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李大統領がSNSより先に気にかけるべきこと【コラム】

登録:2026-10-20 08:16 修正:2026-10-20 09:30
李在明大統領のXアカウントより//ハンギョレ新聞社

 ソウル市長選挙での敗北後、とどまることを知らない支持率の低下に誰よりも戸惑っているのは李在明(イ・ジェミョン)大統領自身だろう。反憲法的な戒厳令によって政治的反対勢力が事実上壊滅している中で、支持率の高さを背景に勢いよく推し進めてきた改革課題がことごとく逆風にさらされ、いつの間にか国政運営全般がまるで泥沼にはまったかのような有様になってしまっているからだ。

 代表的な例がKOSPI(韓国総合株価指数)と不動産政策だ。商法改正などの資本市場の先進化の基盤を築くさなかに、予想外の半導体超好況が訪れた。政権成立時には2000台後半にとどまっていたKOSPIは、わずか1年あまりで9000を突破するという急騰を示した。経済成長と企業業績の好転が自然と株価を押し上げていれば問題はなかったはずだが、政府はKOSPIの数字に酔いしれたかのように、様々な株式市場活性化策を次々と打ち出した。サムスン電子とSKハイニックスの単一銘柄レバレッジの発売が決定打だった。

 短期間で暴騰した韓国株式市場は、米国市場で「人工知能(AI)懐疑論」が吹き荒れるたびに、なす術なく下落した。極端な変動性相場に、投資家たちは胃を痛めながら株式チャートの前を去っていった。ある者は老後の資金を、ある者は新婚生活の種銭を失ったはずだ。彼らにしてみれば、「大口個人投資家」を自称し、自ら株式投資を勧めてきた李大統領を恨むのも無理はない。

 史上最長の88週連続で高どまりしているソウルの住宅価格にも、困惑させられる。昨年「不動産高騰」の兆しが見えたことを受け、政府はソウル・京畿全域で実際の住居を義務付けるとともに、融資のハードルを大幅に引き上げるという強力な需要抑制策を打ち出した。政府は今年に入ってからも、ソウル近郊のグリーンベルト解除などの供給対策や保有税の正常化といった強硬策を順次打ち出し、市場を圧迫しているが、住宅価格はなかなか下がらない。李大統領は、需要抑制策だけでは収まらない市場の不安を、SNSを用いた「口頭介入」で抑え込んできた。供給対策と税制改編案が出るまでの政策のタイムラグを埋める手段だったのだろうが、大統領が自ら住宅価格に言及したことで、価格安定化の失敗による負担がそのまま大統領に跳ね返ってくるかたちになっている。

 似たような例は他にもある。冷ややかになった農漁村地域の民意に事実上白旗をあげた農地全数調査も、李大統領が自ら「農地全数調査は絶対に必要だ。あらゆる政権が避けてきたが、李在明政権はやる」と述べて強行した事案だ。これらの例に共通するのは、李大統領個人の大衆的な人気と政権運営の哲学を政策推進の原動力にしてきたことだ。SNSによるメッセージや国務会議の生中継など、直接民主主義的なコミュニケーション手段が主に活用されてきたが、精製されていない、あるいは先走った発言が、結果的に大統領の国政運営に負担をかけてきたことだけは確かなように思える。

 大統領の「SNS政治」にあえて口出しする理由はなさそうに思える。李大統領本人がXで「困難であればあるほど、いかなる媒介も挟まず、直に、よりいっそう国民の声に耳を傾け、国民に直に報告し、訴え、コミュニケーションを取らなければならない」(9月30日)と語っているのだから、助言の効果すら期待しがたい。ただ、多数の利害関係者がかかわっている市場に対するメッセージだけは、もう少し慎重な態度を取ってほしい。大統領の発言そのものが市場にかかわる者にとっては判断材料となるため、発言の余波を大統領自身がコントロールすることは難しく、それだけ政治的波紋やそれに伴う負担が大きくなり得るからだ。

 大統領が活用しうる政策手段を改めて点検する必要もあるだろう。政策決定権を持つ大統領が大衆に突然公表した一言が、政府省庁の実務領域において本来必要な「熟考の時間」を奪うこともありうる。現代の民主政治が職業官僚制を採用しているのは、官僚集団の専門性を活用して安定した行政サービスを提供するためだ。国家予算で訓練された職業官僚たちが、大統領のXによるメッセージの陰に隠れるようなことの繰り返しは、得よりも損の方が大きいことは明らかだ。

 最後に、転んでもそのついでに息を整える余裕を期待したい。まず、山のように積み重なる韓国社会の矛盾を一気に根絶しようという意欲を捨てるべきだ。改革の支持基盤を広げられるよう、政策の優先順位を明確にしたうえで、小さな改革であっても成功体験を生み出すことで、絡まった糸をほぐしていくべきだ。李在明政権は現在2年目であり、依然として多くの課題が残っているのだから。

//ハンギョレ新聞社

ノ・ヒョヌン|経済産業部長 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1283117.html韓国語原文入力:2026-10-19 18:24
訳D.K

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