戦時作戦統制権(戦作権)の移管が視野に入ってきている。アン・キュベク国防部長官は最近、「2026年を戦作権回復の元年としなければならない」と強調し、「移管の第2段階の検証を今年中に完了する」との意向を表明した。この場合、残るは最後の第3段階の検証だけになり、早ければ2028年には最終移管が可能だとする見通しが出てきている。やや遅きに失した感はあるが、歓迎すべき進展だ。同盟国間の指揮権の調整は、本質的には政治的決定の領域にある。盧武鉉(ノ・ムヒョン)・ブッシュ政権時代に合意した2012年の移管が、李明博(イ・ミョンバク)政権で2015年に延期となり、さらに、朴槿恵(パク・クネ)政権で「条件に基づく移管」に変更されたのは、当時の韓米政権の政治的判断の結果だった。その間、遅々として進まなかった戦作権移管が再加速しているのは、軍事主権の回復に対する李在明(イ・ジェミョン)政権の意向と、朝鮮半島防衛における米国の負担を軽減しようとするトランプ政権の戦略的な計算がかみ合った結果だ。このような環境の変化のもとで、戦作権移管は差し迫った現実的な課題となっている。いまや移管そのものを超え、移管後に備えた指揮構造まであわせて検討すべき段階になった。
一つ目の課題は、連合司令官と合同参謀議長の間の指揮権二元化の問題だ。現時点で合同参謀議長は平時の作戦と戦時の後方地域の作戦を担当し、連合司令官は戦時の前方地域の作戦を指揮する。1994年に平時作戦権だけが韓国に移管されたことにともなう構造だ。しかし、戦作権移管後に韓国の将軍が連合司令官を担当することになれば、平時の作戦は合同参謀議長が、戦時の作戦は連合司令官が指揮することになる。同じ韓国軍の4つ星将軍(大将)の間で戦時と平時の作戦指揮が分離してしまうのだ。空間的にも、戦時の前方は連合司令官が、後方は合同参謀議長がそれぞれ指揮することになる。平時・危機時・戦時が緊密に連携しなければならない朝鮮半島の作戦環境において、このような時間的・空間的分離は非効率や混乱を招く可能性が高い。
解決策は大きく分けて二つある。まず、合同参謀議長が連合司令官を兼職する案だ。しかし、これは合同参謀議長に過度な指揮負担を負わせることになる。合同参謀議長はすでに平時における現行の作戦によって、軍事戦略の策定と戦力整備という本来の戦略的役割の遂行が困難になっているという指摘を受けている。大統領と国防部長官に対する戦時と平時における軍令補佐機能も考慮すれば、兼職は現実的には限界がある。そこでもう一つの合理的な代案は、仮称「合同作戦司令部」を創設し、連合司令官がこれを兼職するようにする案だ。司令部を創設するといっても、人材と組織が新たに作られるわけではない。平時の作戦は合同作戦司令部(現在の合同参謀の情報・作戦参謀)が遂行し、戦時の作戦は連合司令部が遂行する構造に代わるだけだ。この場合、合同作戦司令部と連合司令部の韓国司令官と参謀は2つの帽子をかぶる同一人物であるため、平時から危機時、戦時にいたるまで、指揮の連続性を確保できる。合同参謀議長は米国のように作戦指揮から離れ、軍令補佐と戦略機能に専念することが望ましい。
二つ目の課題は、連合司令官と国連軍司令官の間における役割の再確立だ。国連軍司令部は現在の停戦体制の維持と有事における戦力提供という二つの任務を遂行している。特に戦力提供任務は、参戦国の増援戦力を受けつけ、連合司令部に委譲する核となる機能だ。これまでは国連軍司令官と連合司令官が同じ米軍の将軍だったため、問題はなかった。しかし、戦作権が移管された後、連合司令官を韓国軍が担当することになれば、増援戦力の指揮権委譲の過程において、指揮体系の不明確性が発生する恐れがある。場合によっては、国連軍司令部と連合司令部という2つの作戦指揮体系が並存する状況になるかもしれない。米国が国連軍司令部を恒久的な多国籍軍体制に発展させようとする「国連軍司令部の再活性化」を推進してきたのも、このような流れと無関係ではない。したがって、戦作権移管後も、連合司令部の作戦統制権が実質的に行使されるよう、両司令部間の明確な役割の区別と戦力委譲の手続きを制度化する必要がある。
これまで韓国は戦作権の移管条件の充足に集中してきた。しかし、いまや移管後の指揮構造と作戦体系を設計しなければならない段階に来ている。合同参謀本部・連合司令部・国連軍司令部間の任務と役割を再確立する作業は、国軍組織法の改正と韓米間の協議を含む複合的な課題だ。戦作権移管は単なる指揮権の移転ではなく、朝鮮半島の防衛体制の根本的な再構成を意味する。移管後も抑止力と連合防衛態勢が揺らぐことなく維持されるよう、緻密かつ体系的な準備を進める必要がある。
キム・ジョンソプ|世宗研究所首席研究委員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )