本文に移動

シマウマ、ピューマ、ダチョウ、オオカミ…韓国、檻の中の動物たちの脱走受難史

登録:2026-04-10 00:39 修正:2026-04-11 08:11
2024年3月26日、京畿道城南市中院区の道路をエコ体験施設から脱走したダチョウが走っている。今月8日午前9時15分ごろ、大田オーワールド内の防犯カメラに映った2歳のオオカミ、2023年3月23日、ソウルオリニ大公園から脱走しソウル広津区一帯を逃げ回ったシマウマ/聯合ニュース、読者提供

 大田(テジョン)のオーワールド動物園サファリで飼育されていた2歳のオオカミ「ヌック」が8日に脱走した中、かつて動物展示・体験施設から脱走したシマウマ、ダチョウ、ピューマなどの動物たちが改めて注目されている。動物団体と市民団体は、かつて同施設から脱走したピューマ「ポロンイ」が射殺されたことを思い起こし、ヌックを安全に捕獲するよう求めている。

 2024年3月26日には京畿道城南市(ソンナムシ)のエコ体験施設からダチョウが脱走し、市街地を徘徊したことが、SNSで大きな話題となった。このダチョウの名は「タドリ」。タドリは市街地の道路を1時間ほど走り回った後、通報を受けた消防当局に捕獲された。京畿道消防災害本部は中院区上大院洞(チュンウォング・サンデウォンドン)の工場前でタドリを発見し、投網で捕獲した。

2024年3月26日、京畿道城南市中院区のエコ体験施設から脱走し、市街地を歩き回っていたダチョウ「タドリ」が、1時間あまり後に捕獲された=京畿道消防災害本部提供//ハンギョレ新聞社

 体験施設の関係者は当時、ハンギョレに「タドリはうちの鉄製の囲いの隙間からはい出して脱走したようだ」と語った。関係者の説明によると、タドリは生後1年にも満たなかった2020年7月ごろに、同じ年に生まれたメスのタスニと共に同体験施設に譲渡されてやって来た。その後、2羽は同じ檻(おり)の中で暮らしていたが、脱走の1カ月前にタスニが急死し、タドリ1羽が檻に残されていた。

 脱走の翌日、動物権団体「カラ」は体験施設の現地調査を行い、「タドリが脱走した体験施設に足を運んでみたところ、動物たちに提供されている環境が全般的に劣悪だった」と指摘した。

2023年3月23日、ソウルオリニ大公園を脱走し、ソウル市広津区一帯を駆け回るシマウマのセロ=読者提供//ハンギョレ新聞社

 その1年前の2023年3月23日には、ソウルオリニ大公園からシマウマの「セロ」が脱走している。2019年生まれのオスのシマウマ、セロも、2021年に母親を、2022年に父親を相次いで亡くし、ストレスを抱えていたという。

2023年3月23日、ソウル市広津区のオリニ大公園から脱走したシマウマ「セロ」が、近隣の住宅街を徘徊している=読者提供//ハンギョレ新聞社

 セロはこの時、自分で木製の柵を壊し、動物園を脱走してソウル市広津区(クァンジング)の峨嵯山(アチャサン)駅付近まで市街地を走り回った。住宅街の路地に入り込んだセロは、何度も麻酔銃で撃たれてようやく捕獲され、動物園に引き渡された。脱走から復帰までには3時間ほどを要した。

 脱走事件の後、オリニ大公園はセロにガールフレンド「ココ」を紹介したが、ココは同年10月に突然死。

 ソウル市監査委員会は2024年2月、ソウルオリニ大公園に対する監査を実施したところ、セロが暮らしていた屋外の放飼場の柵の高さが図面上では1.8メートルで環境部のマニュアルの基準を満たしていたが、実際の高さは1.7メートルで基準に達していないなど、複数の問題点が発見されたと述べた。警備員や出入口の遮断設備が不足していたことも明らかになった。

 セロは現在もソウルオリニ大公園で来園者を迎えている。

ソウルオリニ大公園が1月31日の「シマウマの日」に合わせてインスタグラムに投稿したセロの様子//ハンギョレ新聞社

 今回「ヌック」が脱走した大田(テジョン)オーワールド動物園は、2018年9月18日にピューマの「ポロンイ」が脱走した事件でも有名だ。2010年にソウル動物園で生まれたメスのピューマ、ポロンイは、2013年に大田オーワールドへやって来た。2018年9月、動物園の職員が清掃後に出入口の戸を閉め忘れていたためポロンイは脱走。それから4時間あまりして、ポロンイは動物園の干し草保管庫の裏山で猟師に射殺された。

 この時、ポロンイは動物園内で発見され、麻酔銃で撃たれた状態だったが、安全上の理由から最終的に射殺された。ポロンイの死をめぐっては、大統領府の国民請願に「動物園の廃止」を求める請願が数十件アップされるなど、物議を醸した。

 その後に行われた特別監査で事件当時の勤務命令違反や安全守則違反が明らかになり、オーワールドには1カ月の閉鎖命令が下された。その後、オーワールドは飼育場の出入口を二重にする、柵の工事、防犯カメラ(CCTV)の追加設置などの対策を講じたが、今回またも事故が発生したのだ。

 ヌックの脱走をめぐっては、ポロンイの死を覚えている多くのネットユーザーが、今回の脱走に関する記事や動画に「ヌックは殺さないでくれ」とコメントしている。

8日午前9時15分ごろ、大田オーワールド内の防犯カメラに映った2歳のオオカミ「ヌック」/聯合ニュース

 動物団体も安全に捕獲するよう求めている。動物自由連帯は8日の声明で「オーワールドはピューマの『ポロンイ』が射殺された場所」だとして、「今回の脱走事故も施設管理に問題があったために起きた事件であるという点で、脱走したオオカミは人を脅かす加害者ではなく、社会が作り出した被害者」だと主張した。そして「人の安全を考慮する一方、捜索の原則は『生け捕り』であるべきだ」と強調した。

 同日、大田忠南緑色連合は、動物の生態に合わない飼育環境や繁殖の継続、人手不足などの構造的問題が今回の事故の原因であるとして、「ポロンイ惨事に続き、今回のオオカミの脱走は、大田市がオーワールドに対して責任ある運営対策を講じられていないことを示している」と指摘した。

ソン・ギョンファ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1253484.html韓国語原文入力:2026-04-09 17:18
訳D.K

関連記事