかった(上の写真)

 通常、選管委は鍵の上にテープを付けて何者かが鍵に手をつけられないように措置する。K氏は「投票場で投票箱を封印する時、選挙管理者が‘これは絶対に開けません’と言ってテープを付けたことまで見た」と話したと伝えられた。

 K氏は以後、帰宅した。普通、投票参観人は投票箱を移送する車に共に乗り開票場まで行くが、K氏はそのようにしなかった。 投票場から開票場まで投票箱を移送する過程で監視する人が誰もいなかったという話になる。

 チョン・ドンヨン候補側は万が一にも投票箱すり替えの可能性まで念頭に置いている。 チョン・ドンヨン候補はこの日「投票箱を移送する時、参観人を家に送り(投票箱を車に)乗せたが参観人が明らかに封印し印鑑を押したのを確認したという。 ところが開票場に来た投票箱には封印がつけられていなかった」と主張した。 投票箱を移す過程で誰かが投票箱に手をつけたのではという疑惑を提起した。

 しかし江南区選管委は「投票箱のすり替えは有り得ない」とし関連疑惑を否認した。 選管委関係者は12日<ハンギョレ>との通話で 「その参観人がなぜそのような話をするのか、私たちが調べてみなければならない」と話した。

 鍵がかかっていない投票箱が発見されるや選管委職員が急に隠そうとしたという主張も出てきた。 ファン・ユジョン秘書官は<ハンギョレ>との通話で「本来投票箱は参観人が見ている状態で鍵を封じるテープをはがさなければならない。 大峙(テチ)2洞第7投票所の投票箱のテープをはがすとすぐにきちんとロックされていない鍵が出てきた。 私たちが‘これは何か’と言うと、選管委職員があわてて再び鍵をかけようとした。私たちがからだで阻み制止した」と話した。 ファン・ユジョン秘書官は「私たちが問題提起を続けたが選管委側は問題ないという言葉だけを繰り返した」として怒りを爆発させた。

 チョン・ドンヨン候補側の主張を総合すれば、江南乙選挙区55ヶの投票箱中、20個の投票箱がまともに封印されていなかった。 江南甲選挙区でも問題のある投票箱が10ヶも出てきた。 投票箱の鍵がきちんとかかっていなかったり、投票箱の底をテープできちんと塞いでいなかったり、封印を捺していないものが多数発見された。 チョン候補関係者は「問題が発見された投票箱は水西洞(スソドン)、逸院洞(イルォンドン)、大峙洞(テチドン)、開浦洞(ケポドン)など主にチョン・ドンヨン候補の票が多く出る所の投票箱だ」と主張した。 投票箱すり替え疑惑が起きている開浦1洞、クリョンマウルは貧民村として1965人の有権者がいる所だ。

 結局、江南乙選挙管理委員会は11日夜、緊急点検を通じて問題が提起された20ヶの投票箱中の5ヶの投票箱に問題がある」と認めた。 しかし不正選挙疑惑は否認し、問題になった投票箱の票を全て有効投票と認定して開票を完了した。 キム・ジョンフン セヌリ党候補は59.1%の得票率(チョン・ドンヨン候補39.01%)で当選した。

  民主統合党は55ヶの投票箱全ての証拠保全を申請し、検察捜査を依頼する方針だ。

  公職選挙法168条は「投票管理官は投票所を閉鎖する時刻になった時、投票所の入口を閉ざさなければならず、投票所内にいる選挙人の投票が終われば投票参観人の参観下で投票箱の投入口とその鍵を封鎖・封印しなければならない」とされている。 しかし投票箱封印の後(テープを付けるなど)封じる方法については詳細に規定していない。

 各投票所には1人の投票管理官を配置するが、選管委は該当区庁から推薦された区庁公務員(6級)を任命する。江南区選管委は江南乙区に配置された投票管理官の名簿公開を拒否した。

--------------------------------------------------------

以下はファン・ユジョン秘書官との電話通話一問一答

-初めて投票箱の問題を発見したのがいつか。

"11日夕方6時30分頃だった。私は開票参観人として入った。 ところがクリョンマウルから来た投票箱の鍵の部分にテープがついていないのが発見された。 選管委はマイクで‘異常がなければすぐに開票を進める’と言いましたよ。それで選管委にすぐに問題提起した。 しかし選管委は開票を始めてしまった。 大声を上げて抗議をしたのに無視してしまった。"

-クリョンマウル投票箱を一番最初に封切りしたのか。

"そうだ。 選管委は無条件に何の異常もないとだけ話した。 反対に私たちに‘開けてみましょうか? 開けてみましょうか?’と言いながら怒った。‘まさか投票箱にいたずらするか’という言葉だけを繰り返した。 私たちは抗議したが選管委はかまわずニッパーを持ってきて投票箱の鍵を切ってしまい開票を始めてしまった。"

-なぜもっと強く抗議しなかったのか。

"事実その時も一つの投票箱から問題が発見されたので、そのようなこともあるかと安易に考えていた。 夕方7時頃になり続いて他の投票箱が到着するものを調べてみると全て問題があるということだった。 投票箱にテープがきちんと付いていなかったり封印がきちんとされないものが続いて発見された。 この時、統合進歩党の方が‘こっちも異議あり’と大声を出したが、開票は強行された。 選管委は私たちが騒動を起こしているといい続け警察を呼ぶと言った。"

-最終的に問題になった投票箱はいくつなのか。

"江南甲区から来た投票箱10ヶ。江南乙区投票箱からきた投票箱20ヶが問題だった。 私たちがこの投票箱を別に取り出し、端へ集めておいた。 自然に開票が中断された。 以後、選管委は会議を通じて該当投票箱の投票用紙を全て有効投票と認定した。"

-鍵がかかっていなかった投票箱が発見されるとすぐに選管委職員が隠そうとしたということは何の話なのか。
"本来投票箱は参観人が見ている状態で鍵を封じているテープをはがさなければならない。 大峙(テチ)2洞第7投票所投票箱のテープをはがすときちんとロックされていない鍵が出てきた。 私たちが‘これは何か’と言うと選管委職員があわてて再び鍵をかけようとした。 私たちがからだで阻み制止した。"

-選管委はどのように対応したか。
"明確に封印を正しくしなかったミスが明らかになったが選管委は言い訳ばかりを繰り返した。 法的責任を回避しようとしているように見えた。 まさか選管委がいたずらをするかという言葉だけを繰り返し、私たちを敵に対するようにした。"

-クリョンマウル投票箱はすり替えられた可能性があるか。

"そうだという証拠はない。しかし投票参観人が見た封印状態とは異なる状態の投票箱が開票場に到着した。これは調査が必要だと考える。 チョン・ドンヨン候補側の票が多く出る町内を含めて計20ヶの投票所の投票箱から問題が発生した。何と半分に近い数値だ。"

ホ・ジェヒョン記者 catalunia@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/528031.html 訳J.S