本文に移動
全体  > 経済

"在来市場 屋根をかぶせてリモデリング 自慢…さして助けにならない"

登録:2012-03-28 08:45

原文入力:2012/03/27 20:51(6601字)

←去る16日午後ソウル、麻浦区(マポグ)、孔徳洞(コンドクトン)ハンギョレ新聞社で市民の目線政策検証シリーズ小商工人支援対策座談会が開かれた。 左からハン・グィヨン ハンギョレ社会政策研究所研究委員、中小商人パク・ウンホ、パク・ジョンソク、イ・ウォンギ、イ・イムスン、チョ・ジュンモク氏、パク・ジョンマン弁護士. パク・ジョンシク記者 anaki@hani.co.kr

市民の目線政策検証③中小商人5人深層グループ座談

今月から大型マートと企業型スーパーマーケット(SSM)に対する義務休業制度が全北(チョンブク)全州(チョンジュ)を先頭に、ソウル・京畿(キョンギ)、城南(ソンナム)・全南(チョンナム)木浦(モクポ)などに広がっている。 ほとんどが第2、第4日曜日に店舗を閉め、平日にも午前0時から午前8時までの営業を禁止する。 中小商人は「遅すぎる」という遺憾と「それでも良かった」という交錯した視線でこの制度を眺めている。 商人たちは営業時間制限を拡大し現行登録制の代わりに許可制を掲げた統合進歩党の政策公約を積極的に支持した。

 去る16日、ソウル、麻浦のハンギョレ新聞社で市民の目線政策検証3弾‘路地商圏保護’を主題にした座談が進行された。 参加した5人の中小商人は総選挙を控えて各党が提示した政策を骨身に沁みる体験を通じて現場の目線で分析した。 セヌリ党が人口30万人以下の中小都市で大型マートなどを規制するために注力している流通共生発展協議会が実効を納めるには障害物となる韓-米自由貿易協定(FTA)を改正したり廃止しなければならないという意見も提示された。 中小企業庁を中小企業部(訳注:日本の省に相当)に格上げさせるという民主統合党の約束に対しては異論がなかった。

 今回の放談は深層グループ座談(FGD)形式で進められ、ハン・グィヨン社会政策研究所研究委員が司会を担当した。 民主社会のための弁護士会民生経済委員会で中小商人問題を受け持っているパク・ジョンマン弁護士が専門家として参加した。































←(左)イ・ウォンギ氏忠北(チュンブク)堤川(チェチョン)市で20年菓子卸売り業。堤川市卸売り流通事業協同組合理事長。大型マートに押され、職員5名を3名に減らし悪戦苦闘中。(右)ソウル孔徳市場で25年果実商。大型マートに対抗し麻浦商人総連合会を結成し会長を務める。昨年1月イーマートに続き、6月にはホームプラス開店予定で苦闘


大型マート規制


"セヌリ 政策 現実性ない
‘時間規制強化’民主党 一歩前進
許可制にするという統合進歩党 共感する部分が多い"

<司会者(ハン・グィヨン)> 大型マート・企業型スーパーマーケット(SSM)と関連した各党の政策を議論してみよう。

<パク・ジョンソク> セヌリ党の政策には現実性がない。 地方自治体の流通共生発展協議会が大型マートは駄目だといえば進入できないという。 ところが住民たちが住民投票を行い、地方議会が議決すれば進入できるようになっている。これは耳懸鈴鼻懸鈴(訳注:どうにでも解釈できるということ)だ。 大企業が事前にあらかじめ作業して皆入ってくる。民主統合党の政策は一歩前進だ。 営業時間規制を強化するという。 だが、2党ともに許可制と関連した話はない。 そのような面で許可制にするという統合進歩党の政策には共感できる部分が多い。 許可制なしでどうして大型マートと企業型スーパーマーケットを規制できるだろうか。 ところが(統合進歩党が)とても小さくて力がなくて国会でできるかどうかは分からない。

<イ・ウォンギ> それでも統合進歩党の政策が良い。

<パク・ジョンソク> 実現されることが重要だ。民主統合党などが立ち上がって(許可制を)早期に反映するのが良い。 そうでなければ私たちが街頭に飛び出さなければならないようだ。

<イ・イムスン> セヌリ党の政策の中で流通共生発展協議会は許可制の性格を持っている。 大型マートが入ってくる時は住民、商人代表と協議するようにしていて補完策にはなる。 最初からあったら良かったのだが(すでに430店舗余りができた)今では意味がない。

<チョ・ジュンモク> セヌリ党の政策には但し書き条項がとても多いのではないか?

<イ・ウォンギ> (大型マート規制協議を)地方政府が行うよう責任を渡した。責任逃れではないか。

<イ・イムスン> 韓-米自由貿易協定(FTA)のために流通共生発展法が有名無実になりかねない。この部分についても適用されるよう法を補完しなければならない。 それがだめなら効果がない。FTAを改正しなければならない。

<パク・ウンホ> 私たちが3年前からセヌリ党や民主統合党に企業型スーパーマーケットを許可制にして欲しいと叫んだのに、今までできなかった。 総選挙の時だからフリはしているがどれほどやる気か疑わしい。 総選挙、大統領選挙が終われば再びとぼけるだろう。 そのように繰り返される間に中小商人はどんどん潰れてゆく。市場は物がよく売れれば品質の良い物を安く供給できる。横からタックルが入ってくれば物が回転できなくてマージンが下がり在庫を捨てなければならない。商う人々はおかしくなる。

<司会者> 各党の政策を見ればセヌリ党と民主統合党には許可制がなく、統合進歩党だけにある。 民主統合党にはなぜないのだろうか?

<チョ・ジュンモク> 統合進歩党は私たちと同じひもじい人々であるためだ。 民主統合党はいろいろな人がいて、お膳だけを整えようとしている。

<イ・ウォンギ> 現行法の大型マート規制が500mごとに1ヶから1kmごとに1ヶに強化された。 だが、私が生きている提川(チェチョン)の場合、人口が13万5000人なのに、イーマートとロッテマートが1ヶずつ、ロッテSSMが2ヶ、農協ハナロマートが1ヶなど人口に較べてあまりに多い。 提川は端から端まで車で5分しかかからない。人口15万に一つ、このような形で規制するべきなのに各党の政策からは抜け落ちている。

<パク・ジョンマン> 許可制に続き企業型スーパーマーケットの営業時間を制限してその次には営業品目を制限しなければならない。夜12時から午前8時まで営業時間を制限しても中小商人は利益を受けない。

<チョ・ジュンモク> 1980年代後半に私たちの町内に150坪のスーパーが入ってきた。 そのスーパーの主人が「営業を夜10時までする「と言うのを、町内商人が立ち上がって「9時30分までにしなさい」として、そんな風に合意したことがある。 昔はそんなふうに処理した。 李政権になってから企業型スーパーマーケットが無制限に解放された。 今回私たちの富平区(プピョング)は第2、第4日曜日と平日午前0時から午前10時までは営業を禁止する条例を通過させた。 毎週日曜日に大型マートが休むようにしてほしいと(区庁に)建議した。 すぐはできないだろうが…。

<イ・イムスン> 大型マートがパン屋、チキン、ピザまで売ったことで町内ピザ店などがそっくりなくなった。 '肝っ玉の大きいチキン'もそうだ。 原価で出せば(中小商人は)どうなるか? 町内スーパーも難しいが、爆弾菓子、インク充填、合鍵作りまですべてやっている。

在来市場の保護

"観光型市場として育成するという民主党…
在来市場はいつも観光だけしなければならないのか"

←イ・イムスン氏(51)東大邱(トンテグ)新市場で18年町内スーパーを運営し、商人会長を務める。ロッテマート開店を契機に問題の深刻性を認識し猛烈活動中



<司会者> 在来市場に関連した各党の政策評価をしてほしい。

<パク・ジョンソク> 民主統合党がオンヌリ商品券(訳注:在来市場共通商品券)を拡大して行政流通専門家を派遣して支援するというのは一歩前進だ。その間、我が国の政策が在来市場を生かすと言って屋根をかぶせて(アーケード事業)、電光掲示板を作りリモデリングを自慢した。さして助けにならない。こぎれいになった市場だけを継続的に支援している。 ところで私が商人会を結成して大型マートと戦おうとすると、恩恵を受けた他の市場は全てためらったよ。 また、民主統合党が在来市場を観光型市場として育成すると言っているが、言うことがないからこのようにしている。 在来市場はいつも観光だけをしなければならないのか。 済州道(チェジュド)や民俗村のようなところだけが観光型ならば分かる。 とんでもないことだ。

<イ・イムスン>  悪いことではない。政府が在来市場をどのように助けなければならないのかが分からないということだ。 今、カード手数料は大型マートは1.5%なのに私たちのような中小商人は2.0-2.5%を払っている。セヌリ党が1.5%に下げるということはよいことだ。

<パク・ジョンソク> オンヌリ商品券の拡大はソフトウェア的な側面で肯定的だ。 私が恐ろしいと思うことは、大型マートが建物だけが入ってくるのではなくインターネット ショッピングモールが一緒に入ってくることだ。 インターネットにイーマート孔徳店と打てば、近隣住民はオンラインで配達を受けることができる。 ところが商人たちがこの問題について話をしようとしない。 私たちにはそのような配達システムがない。 イーマート カードを作れば‘今日は○○セール’こうしたのが携帯メールでみな届く。大型マートはこういうものを持って入ってくるのに、私たちにはいつも屋根をかぶせるだけだ。 私たちにもソフトウェア的な面で助けてほしいということだ。

<パク・ウンホ> ところで共同配送をやって成功したところがない。車がなければ駄目で人件費が必要だ。 私たちの貞陵(チョンヌン)市場に以前に退職公務員がきて電気料金減免など多くのことを助けてくれた。 ところが今回、中小企業庁で予算が削減されてもう支援できないという。 商人を助けられる人材が常駐しなければならない。 法も同じだ。 商人が国会に行って座っていなければならない。 これは全て見せかけ、ばらまきで乱発したことだ。

<司会者> 零細自営業者を保護するために雇用保険など必要な政策は何があるか?

<イ・イムスン> 商人の雇用保険は勤労者とは違う。商人は投資した部分が失われてゆく。それが大きな恩恵にはならない。

<パク・ウンホ> 賃貸借を保護する統合進歩党の政策は本当に重要だ。商人は施設を投資する。1億投資しても家主が賃貸料を上げるか、嫌なら出て行けという。 泣きながら芥子をなめる心境で賃貸料の引き上げに応じる。 貞陵市場も同じだ。 市場が商売になるというので店主が嫌なら出て行けという。3000万~4000万ウォンの権利金を(元の店主に)与えて入ったのに…。

<イ・イムスン> 1年に10%以上は上げられないようにするなど賃貸料上限制が重要だ。

<パク・ウンホ> 建物主が賃貸料を10%上げれば税金を8%払わせて、それが恐くて上げられないようにするか、その金を福祉に使うようにしなければならない。

<パク・ジョンソク> 私たちの市場でも二重契約書を書かなかった人はいない。


←(左)パク・ウンホ氏(46)ソウル貞陵(チョンヌン)で町内スーパーを営み15年。貞陵洞商人会で総務を務める。大型マートに押され奈落に落ちる売り上げを増やすため打開策模索中(右)チョ・ジュンモク(60)仁川で30年醤油・味噌など醤類代理店運営中。大企業の流通市場掌握に立ち向かい仁川卸・小売生活流通協同組合を結成し会長を務める。

流通市場保護

"中小企業庁を中小企業部へ格上げするという
民主党の政策は必ずやらなければならない"

<司会者> 大企業の流通市場進出も問題だ。

<イ・イムスン> 民主統合党は在来市場と路地商圏が相互有機的な関係を結び、地域内商圏が活性化できるようにするという。 私は流通総量制が必要だと見る。 今の流通構造では競争が激しくなり施設資源と電力などが浪費されている。流通が需要を過多に充足する時は制裁するべきだ。

<イ・ウォンギ> 大型マートに農産物を納品する友人がいるが、その手数料が25%だ。 納品する人も食べていかなければならないのに、大型マートは25~30%のマージンを残さなければ運営できない。その上で安く売るということは製造業者や納品業者を値切らないとならないという話だ。 私たちは町内スーパーへ持って行く時に10~15%のマージンを取って持って行く。そうするとスーパーの主人も20~25%を取って売る。 スーパーマーケットがイーマート共同物流センターから物を受け取り、一緒に使えという話もあった。 そうなれば6万の卸売業者はなくなるしかない。 卸売業者がいなくなれば町内スーパーもイーマートのチェーン店になるという話だ。

<チョ・ジュンモク> 中小企業が作った物を私たち中小商人が売る。中小商人からは1万ウォンを受け取るが、大企業には8000ウォンで納品しなければならない。 20%値引きしなければならない。 中小企業を生かすには中小流通商人を生かさなければならない。 また、民主統合党の政策を見れば中小企業庁を中小企業部に格上げするという。 それは必ずやらなければならない。 中小企業庁が商人の話を聞いていくら話してみても知識経済部に行けば(庁は力が弱くて)みな切られる。 大韓民国に中小商人が600万人いる。庁ではなく中小企業部に格上げすれば私たちにも力になる。

<パク・ウンホ> 中小企業庁はと言えば知識経済部の顔色ばかりを見ている。やると言っておきながら知経部に行けば再び取り下げる。

<チョ・ジュンモク> 大企業が食材料市場に進入できないようにすれば在来市場は生き残る。

<パク・ウンホ> コチュジャン、味噌だけでなくすべての食品の流通をできないようにしなければならない。

<チョ・ジュンモク> 国家が審判をきちんとすれば良いだろう。 大きい奴は大きい奴どうし、小さい奴は小さい奴どうしで戦えば良い。 国家が審判さえきちんとすれば、私達で戦って打ち合って生きたり死んだりするから。

チョン・チョンフィ記者 symbio@hani.co.kr

------------------------------------------------
座談 商人たちは洪水のように‘恨’解きほぐし…2時間がとても短かった
専門家 観戦記/パク・ジョンマン民主弁護士会民生経済委員会弁護士

 大型マートと企業型スーパーマーケットは食材や雑貨など多様な商品を販売する‘雑食性’であるため周辺商圏に及ぼす影響を考慮して許可制で運営されなければならない。ところが1997年に流通産業発展法が用意されて以来、許可制ではない登録制として運営されてきた。

 法令のこのような不備をチャンスとして利用した財閥らは誰彼かまわず路地商圏に事業領域を拡張してきたし、最近では大型マート、企業型スーパーマーケット事業だけでも足りなくて食材料卸売流通業の領域まで狙っている。 それこそガムと菓子、コチュジャンと薬味を売って大企業になった財閥帝国が、今は資本と広告で武装したヘビー級グローブをはめてフライ級にもならない零細小売、卸売中小商人に逆襲の決定打を飛ばしている局面だ。 全身がアザだらけになり満身瘡痍になった中小商人は数年前から財閥の路地商圏進入を規制してほしいと喉も枯れんばかりに叫んできた。 しかし広告主である財閥の顔色を伺うなのか制度圏の言論も誰一人として零細な中小商人の要求を深くは報道しなかった。

 大企業の路地商圏進出と仕事集め方式の根底には財閥オーナー一家に対する特典があるという指摘が生じながら、最近になって言論が遅まきながら少しずつ中小商人問題に関心を持ち始めた。 言論の注目も受けられなかった中小商人が最近流通産業発展法の改正にともなう大型マート営業時間制限という成果物を勝ち取ったことを契機に言論の中小商人政策に対する関心が高まったことは幸いなことだ。

 座談に参加した商人が洪水のように‘恨’を解きほぐしたのは、もしかしたらその間持っていた言論に対する物足りなさのためであったかも知れない。 自分たちの声を載せてくれることが一方ではとても有難かったが、数年間にわたり声帯が破れろとばかりに叫んでも聞き入れなかった言論が不満だったろう。 そのできなかった話を解きほぐすのに2時間という時間はあまりに短く見えた。

 各党の政綱政策というものが、もしかしたら‘選挙用’に過ぎないかも知れないということを座談参席者の全員が予感している表情だったが、それでも自分たちの声が政策に反映されて、ついに大型マートと企業型スーパーマーケット許可制が導入されるかも知れないという期待までたたみはしないという態度であった。

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/525532.html 訳J.S