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韓国・投票用紙不足事態取材記【記者手帳】

登録:2026-07-03 09:12 修正:2026-07-03 09:36
警察が2日、ソウル市松坡区のオリンピック公園ハンドボール競技場で、国会国政調査特別委員会の侵入を阻止しようとしたデモ隊を強制解散させている/聯合ニュース

 振り返ってみると、あの日は今年で最も無気力な日だった。先月3日夜、私は統一地方選挙の開票作業が行われていた仁川(インチョン)の桂陽(ケヤン)体育館にいた。開票過程を取材し、不正選挙ではないことを示すための取材だった。桂陽区は、内乱重要任務従事の疑いで裁判中のキム・ヒョンテ前陸軍特殊戦司令部第707特殊任務団長が国会議員補欠選挙の候補として出馬した場所でもある。記事を送信して一息つこうとしたら、チームのチャットルームがおおごとになっていた。不吉だ。蚕室7洞(チャムシルチルトン)などの投票所で投票用紙が不足し、多くの有権者が待たされたというニュースに接したのは、その時だった。怒った群衆が蚕室7洞第2投票所の前に集まっていた。一部は「不正選挙」だと叫んでいた。「良い趣旨で来てくださったのに、ソウルの状況があんな風になってしまって…」。取材を手伝ってくれた仁川選挙管理委員会の職員にそう言われ、私は気まずい笑いを浮かべながら「そうですね」と答えるしかなかった。広い体育館に座り、強迫的に更新をタップしながら携帯電話ばかりを見つめていた。

 一夜明けた翌日。寒かった昨年の冬のソウル西部地裁の事態で肌で感じたデモ隊の殺気を再び感じた。蚕室7洞第2投票所の前でだ。状況を確認するために同地を訪れたソウル市選挙管理委員会のキム・ボムジン事務処長は、デモ隊に謝罪を試みたが、ヤジを浴び続けた。怒った群れは駐車場の方へ移動しようとするキム事務局長の襟首をつかんだりし、体をつかんで無理やり進路を変え、ついには投票所の入口前に立たせた。デモ隊に押され、隣にいた選管の関係者は紙きれのように倒れ込み、カメラ記者は後頭部をぶつけた。警察に助けられてタクシーに乗り、逃げ出すキム事務処長の背中には、「第2の西部地裁事態を起こさせるな」というデモ参加者の声が浴びせられた。選管の過ちがどれほど大きかろうと、彼らが自らをどう定義しようと、「極」に達した行動であることは明らかだった。

 自身を振り返るきっかけにもなった。高校の同級生から卒業後初めて連絡が来た。参政権剥奪に怒り、平和的にデモに参加した人も多いのに、なぜ極端にしか扱わないのかという趣旨だった。じっくり考えてみた。デモ隊同士、あるいはデモ隊と警察などの関係者同士の衝突ばかりに没頭していたのではないか。その後、投票箱が開票所に移されたため、取材場所がオリンピック公園に変わった際に気づいた。週末には、ベビーカーに子どもを乗せてやって来た若い親や大学生が目立った。不正選挙論とは一線を引きつつも、参政権剥奪に憤ってやって来た人々。決して多いとは言えないが、彼らの声もデモ隊の一部だった。

 制度の過ちと何者かによるシステム全体の腐敗との間で今回の投票用紙不足事態の本質を定義しようとする有象無象の言葉が、スレッズなどのSNS内に漂っている。特検、国会の国政調査、検察・警察合同捜査本部による捜査など、議会と捜査機関を通じて、今回の事態の原因の究明と代案の策定はいずれにせよ実現するだろう。しかし、その結果を見て、2028年に迫る第23代国会議員選挙で似たようなことが起こらないことを確信できるのかという問いに、すっきりと答えられないのはなぜだろうか。選管は改革できるのか。「不正選挙」が信仰になってしまった人々は、一寸の誤りも許さないだろう。信仰を前にして、それに反する内容を証明して信頼を得ることを期待するのは難しい。

//ハンギョレ新聞社

チョン・ボンビ|イシューチーム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1266478.html韓国語原文入力:2026-07-02 18:43
訳D.K

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