原文入力:2012/03/06 10:20(2917字)
社会的経済の開幕を控えた協同組合基本法時代
12月から5人以上集まれば誰でも組合設立可能
来年には8千ヶ所に達するかも
# "三星(サムスン)電子のギャラクシーS2のアラームで眠りから覚めた。会社員 金庶民氏は…"2月13日付<ハンギョレ>の財閥改革記事(http://blog.livedoor.jp/hangyoreh/archives/1595339.html#more)のトップバッターだ。キム氏のその日の朝はCJのパック入りご飯と第一毛織のロガティス スーツ、ロッテのレスビ缶コーヒーで始まり、出勤途中に現代ロテムの地下鉄とSKTの通信網を利用して、事務室の三星電子コンピュータを点けることにつながる。キム氏の妻もまた、財閥企業が作った掃除機、自動車、ガソリンスタンド、飲食店、コーヒー店、クレジットカードと大型マート、そして宅配会社に包囲された日常を過ごしている。
財閥事業網に包囲された私たちの日常
昨年デンマーク、コペンハーゲンで会ったスサネ ペストハウセンは入居者12人と住宅協同組合を結成し、競売されることになったアパートを直接買収して住んでいた。スサネは住宅以外にも生協、銀行、保険、博物館など計5ヶの協同組合に加入していた。 スペインのプロサッカーチームFCバルセロナが協同組合であることに驚いたと言ったところ、当然だと言わんばかりに「デンマークのスポーツクラブはほとんど例外なく協同組合」と話した。スサネが利用しているスポーツクラブが2ヶ所あり、それまで入れれば彼は計7ヶの協同組合の組合員だった。
イタリア、ボローニャで暮らしている海外同胞イ・ヒョンスク氏は‘コープ’(COOP)で買い物をする。‘コープ’は消費者協同組合でイタリア最大の小売企業だ。ボローニャでは最も大きな給食業者(カムストゥ)も、酪農業者(クラナロルロ)も、建設業者(チペア)も全て協同組合だった。高級幼稚園と老人介護センター、そして市内の中心にある博物館と演劇団もまた協同組合の看板を掲げていた。
協同組合基本法の制定により、今や私たちも5人集まれば自由に協同組合企業を設立できることになった。 実際の法発効は今年の12月からだが、すでに協同組合企業らが奔流となる兆しを見せている。 一部の専門家たちは来年までに最大8000個程度の協同組合が生まれるのではと期待している。
# 1500日以上闘争を続けている才能教育の学習誌教師たち。個人事業者に分類されて労働権保護の死角地帯にあるいわゆる特殊雇用職労働者はむしろ協同組合結成の良い土壌として注目されている。 農協経済研究所のシン・ギヨプ経営研究室長は「学習誌教師や宅配運転手のような特殊雇用職労働者は今後は自力で協同組合事業体を設けることができる」と期待した。彼は「今までは自ら協同組合企業を作れるという認識自体がなかったためにそのようにできなかっただけ」と話した。才能教育教師たちが共同出資で協同組合企業を作り‘闘争の資産’を社会的信頼に昇華させるならば、既存の‘株式会社才能教育’を凌駕する事業体として発足できない筈がないということだ。
清掃・介護の分野ではすでに自活力を備えるところも
最も多くの協同組合スタートが予想される分野は、清掃と介護分野だ。法的根拠がなく協同組合の看板を上げられなかっただけで、多くの事業体がすでに協同組合方式で組織と事業を運営してきた。代案企業連合会という連合組織まで運営していて、清掃サービス社会的企業‘共に働く世の中’のように50億台以上の堅固な売上を上げている所もある。
企業型スーパーマーケット(SSM)の横暴に苦しめられる町内自営マート商人もまた、協同組合として事業するのに適合した潜在条件を備えた資源だ。 全国または特定地域の零細な町内商人が共同で出資しマーケティングと購買を専門担当する協同組合ブランドを構築できるということだ。 実際、イタリアの町内店主たちはコナードという協同組合を作り全国の小売業界で2位の座を守っている。南大門市場の商人は再開発推進から以後のブランドおよび顧客管理業務まで専門担当する‘南大門市場協同組合’を組織できるはずだ。
消費生活と密接な分野では多様な生活協同組合推進の動きがすでに起きている。仁川では昨年5月、通信消費者生活協同組合を結成するという準備会が結成され着実に会員を増やしている。
通信3社との共同購入および直取引等を通して現在の独占的通信費を30~40%引き下げるということが、通信消費者生協推進の目標だ。 ソウルの学校建物屋上に太陽光発電設備を設置し供給するソウル太陽光発電協同組合結成作業も着々と進行している。
SSMの横暴に対抗する有力な対抗武器
これらの他に会員たちどうしが自動車に共同で乗る‘カーシェアリング’事業体が協同組合企業への転換を推進しており、貧しい音楽家どうしが共同出資した資金で小規模なレコード製作支援事業などを行う西ソウル音楽生活協同組合という集いも小さな活動を行っている。 協同組合方式の相互扶助事業体であるハンギョレ トゥレ(結い)共済組合をリードしているパク・スンオク代表のような人は生態建築家らと共にエネルギー生態建築協同組合を結成し最近、忠南(チュンナム)公州(コンジュ)で‘麻谷(マゴク)の人々’という帰農者たちの協同組合共同体を組織するなど旺盛な活動を行っている。ソウル太陽光発電協同組合もまたパク代表が主導している。
# 財閥企業の商品に徹底的に縛られた私たちの経済生活に‘亀裂’を起こせるだろうか? 私たち消費者と労働者もボローニャやコペンハーゲンのように自ら事業体をつくり寡占の横暴に対抗し、そんな協同組合企業らが経済の一軸を占める世の中を切り開くことができるだろうか?
ヨーロッパの都市のように私たちの協同組合企業らが大企業と隊列を争う姿を直ちに期待するならば欲が過ぎるであろう。 私たちの強大な財閥企業らは世界10位圏経済のほとんどすべての領域にわたりクモの巣のような事業網をこまかく張り巡らせているためだ。
韓国協同組合研究所のパク・ポモン チーム長は「基本法制定初期には経済・社会・文化的弱者が既存の市場が包括できない領域で自活力を強化するような協同組合がたくさん生まれるだろう」と展望している。もう少し具体的には●零細商人と小商工人●自活共同体と介護事業●特殊雇用職労働者●初期資本動員が難しい青年創業●老朽化した地域住民の社会安全網構築●社会的目的を追求する保健医療、共同育児、文化芸術分野での協同組合設立が活発になるだろうと予想した。
キム・ヒョンデ先任記者 koala5@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/522149.html 訳J.S