地球と驚くほど似た系外惑星の候補が発見された。地球と同じ岩石惑星であるのに加え、大きさはもちろん、公転周期も地球とほぼ同じで、外形上は地球の双子と言っても過言ではないほどだ。
ドイツのマックス・プランク天文学研究所は、2018年に活動を終了したケプラー宇宙望遠鏡の観測データを分析する過程で、146光年先に地球と似た系外惑星の候補「HD 137010 b」を発見し、国際学術誌「アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ」に発表した。
研究チームが「候補」というラベルを貼ったのは、2017年にわずか1回だけ観測したデータしかなく、惑星だと結論を下すにはデータが不足しているという判断に従ったからだ。追加の観測によって惑星だと最終確認される場合、地球外生命体の探査における非常に有望な研究対象になると期待されている。
この天体を発見するうえで、市民科学者が決定的な貢献をした。通常、系外惑星は惑星が恒星の前を通過する際、恒星の光が若干暗くなる現象を利用して探す。これはトランジット法(Transit method)と呼ばれる。しかし、天文学者が用いる分析アルゴリズムは、このような現象が何度も反復観察されることを前提に識別するように設計されているため、この天体を識別できなかった。この空白を、市民科学プロジェクト「プラネット・ハンターズ」に参加したボランティアのメンバーたちが直接データの解析を進めることで、埋めていった。
■生命体の居住可能領域にある確率は40%
これらの人たちが見つけた観測データを分析した結果によると、この天体の半径は地球の1.04倍、公転周期は地球より10日少ない355日。中心星「HD 137010」は太陽(G型矮星)よりすこし小さいK型矮星(橙色矮星)で、太陽より表面温度が約1000度低い。そのため、地球とほぼ同じ距離で公転するが、恒星から受けるエネルギーは地球より少ない。
惑星が受ける中心星のエネルギーは、地球が太陽から受ける量の0.56倍で、火星が受ける量と同程度の水準だと推定された。これは、この惑星が、生命体の生存が可能な領域であるゴルディロックスゾーンの境界近くにあることを意味する。ゴルディロックスゾーンは、液体状態の水が存在可能な程度の日光を受けることのできる領域を指す。
研究チームは、この惑星がゴルディロックスゾーンにある確率を40%と推定した。もし大気が存在しない場合、表面温度は氷点下約70度の火星よりやや低くなるが、地球よりはるかに厚い大気が存在する場合、生命体が生存できる環境を備えていると考えた。追加観測が行われる場合、最大の任務は大気の存在の有無を確認することになる。
■距離が近いため、大気の存在の有無の把握は可能の見込み
天文学者がこれまで発見した系外惑星は6000個を超える。しかし、大部分は地球よりはるかに大きいか、表面温度が熱い惑星だ。このような惑星のほうが見つけやすいためだ。
居住可能領域内にある地球の大きさと似た系外惑星は、ほとんどが一番小さな恒星といえるM型矮星(赤色矮星)の近くで公転するものだった。このような環境にある惑星は、中心星から飛来する強力な放射エネルギーの影響で、生命体を保護する大気をすべて失ってしまった。
また、太陽と似た恒星のゴルディロックスゾーンにある、地球サイズのいくつかの岩石惑星を発見したことはある。しかし、それらの惑星は、大気の有無を確認可能な追加観測を実施するには遠い距離にあった。今回発見された「HD 137010 b」は相対的に近い距離にあるため、そのような問題はない。したがって、追加の精密観測が可能だとみられる。
研究チームは、スペインのアイザック・ニュートン望遠鏡で今年開始予定の地球質量惑星探査プログラム「テラ・ハンティング実験」や、2027年に打ち上げ予定の欧州宇宙機関(ESA)の系外惑星の探査宇宙望遠鏡「プラトー」を通じて、追加観測が可能だと考えている。研究チームは「観測データを分析した結果、恒星の光の減少を誘発する原因として、系外惑星以外の別の可能性はないと判断しているが、これを確認するためには追加で観測する必要がある」と述べた。
*論文情報
A Cool Earth-sized Planet Candidate Transiting a Tenth Magnitude K-dwarf From K2.
DOI 10.3847/2041-8213/adf06f