イランが米軍艦艇を相次いで攻撃し、米国の封鎖に対して全面戦争で応戦している。イランの同盟であるイエメンのフーシ派も、サウジアラビアの4都市を攻撃し、紅海付近でも全面戦争へと向かっている。
イランは7日(現地時間)、ホルムズ海峡付近で、自国に対して封鎖と孤立作戦を展開している米海軍艦艇を弾道ミサイルで攻撃した。
これに対し、米軍も8日、イラン最大の石油施設があるカーグ島付近のイランのタンカーを攻撃した。米中央軍はこの日、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)が米軍艦艇を攻撃したことに対抗し、イランのタンカー5隻を破壊したと発表した。イランのタスニム通信は、米軍のミサイルが石油の要衝であるカーグ島から6キロ離れた場所でイランのタンカーを撃墜したと報じた。またイラン国営放送は、米軍がオマーン湾のジャスク海域付近で2隻目のタンカーを攻撃したと報道した。
イラン革命防衛隊はこれに対する報復として、クウェートとバーレーンの港にあるタンカーを標的にすると脅し、現地の船員たちに避難するよう警告した。
これに先立ち、イランは5日、弾道ミサイルで米国の空母および誘導ミサイル駆逐艦を攻撃した。イランが中東の米軍に対して弾道ミサイルを発射したことはあるものの、軍艦を直接狙った攻撃の試みは、重大な情勢の緊迫化とみなされると、米当局者は伝えている。イランは、戦争の初期段階で米空母などを攻撃したと発表した。
イランの革命防衛隊はまた、ホルムズ海峡付近で米国の潜水艦を捕獲したと明らかにした。米当局者も8日、水中ドローン1機が前日に誤作動を起こしたとし、イラン側に捕らえられたことを認めた。
イランによるこうした攻撃は、イランの港湾に対する米国の封鎖に対し、イランが攻勢と戦況拡大で対応していることを示している。イランのミサイル攻撃で被害を受けた米艦艇はないが、米海軍の資産を狙ったイランの最近の攻撃は、より精巧な兵器を使用しており、米軍に対する軍事的脅威を高めている。ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、米国当局者は、イランが中国やロシアの支援を受けている可能性があるとの警戒感を示したという。
イランの国営メディアによると、イラン当局者らは、米軍艦を標的とするために最先端の機能を備えた新型ミサイルを使用していると主張した。軍事アナリストによると、こうしたミサイルは光学探知機を備えており、映像情報を活用して移動する標的に向かって機動するという。
「ウィスコンシン核軍備管理プロジェクト」の上級研究員ジョン・ケイブス氏によると、イランは昨年、探知機技術を使用する「カセム・バシル」として知られる中距離弾道ミサイルを公開した。ケイブス氏は「ハリジェ・ファルス」のような他のイラン製ミサイルもこの技術を保有していると説明した。
しかし、イランが攻撃を開始する際には依然として米軍艦のおおよその位置を把握する必要があるため、中国とロシアがイランによる米軍艦の位置追跡を支援しているのではないかという懸念の声があがっていると、当局者は伝えた。米国がイランの戦場監視能力を低下させたにもかかわらず、イランが軍艦を標的にできるという事実そのものが重要な懸念事項だと、中東駐留の米海軍部隊を指揮していたジョン・フォッジ・ミラー元予備役海軍中将はウォール・ストリート・ジャーナル紙に語った。
米国は中東でイランを封じ込めて孤立させるために、軍艦19隻を配備し、ホルムズ海峡付近で作戦を展開している。
イランの同盟であるイエメンのフーシ派も8日、サウジアラビア南部の4都市を攻撃し、70人以上の負傷者が出るとともに、石油施設で火災が発生した。フーシ派は、ドローンやミサイルを使用しサウジアラビア南部の都市ハミス・ムシャイトにある空軍基地や、アブハ、ナジュラン、ジャザンにあるサウジ国営石油会社の施設を攻撃するなど、サウジアラビア領土の内陸深くまで及ぶ広範囲な作戦を開始したと発表した。
サウジアラビア当局は、これらの施設で火災が発生したことを認めた。負傷者73人の中には女性や子どもも含まれていると明らかにした。ロイター通信は、イラン戦争開戦以来、サウジアラビアを標的として行われた攻撃としては今回の攻撃が最大規模であることを負傷者数が示唆していると報じた。
ここ数日、フーシ派は政府軍支配地域への進撃を試み、サウジアラビアの支援を受けて南部を拠点としているイエメン政府軍はフーシ勢力が支配する地域に向けて多角的な攻撃で対応した。フーシ派のヤヒヤ・サリ報道官は、サウジアラビアがイエメンに空爆を行い戦争を激化させたと非難し、フーシ派はこれに対応すると述べた。
ホルムズ海峡や紅海一帯で再び戦闘が激化する中、国際原油価格は、戦争が最高潮に達した際に上回った1バレルあたり100ドルの水準に向けて再び上昇している。基準原油であるブレント原油は同日、99.24ドルまで上昇した。