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「異例の領域」に足を踏み入れた韓国経済…今やボールを握るのは政府【コラム】

登録:2026-09-10 03:15 修正:2026-09-10 10:20
李在明大統領が今月1日、大統領府で行われた国務会議で、企画予算処の2027年度予算案および2026~2030年国家財政運用計画について報告を受けている/聯合ニュース

 韓国政府が今月1日に公開した2027年政府予算案には、これまで経験したことのない見慣れない数字が数多く登場する。国家財政の健全性と持続可能性の両面で体質が大幅に改善されたと判断しうる数字で、半導体の超好況による税収環境の改善が主な要因であるという共通点がある。

 まず、名目国内総生産(GDP)に対する国家債務比率は、今年の補正予算を基準として50.6%から48.3%へ改善される見通しだ。来年の国家債務の絶対額は1519兆8000ウォン(約174兆円)で、今年(1412兆8000ウォン)より107兆ウォン増えるが、分母となるGDPが大幅に増えることで生じる現象である。政府が先に発表した下半期の経済成長戦略によれば、今年の名目成長率の見通しは、1996年以来30年ぶりの高水準の12.3%。来年も4.6%という決して低くない見通しが示されている。昨年の名目GDPは2676兆7000ウォン(暫定)と推定されているのに対し、今年は初めてGDPが3000兆ウォンを突破する可能性が高い。国家債務増加率(7.6%)が決して低くないにもかかわらず、国家債務比率は2ポイント以上改善するわけだ。

 毎年の国の財政の健全性を検証する指標である管理財政収支が、-0.1%(3兆1000ウォンの赤字)にとどまっていることも目を引く。政府の財政規律が定める管理目標「赤字率3%」には大きく及ばない数値だが、積極財政という李在明(イ・ジェミョン)政権の政策基調の一貫性を保つため、マイナス(-)というシンボルだけが残されたと解釈しうる。実際、今年は162兆ウォンにのぼる追加税収のうち、来年度予算案に盛り込まずに未来対応基金という貯水池に残した104兆ウォンの一部を取り崩すだけでも、管理財政収支のプラスへの転換は難しくなかった。

 国民負担率の大幅な上昇も、少なからぬ意味を持つ。国税収入と4大保険などの社会保障負担額をGDPと比べた国民負担率は、国家経済に占める政府の比重を測る指標だが、韓国は2024年時点で25.3%ほどで、経済協力開発機構(OECD)の平均(34.1%)に大きく及ばず、最下位層にとどまっている。基礎年金の導入など、このかん福祉政策は着実に強化されてきたが、それを支える税収基盤の拡大は遅く、2000年に20.2%、2024年に25.3%と、24年間でかろうじて5.1ポイント上昇したに過ぎない。政府の推計によると、この数値が今年は25%だが、来年は29.8%へと一気に跳ね上がる。

 これは、今年から本格化する半導体企業の天文学的な営業利益が反映されるため、法人税収入が大幅に増加するとともに、数億ウォン台の成果給を受け取ることになるこれらの企業の役員や従業員からの所得税収入も大幅に増加することが影響するためとみられる。国民負担率は財政の持続可能性を担保する指標であることから、半導体の超好況が国家財政全般にプラスの影響を及ぼしたことだけは確かだと思われる。

 ただし、「半導体錯視」に酔いしれてはいないかを冷静にみつめ直すべきだ。政府は、今年に比べて実に170兆ウォン(40.7%)増加する来年度の国税収入(584兆4000ウォン)が、その後も毎年約3%前後の上昇率を記録し、2030年には644兆8000ウォンにまで増加するという中長期見通しを示している。税収環境が一段階「ジャンプアップ」した状況を保ちつつ、着実に成長していくとの予測だが、そのせいで今年から2030年までの5年間の年平均国税収入増加率は実に13.4%に達する。半導体産業の業況サイクルは周期的に需要の膨張と萎縮を繰り返すものであることから、これには疑問を抱かざるを得ない。わずか2年前は半導体業況の萎縮により、サムスン電子とSKハイニックスが大規模な営業損失を記録し、両社は法人税を一銭も納められなかった。その結果、法人税収入は2022年の103兆6000ウォンから2024年には62兆5000ウォンにまで落ち込んだ。

 米国や日本などの主要国の国債金利に対する不安、巨額の投資を抱える米国のハイパースケーラー(超大規模情報技術企業)の資金調達に対する懐疑論、トランプ政権が半導体の現地生産を迫っていることなど、半導体の超好況を取り巻く外的要因も数多く存在する。JPモルガンは最近の報告書で、韓国のマクロ経済環境は「歴史的に異例の領域に足を踏み入れている」と評している。現在の韓国経済を貫いているマクロ環境の変化が異例の単発的イベントで終わるのか、それとも構造的飛躍の陣痛なのかは、すぐに判明するだろう。今やボールは政府に握られている。

//ハンギョレ新聞社

ノ・ヒョヌン|経済産業部長 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1276708.html韓国語原文入力:2026-09-08 05:01
訳D.K

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