対米投資の遅延を理由に相互関税の再引き上げの圧力を加えている米国政府が、最近韓国政府との交渉でエネルギー分野の事業を「対米投資事業第1号」として提案したことが、4日に確認された。関税再引き上げへの米国の圧力が強まる中、韓国政府は関税引き上げの時期を遅らせることに交渉の焦点を合わせている。国会も対米投資特別法の迅速な処理のため、3つの関連常任委員会の所属委員が参加する特別委員会を構成することにした。
4日のハンギョレ取材によると、先月26日にドナルド・トランプ米大統領が韓国に対する相互関税を15%から25%に引き上げると表明した後、米国は韓国の「対米投資事業第1号」としてエネルギー分野の事業を特定し、韓国側に提案した。この提案は、キム・ジョングァン産業通商部長官が先月28日に米国を訪問する前に韓国側に伝えられ、先月29~30日にキム長官とハワード・ラトニック米国商務長官がワシントンで会談した際に具体的に言及された。当時、キム長官は米国が提案した事業とは別に、「原発建設も韓国が遂行できる」点を米国側に提案したという。米国のエネルギー分野の投資提案に対応し、事業議題を拡大することで交渉の余地を広げようとする戦略とみられる。
米国が提案した「エネルギー分野」の事業は、国内メディアで報道されたことのないプロジェクトで、過去に韓国企業一社が米国への投資の可能性を検討したが、事業性の不足などを理由に断念した案件だという。大統領府の高官は「これまで取り上げられたアラスカ開発やLNG、原発事業ではない」と説明した。
韓国政府はトランプ大統領が予告した相互関税引き上げの実行時期を可能な限り遅らせるための努力も続けている。別の大統領府の関係者はハンギョレの電話インタビューで、「米国官報に掲載される相互関税引き上げ関連文言がトランプ大統領の机にほぼ届いている状況だ」と述べた。キム・ジョングァン長官とチョ・ヒョン外交部長官が今回、ラトニック長官とマルコ・ルビオ国務長官とそれぞれ会談した際も、「我々は迅速に対米投資特別法案を通す意志がある。米国が直ちに関税を引き上げれば、我々をより困難な状況に追い込むことになる」と説得するのに力を注いだという。韓国政府は米国に対し、官報掲載の時期を遅らせることや、引き上げられた関税を「即時適用」ではなく、「一定期間経過後に賦課する」とする文言を官報に追加してほしいと求めている。一方、米国側からの返答はまだない状態だ。
韓米間の関税交渉が難航しているのは、米行政当局の官僚たちの関心事がそれぞれ異なるためだとみられる。ラトニック長官は投資に、ジェイミソン・グリア通商代表部(USTR)代表はデジタル規制に、ルビオ長官は重要鉱物にそれぞれ関心を寄せており、交渉の糸口をつかむのが容易ではないという。
米国の関税圧力が強まる中、韓国の与野党はこの日、両党院内代表会談を開き、対米投資特別法審査のための特別委員会を構成し、1カ月以内に法案処理を完了させることにした。
関税交渉が長期化するにつれ、安全保障の懸案にも波及している。米国の原子力潜水艦など安全保障案件を担当する交渉チームは、当初は旧正月連休前の訪韓が取り沙汰されていたが、現在は不透明だ。大統領府関係者は「日程を調整しているが、容易ではない状況」と述べた。別の政府関係者は「関税交渉がまとまっていないのに、安全保障関連交渉のために韓国に行くと言うのは難しいだろう」と語った。