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"タバコの臭い 我慢出来ない" "わが家でも吸えないのか"

登録:2011-07-13 12:59

原文入力:2011/07/13 09:25(2301字)
‘アパート喫煙’論争 浮上?
イム・ジソン記者

下の家‘喫煙権’上の家‘嫌煙権’
ポータル ディベートルームで論争び火がつき
法廷では間接喫煙被害者 有利
"騒音と同じく規制基準の用意を"

 "あー、臭い!" ソウル市、西大門区のあるアパートに住むコ・スンドク(53)氏は数日前に家でトイレのドアを開けるなり鼻を覆った。下の家のトイレで誰かが吸ったタバコの煙が換気口を伝って上がってきたためだ。換気扇をつけトイレのドアを開けておいたが、タバコの臭いはなかなか消えなかった。コ氏は「毎朝トイレに行く度にタバコの臭いのために苦役」とし「不快さよりも家で一緒に暮らす幼い孫たちの健康が心配で、結局 下の家に‘トイレ禁煙’を要請した」と話した。

京畿道華城(ファソン)市のある高層アパートで暮らすソン・ギルスン(仮名・45)氏は「先日からわが家のバルコニーですらタバコを吸えなくなった」としてため息を吐いた。上階に住む隣人が「夏には皆が窓を開けて暮らしているのでバルコニーでタバコを吸われれば、臭いが我が家まで上がってくる」として抗議をするためだ。家の中でもタバコの煙が歓迎されないのは同じだ。ソン氏はタバコを吸いたくなればその都度 家の外に出て行かなければならない‘現実’に困惑しきりだ。

喫煙権と嫌煙権を巡る論議が結局、家の中まで押し寄せてきた。おりしも「わが家でもタバコを吸えないのか」という嘆きの文がオンライン空間でも論争を起こした。去る10日、ポータルサイト‘ダウム アゴラ’の‘憤まん掲示板’には‘喫煙者はアパートに住まず引っ越ししろということですね’という題名の文が載ってきた。書いた人‘ローエングリン’(frien****)は 「小学生の子供がいる上の家が、最初は臭いが上がってくるからトイレとバルコニーではタバコを吸わないでくれと抗議してきて、最近では‘部屋の中でも吸わずに、タバコを吸うならアパートに住むな’とまで言うので当惑している」と吐露した。

この掲示物は三日間に14万7600人余りのネチズンが読み、コメントも3800ヶ余りが付いた。ネチズンは二手に分かれた。‘喫煙権’を主張する人々は「禁煙区域ではないところまで禁煙を強要するのはゴリ押し」とか「わが家で私が吸うというのに何で干渉するのか」として怒った。反面‘嫌煙権’を擁護する人々は「私も喫煙者だが外に出て吸いましょう」と薦めたり 「タバコはおとなより子供に致命的で、間接喫煙がより恐ろしい」という論理を展開した。論争が大きくなるや書いた人は12日午後「皆が喫煙者、非喫煙者組に分かれて互いを誹謗するのに忙しい」として、初めに上げた掲示物を削除した。

この論争が法的争いに進むなら結果はどうなるだろうか。判例等では嫌煙権が絶対的優位にある。憲法裁判所は「私生活の自由だけでなく生命権とも結びつく嫌煙権が喫煙権より上位の基本権」としつつ「喫煙権は嫌煙権を侵害しない範囲で認められなければならない」と決めた経緯がある。イ・ホンウク弁護士は「民法上でも自分の家で隣から水が漏れたり悪臭が流れてくれば適切な措置を取らなければならないという義務条項があり、嫌煙権を主張する人々の勝訴となる可能性が高い」とし「ただし不必要な紛争を減らすためには‘騒音規制基準’を設けるように、タバコの臭いの場合にもどの程度まで我慢できるのか基準を用意してみる必要がある」と話した。

イム・ジソン記者 sun21@hani.co.kr

地方自治体では‘規制強化’…禁煙アパート指定 相次ぎ
‘自分が暮らすアパートでタバコを吸ってもかまわないか’の問題はもはや個人的次元の悩みではない。地方自治体が‘禁煙アパート’を指定し‘タバコの臭いのしない共同住居環境作り’の先頭に立つ傾向が全国的に広がっている。世界保健機構(WHO)タバコ規制基本協約批准国である韓国は最近喫煙に対する規制を継続的に強化している。

去る1日、京畿道(キョンギド)華城市(ファソンシ)庁 保健所は東灘(ドンタン)ナルマウルのワールドパンド1次アパートと岐山洞(キサンドン)ヘンリンマウルのレミアン1次アパートを‘禁煙アパート’として宣言した。華城市庁が地域内のアパートを対象に室内・外の共同利用区域を禁煙区域に指定する内容の‘禁煙アパート認証制’を施行すると明らかにした後、ワールドパンド1次アパート住民の71.7%とレミアン1次アパート住民の78.4%が‘禁煙アパート認証制入居者同意書’に署名した。

華城市庁関係者は「3ヶ月の評価期間を経た後、禁煙アパート認証をする計画であり以後、団地内で喫煙をして摘発された人には過怠料を払わせる方案を推進中」と話した。現在、京畿道、儀旺市(ウィワンシ)と金浦市(キンポシ)などでも禁煙アパートを指定し運営している。

ソウル市も昨年11月、ソウル市内の140ヶアパートを‘禁煙アパート団地’に指定した。ソウル市関係者は「2007年からこの事業を推進してきたが、初期には住民たちの反発にあいモデル事業から脱落するアパートが続出した」としつつも「ますます嫌煙権に対する認識が高まり2007年に23団地だったのが昨年には140団地まで増えた」と明らかにした。 イム・ジソン記者

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/487056.html 訳J.S