本文に移動

無理やり250カ所「タトゥー地獄」、交際相手の暴力も壊せなかった尊厳ある人生

登録:2026-08-13 09:56 修正:2026-08-13 14:02
7月13日(現地時間)、ヨークさんがオランダ・ロッテルダムのある専門クリニックでタトゥー除去手術を受ける前に撮った写真/AFP・聯合ニュース

 オランダ人女性のヨークさん(53)の体はタトゥーで埋め尽くされていた。顔から腕、足まで全身を覆ったタトゥーは250カ所に達した。いずれも彼女の元パートナーによって刻み込まれたものだ。他の男性が触ったと考えた場所にタトゥーを入れた。最も多く刻まれていた文字は「H」だった。「HANS」もあった。元パートナーの名前だ。ヨークさんの額、ほお、さらにはまぶたにまで、その名前が刻み込まれた。ヨークさんは数年間にわたって虐待を受け、無理やりタトゥーを入れられた。

 9日(韓国時間)、BBCコリアがインスタグラムで公開したインタビューで、ヨークさんはこのように回想した。

 「私はサイコパスのナルシストに振り回されてしまいました。彼はまず、私の子どもたちや家族から私を完全に切り離しました。私のお金をすべて使い込み、私をキャラバンや倉庫に閉じ込めたりもしました。そして、私の体を完全にタトゥーで埋め尽くしてしまいました」

 ヨークさんはついに逃げ出したが、体に残った痕跡は当時の残虐さを思い起こさせた。先月28日(現地時間)に公開されたAFP通信とのインタビューで、ヨークさんは外に出ることを恐れていた心境をこんなふうに伝えた。

 「だれもがあなたを見つめ、侮辱の言葉を浴びせてきます。『お前はバカだ、お前は頭がおかしい』と言ってきます。そして、あなたには何も、本当に何もありません。どんどん小さくなっていくような気持ちになります」

BBCコリアのYouTube動画より//ハンギョレ新聞社

 助けの手を差し伸べたのは、オランダ・ロッテルダムに本部を置く財団「スピヤトゥ・ファン・タトゥー」(タトゥーを後悔する)だ。DV被害者を助ける組織を通じて、ヨークさんはこの財団とつながり、元の自分を取り戻すための長い旅を始めた。

 AFPは「ヨークさんは2年半以上にわたり、顔のタトゥーを除去するために12回のレーザー手術を受けた」とし、「ヨークさんは、加害者の名前を顔から消したことで自身が『解放』され、人生をより前向きにとらえるようになったと述べた」と報じた。タトゥーを除去する過程には強い苦痛がともなったが、幸福が訪れたという。

 「私はどんな状況でも幸せでいられます。天気がよければ嬉しくなり、雨が降っても私の気持ちは温かくなります。いまでは、あらゆることが私を幸せにしてくれます」

ソン・ギョンファ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1272193.html韓国語原文入力:2026-08-11 10:05
訳M.S

関連記事