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「味方でなければ敵」という二分法の世界の危うさ【コラム】

登録:2026-02-04 08:11 修正:2026-02-04 10:17
//ハンギョレ新聞社

 李在明(イ・ジェミョン)大統領が、数日前にソーシャルメディアのXに投稿した文章を削除した。先月30日、「韓国人に手を出せば破滅することになる。口先だけの言葉に聞こえるか」と書いた文章だ。カンボジアを拠点とするオンライン詐欺などを念頭に置き、クメール語でも投稿したところ、これを読んだカンボジア政府が強く抗議した。大統領府は、李大統領が投稿を削除したのは「十分に広まったと判断」したためだと説明したが、不必要な外交問題に発展させないために取った措置だとみるのが一般的な解釈だ。

 李大統領は、「複数住宅保有者の譲渡税重課猶予」の終了に反発する人たちに対しても、強い表現を用いた。「数十万の複数住宅保有者の涙を気の毒に思う方々は、これによる高額の住居費用のために結婚や出産をあきらめる数百万の若者たちの血の涙は見えないのか」とXに投稿した。不動産正常化をめぐり、最近になり連日声を上げていることの延長線であり、それだけ意志が固いことを示した。

 このようなストレートな言い方は、聞く人に爽快感を与える。大統領が国民を守ると言い、持ち家のない人を保護すると強調するので、安心感も生まれる。しかし、反面の作用もある。

 カンボジアの詐欺犯罪についての投稿をめぐり、現地では「韓国の大統領がカンボジア全体を犯罪集団として扱った」という不満が高まったと伝えられている。相手の立場で考えてみれば、理解できる反応だ。米国のドナルド・トランプ大統領が韓国を相手に「関税の脅し」をするたびに、韓国国民はどんな思いを抱くだろうか。複数住宅保有者をめぐる発言も諸刃の剣だ。「経済正義実践市民連合」が昨年12月10日に公開した資料によると、昨年9月までの間で財産が公開された大統領府の参謀ら28人のうち、8人(28.57%)が複数住宅保有者であり、最大で7軒を保有する人もいる。しかも、彼らが「最後のチャンス」という李大統領の言葉に従って譲渡税猶予の終了前に家を売るかどうかは疑問だとする指摘もある。自分のことは棚に上げていると非難を浴びざるを得ないところだ。

 問題は二分法だ。「味方でなければ敵」という二分法の世界では、相手に浴びせた矢は、最終的には自分に戻ってくる。そして、すべての人を傷つけることになる。どれだけ真摯な気持ちであったとしても、単なる「論争」として片付けられがちだ。「相手」という概念は常に相対的であることを忘れず、厳しく批判しても相手を悪魔化しないことでこそ、未来を語ることができる。「私」と「あなた」は結局のところ「私たち」であること、その二つは初めから一つであることを忘れなければ、道に迷うことはない。

チョ・ヘジョン|デジタルニュースチーム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1243103.html韓国語原文入力:2026-02-03 19:18
訳M.S

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