原文入力:2012/02/23 17:25(2285字)
←2月23日下請け労働者として初めて現代車の正規職としての地位を認められたチェ・ビョンスン氏。 写真 キム・ミョンジン記者
7年ぶりに蔚山(ウルサン)工場に復帰するチェ・ビョンスン氏 インタビュー
"闘争同僚が首を括ったり焼身…収監者も数十人
一人だけ正規職になって負担に感じ申し訳ない思いも
8000人の下請け非正規職、純益の2%だけ投資すれば正規職化可能"
最高裁が23日、現代車で社内下請け労働者として仕事をしていたが解雇されたチェ・ビョンスン(36)氏が中央労働委員会委員長を相手に出した不当解雇および不当労働行為判定取消請求訴訟再上告審でチェ氏の手をあげた。最高裁は現代車を不法派遣事業場と見て、2年以上仕事をしたチェ氏はすでに現代車職員だと判決した。
下請け労働者チェ・ビョンスン氏は今回の判決で現代車正規職になった。現代自動車社内下請け労働者8000余人の中で不法派遣を理由に正規職になった最初の事例だ。 2002年現代車蔚山(ウルサン)工場の社内下請け労働者として入社したチェ氏は雇用労働部が2004年現代車に対して不法派遣と判定し、正規職化を要求して2005年に解雇された。 今回復職すれば7年ぶりに工場に戻るわけだ。
チェ氏は手配犯人の境遇であり、この日の最高裁最終判決を見られなかった。 2010年11月、社内下請け労働者が正規職化を要求し25日間にわたり蔚山工場占拠籠城みをしたが、これを主導したという理由だ。 最高裁の最終宣告を待ってチェ氏は1年2ヶ月間‘逃亡者’生活をした。 ついに最高裁はチェ氏の手を挙げた。
だが、心から喜ぶことはできないと語った。 チェ氏は23日<ハンギョレ>とのインタビューで「非正規職組合員があきらめずに戦い続けたのでこういう結果が出た」としつつ「一人だけ正規職になって負担を感じ申し訳ない気持ちが強い」とした。以下は一問一答。
-最高裁最終判決はどのように評価するか?
"現代自動車にとどまらず製造業での社内下請けが不法派遣だという点を明確にしたという点は肯定的だ。 だが、現代車の下請け業者の場合、事実上実体がないにも関わらず暗黙的勤労契約が認められなかった点が残念だ。"
-現在も手配犯だ。正規職になったが今後仕事ができるか?
"旧派遣法の‘2年以上、派遣労働をした場合、元請けに雇用されたものと見なす’という条項により2004年から現代車正規職だ。蔚山1工場に原職復帰して自動車を作るつもりだ。 手配のために退勤はできず工場内で過ごさなければならなくなりそうだ。"
- 7年間も解雇者生活をした。何が最も苦しかったか?
"現代車下請け労働者は去る10年間、正規職化を要求して戦った。この過程で200人以上が解雇され、数十人が犯罪者となり監獄に行った。 首を括って自ら命を絶ったり焼身をした同僚もいた。 苦しい日が続いた。 この戦いが正しいということを分かりながらも、一緒に闘争した同志たちが生計問題などで去ってゆく時がもっとも辛かった。 去る人も送る人も、皆が傷ついた。 胸がとても痛い。"
-家族も苦痛が大きかったようだ。
"解雇期間中、手配と収監生活を繰り返した結果、娘の小学校入学式にさえ行けなかった。今でも手配のせいで子供が通う小学校のホームページに入って時折上がってくる写真と動画を見て懐かしい思いをなだめている。すっかり大きくなった娘を見るたびに申し訳ない思いが強い。"
-解雇生活をどのように持ちこたえたか?
"私を持ちこたえさせた力は同僚の連帯だった。 非正規職ばかりで自分たちも生活が苦しいはずなのに、生計費を支援してくれ、苦しい時は一緒に泣いてくれ、大いに力づけられた。 まるで家族のようだ。正規職の助けも大きかった。 2010年11月、下請け労働者が占拠籠城したが、正規職組合員が夕方に配られるパン・牛乳を飲まずに籠城組合員に持って来てくれた。 寒いと思えば作業服と靴下もくれた。苦しい時に正規職が差し出してくれた手がとても大きな力になった"
-会社に言いたいことがあるならば?
"不法なこの状況をどのように解決するのか、答を出さなければならない。答は簡単だ。 8000人余りの下請け労働者は自動車を作るのに必ず必要な人材だ。下請け労働者を正規職に切り替えれば良い。 下請け労働者を正規職に切り替えるのにかかる費用は2000億ウォンにもならない。 現代車の年間純利益の2%程度の金額だ。 経営陣が利潤を少しだけ譲歩し労働者に投資すれば済むことだ。 極めて常識的な問題だ。"
-身分が変わって今は現代車正規職だが、非正規職と連帯するだろうか?
“(笑い)当然だ。私たちの非正規職組合員が世の中で一番誇らしい。 あれほど弾圧されたのに10年間戦い続けて不法派遣がどれほど深刻なのかを世の中に知らせる役割を果たした。 今は少し疲れているが、さっさと疲れを振り払って再び私たちの力を世の中に見せて欲しい。 裁判所の判決は時間がとてもたくさんかかる。 一つに固まって不法を是正しろと要求して戦ってこそ私たちが願う正規職化を勝ち取ることができる。”
キム・ソヨン記者 dandy@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/520483.html 訳J.S