原文入力:2012/03/22 08:43(2330字)
公職倫理支援官室 内部手帳を見直せば…
前政府行政官出身 公職から追い出しに介入
YTN労組 監視…キム・グンテ、イ・ヨンドクの名前も
イ・ヨンホ "不法査察事例 皆無" 嘘判明
イ・ヨンホ前大統領府雇用労使秘書官は20日記者会見で 「民間人不法査察事例は全くない」と強弁した。 また「ハードディスクに公務員監察に関する政府部署の重要資料をはじめ個人の身上情報が入っていて外部に流出する場合、国政混乱が引き起こされる恐れがあると判断」し、ハードディスクの削除を指示したと主張した。
だが、キム・ジョンイク氏を不法査察した容疑で不拘束起訴された支援官室ウォン・チュンヨン前調査官の手帳を見れば、キム・グンテ(当時ヨルリンウリ党)・イ・ヘフン(セヌリ党)議員などの政治家やイ・ヨンドク前韓国労総委員長、イ・ソクヘン前民主労総委員長など労働界代表者の動向が出ている。 厳然たる‘民間人’だ。 また、イ前秘書官の思惑通りに国務総理室公職倫理支援官室(支援官室)のハードディスクは復旧不能になったがウォン前調査官の手帳には彼らの活動状況が詳細に記されている。 前政権で任命された公共機関幹部追い出し、ろうそく集会の黒幕探しが代表的な‘活動’だ。
←国務総理室公職倫理支援官室が全方向査察活動を行っていた当時にウォン・チュンヨン調査官が作成した手帳の一部。この手帳は検察の1次捜査の時に押収され捜査記録に入っている。 民主労総の政派と人的構成、そして‘タハムケ(みな一緒に)’組織がろうそくデモにかかわっているという内容(上写真),イ・ヨンドク韓国労総委員長関連情報とパク・キュファン前消防検定公社常任監査の辞職意思を書き込んだ一節(中写真),そしてキム・ジョンイク氏の会社と自宅住所が記されている部分(下写真)
■ "踏みとどまるなら総理室20人が全部ホコリをはたく"
キム・ジョンイク氏不法査察容疑で不拘束起訴された支援官室ウォン前調査官の手帳には‘パク・キュファン’という名前が何度も登場する。 パク氏の名前の前に重要表示(※)がついていて「09.1月消防産業振興法施行(12.6発効)/ 1月初めに出て行く。/押されて出て行ったという話×/来週消防検定局長カン○○圧迫/予算承認」という内容だ。 <ハンギョレ>が取材した結果、パク氏は参与政府大統領府行政官出身で2007年7月から2009年1月まで韓国消防検定公社常任監査として在職していたことが確認された。パク前監査はこの日<ハンギョレ>との通話で」消防検定公社は消防防災庁(防災庁)の傘下機関であったが、大統領府に派遣されて行った防災庁職員がイ・キファン防災庁政策局長を呼んで(私を追い出せと)話したようだった」として「政策局長が2008年に3回も訪ねてきて出て行くことを勧めた」と話した。
パク氏は「当時、消防検定公社が韓国消防産業技術院に変わる時であり、私がこの過程で果たすべき役割があった。それで‘これが終わる2009年1月に出て行く’という話をした。本当にやり方が汚らしかった」と話した。 ウォン前調査官の手帳に出てきた内容と一致する。 パク氏は「当時、イ局長以外にも他の防災庁関係者たちが私に‘総理室に20人余りで新しく作られたチームがあるが、一人が数人ずつを担当し、一ヶ月も(調査)すれば個人的なことも全て出てくるという。 年金を受け取れる時に出て行った方がよくないか’と話した」と伝えた。 パク前監査の辞退を勧めたイ・キファン局長はこの日<ハンギョレ>との通話で「私が出て行けとか行くなという立場でない。(監査任命は企画財政部で行う」として「4年も過ぎたことで、今になってどんな話をしたと言うことは難しい」と言った。
■ YTN労組が‘ロウソク集会’支援?
ウォン前調査官の手帳には李明博大統領特別補佐官出身であるク・ボンホン氏の社長選任に反対する<YTN>労組の闘争経過が詳細に記されている。 労組委員長がク社長と妥協し労組内部で反発が起き、非常対策委員会までスタートする中で労組委員長が交替させられた状況をはじめとして「解雇6/停職6/減給8名/警告13」という詳細な懲戒内容まで記録されていた。 <YTN>の‘落下傘社長’就任阻止の動きをあたかも内部者のように鋭く監視していたものとみられる。 手帳にはYTN事態の‘対案’として 「継続処罰→ロウソク集会に投入された資金/ YTN組合費. 総額1%(400×30万)=1億2千」という内容もある。 <YTN>労組が李明博政権に反対するろうそく集会の背後勢力の一つだと認識していたものとみられる。
手帳には公職者の不正諜報も含まれているが鉄道・発電労組など公共機関労組や民主労組の人的構成など労働界関連情報が多数を占めている。 ‘タハムケ’という社会運動組織が「学生+労働界+進歩」で構成されているとか、「ろうそくデモ関与」と書かれた内容も目につく。 民間人査察の被害者であるキム・ジョンイク氏の住所と彼が代表であったKBハンマウムの電話番号もある。 支援官室は‘ろうそく集会に驚いた李明博政権が反政府勢力を抑圧するために秘密裏に作った情報機構’という政界の一般的な分析が説得力を持つ理由だ。
キム・テギュ、パク・テウ記者 dokbul@hani.co.kr
原文:
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/524679.html 訳J.S