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[社説] リビア‘過剰空襲’、国連決議趣旨から外れている

登録:2011-03-23 11:54
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/469290.html

原文入力:2011-03-22午後08:29:55(1092字)

多国籍軍のリビア空襲を巡る論難が拡大している。国連安保理決議が‘民間人保護’を飛行禁止区域設定の目標に掲げたが、実際の作戦はそれとはかけ離れて繰り広げられているということだ。民間人犠牲が相次いでいるという主張も出てきている。

米国、英国、フランスなどが参加した多国籍軍は、一昨日明け方まで続いた2次空襲で首都トリポリのムアマル・カダフィ国家指導者官邸一帯をミサイルで打撃した。一昨日夜にはカダフィの故郷であり防空基地があるシルトなどに3次空襲を加えた。多国籍軍側はカダフィ除去は作戦の目標ではないと主張している。だが、空襲状況を見れば多国籍軍がカダフィを除去するために彼の隠れ場所を執拗に追跡しているという印象が濃くにじみ出る。

このような行動は国連安保理決議の趣旨を越えていると見なければならないだろう。国連決議1973号は‘リビアで民間人に対するすべての攻撃と残虐行為を終息’させるとした。具体的にはリビア西部ベンガジの反政府デモ隊に対する政府軍の攻撃をひとまず阻むというのが緊急決議の背景だった。そのことと外国武力でリビア政権を交替させることとは明確に異なる。多国籍軍の空襲がカダフィ除去を狙ったものであれば正当性を認められ難い。

より一層大きな問題は、その結果 アラブ市民の民主化革命が逆風を迎えかねないという点だ。アラブ人の反欧米感情は非常に根が深い。イスラエル建国とスエズ事態、米国のイラク侵攻など多くの歴史的経験を通じて そのような感情が蓄積された。カダフィ勢力による大量殺戮を阻むために国際社会の介入は依然必要だ。だが、軍事力の使用範囲と方法は慎重に選択しなければならない。問題をアラブ対欧米の対決に追い込もうとするカダフィ側の意図に巻き込まれないよう留意することが必要だ。リビアの民主化はリビア人の役割であり、国際社会は支援の役割に留まるという原則をいかなる場合にも守らなければならない。

中国、ロシア、アフリカ連合とアラブ圏の相当数の指導者が‘過剰空襲’に憂慮を示している。米、英、仏などは空襲に参加しても、後続対応方案について温度差を表わしている。リビアの人権保護と民主化のために国際社会が関与する方案を巡り緊急に知恵を集めなければならない時だ。リビア事態を扱うために明日開かれる国連安保理の責任が重大だ。

原文: 訳J.S