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入出金累計を見て "北韓 工作金"

登録:2011-12-15 06:54

原文入力:2011/12/14 21:10(1967字)
ネジが抜けた国家情報院の‘スパイ追求’
キム・グァンス記者


統一団体幹部捜査 分かってみれば
通帳再発行後の整理内訳
1日に9千万ウォン取引と見なし
一歩遅れて "調査官 錯覚" 解明


←ト・ハンヨン6・15共同宣言実践南側委員会釜山(プサン)本部事務局長(左端)が14日午前、釜山東区、釜山キリスト教青年会講堂で開かれた記者会見で「国家情報院釜山支部が根拠もなく私に‘北韓から工作金を受け取ったスパイ’容疑を着せようとし、人権侵害と深刻な精神的苦痛を被った」と訴えている。 <オーマイニュース>提供

  問: "上の資金は…利敵団体‘汎民連’(祖国統一汎民族連合)等、被疑者が所属し活動中の団体が北韓から授受された工作金の一部を被疑者に活動費名目で再交付したものではないですか。"


答: "黙秘します"


  昨年8月25日、国家情報院釜山支部調査官が投じた質問にト・ハンヨン(39) 6・15共同宣言実践南側委員会釜山本部事務局長は驚いた。全く知らないことであり黙秘権を行使し、国家情報院調査官は6月に押収捜索し持ち去った彼の釜山銀行通帳の‘預金兼貸出明細’ 3件を差し出した。3月23日、入金・出金項目に計9000万ウォン越えるお金が記載されていた。


  ト事務局長は釜山銀行に訪ねて行き、自身の口座入出金内容を受け取った。9000万ウォン余りが入金され出金されたという記録はなかった。‘証拠を捏造したのではないか’疑いを振り切ることができず、国家情報院に説明を要請したが返事はなかった。


  1年が過ぎた今年9月2日、釜山地方検察庁公安部は彼を利敵表現物製作・所持などの容疑で不拘束起訴した。どういうわけか北韓工作金授受疑惑は除かれていた。ト事務局長は再び国家情報院に説明を要請したが沈黙だけが帰ってきた。


  ト事務局長は最近、弁護人と共に釜山地方裁判所を訪ね、国家情報院と検察が裁判所に提出した捜査記録を閲覧した。国家情報院調査官が提示した彼の釜山銀行通帳3ヶの写本があった。通帳写本には昨年3月23日にそれぞれ3250万312ウォン、2802万3229ウォン、3135万9608ウォンが入金された後、同日それぞれ3307万8224ウォン、2781万2679ウォン、3142万8372ウォンが出金されたことになっていた。 だが、この日に9000万ウォン余りが入金され支払われたのではなく通帳を開設した日から昨年3月23日までに入金された金額と支払われた金額の合計だった。(グラフィック参照)金額が表示される欄に入金合計と支払合計、および入金と支払の総件数が表記されていたが、調査官は当日に入金され出金されたものと誤認し‘北韓工作金’と疑ったのだ。釜山銀行関係者は「昨年3月23日、ト氏が釜山西面支店で通帳の再発行を受けたが、数年間にわたり通帳を整理しなかったため入出金累計金額が表示されたもの」と話した。


←国家情報院釜山支部が統一運動団体幹部に‘北韓工作金ではないか’と問い質し提示したこの幹部の釜山銀行通帳の中の一つ。

 


国家情報院関係者は 「調査官が累計金額を当日入出金されたものと勘違いして起きたこと」と一歩遅れて認めた。結局、初歩的事実さえきちんと確認しなかった国家情報院のためにト事務局長が「ひょっとしてスパイ集団事件のでっち上げ対象になるのではないか」という不安感に苛まされなければならなかった計算だ。また、国家情報院はト事務局長に‘北韓工作金授受’という重大な犯罪容疑についてもト処長が否認するやそれ以上の確認調査をしなかった。国家情報院の職務遺棄だとしか見られない内容だ。


  6・15共同宣言実践南側委員会釜山本部は14日、釜山東区、釜山キリスト教青年会講堂で記者会見を行い「国家情報院釜山支部長は公開謝罪し担当調査官を問責し、ト事務局長に負わせた精神的被害を補償せよ」と要求した。ト事務局長は「私が工作金を受けたこともないのに、ひょっとして昔のようにスパイ集団事件に広がるかと思い、去る1年余り不安で眠れなかった」として「国家情報院釜山支部が直接謝罪と釈明をしなければならない」と話した。


  釜山慶南(キョンナム)宗教家平和連帯共同代表パン・ヨンシク牧師は「今回の国家情報院釜山支部の形態が政府の現住所」と話した。イ・ジョンイ6・15共同宣言実践南側委員会釜山本部常任代表は「嘘で捏造された事件の真実を言論が明らかにして欲しい」と話した。
釜山/キム・グァンス記者 kskim@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/area/510220.html 訳J.S