本文に移動

トランプ大統領、権力のピークを過ぎたか…地方選敗北、MAGA勢力にも亀裂

登録:2025-11-11 07:48 修正:2025-11-11 08:37
米国のドナルド・トランプ大統領が7日、フロリダ州のウェストパームビーチに大統領専用機エアフォースワンに乗って到着した後、こぶしを握り締めて掲げている/ロイター・聯合ニュース

 米国のドナルド・トランプ大統領が任期初期の権力の絶頂期を過ぎつつある。4日に行われたニューヨーク市長選などの地方選挙で民主党が圧勝し、権力内外では亀裂がみられる。

 トランプ大統領の大統領職支持率は10月末から急落し、11月に入ると平均40%台前半にまで落ち込んだ。不支持の割合は50%前半。世論調査を総合するリアルクリアポリティクスの指数によると、10月24日から11月6日の期間、「支持する」は42.9%、「支持しない」は54.2%だった。支持と不支持の差は11.3ポイントに達する。

 6%台に留まっていたこの差は、10月26日を境に急速に拡大した。最近、世論調査を実施した主要メディアによると、NBCは12ポイント、ABC/ワシントンポストは14ポイント、CNNは22ポイント、CBSは18ポイント、エコノミスト/YouGovは12ポイントの差となった。保守的な世論が友好的に反映されるラスムセン・レポートでも7ポイント差まで広がった。

 このような支持率低下は、4日に行われた地方選挙でも確認される。トランプ大統領が大統領選の際に支持を広げたヒスパニック系などのマイノリティや中間層で、共和党候補の得票率が低下し、民主党候補側が増加した。民主党に対するヒスパニック系の支持はニュージャージーで9ポイント、バージニアでは5ポイント増加した。ヒスパニック系が住民の半分を占め、過去の選挙ではヒスパニック系の影響が強かったニュージャージー州パサイク郡では、民主党のマイキー・シェリル候補が15ポイント差で圧勝した。前回の大統領選挙でトランプ大統領は、パサイク郡では4ポイント差で勝利した。民主党は、前回の大統領選では80%台にまで減少した黒人有権者の支持を、ニュージャージーとバージニアで95~96%にまで回復させた。

 高所得層と中流層も同じだ。バージニアで共和党は、高学歴の裕福な北部の郊外地域で20~30%台と完敗した。大統領選で勝利した中流層地域でも支持率が低下し、民主党に追撃を許した。中流層が多く居住するキャロライン郡では、前回の大統領選挙ではトランプ大統領が9ポイント差で勝利したが、今回は共和党候補が13票差の僅差でぎりぎり勝つという結果だった。

 今回の選挙で民主党は、高学歴・高所得地域で支持率が8.5ポイント、中流層地域では5~7ポイント増加した。来年の中間選挙で民主党は、中流層地域で支持率を少し上げれば勝てる可能性が出てきた。

 今回の選挙の焦点となった問題である生活費を中心とする経済で、トランプ大統領は落第点を付けられた。リアルクリアポリティクスの指数の大統領職支持率のうち、経済セクターの支持と不支持の差は-13.4ポイント、インフレは-25.3ポイントにもなる。トランプ大統領が重点を置いた移民問題でも-0.5ポイントで、支持率が不支持率より低かった。

 8日(現地時間)時点で39日目となり過去最長を記録中の連邦政府閉鎖問題で、国政掌握力にも陰りが見えている。トランプ大統領は連邦政府閉鎖問題を解決するために、議会でフィリバスター(牛歩戦術)の廃止を共和党上院議員に要求したが、受け入れられなかった。トランプ大統領に盲目的に従っていた共和党議員たちの間に変化が生じたことが感じられる。政治メディア「ポリティコ」は6日、「トランプ大統領のレームダックが始まった」と指摘した。トランプ大統領が課した相互関税も、連邦最高裁の審理で保守派の最高裁判事でさえ疑問を呈するなど、大統領のすべての国政議題が、裁判所によってその運命が一夜にして変わりつつある。

 トランプ大統領が就任後に進めてきた中国との貿易戦争でも、勝利できなかったとみなす評価が支配的だ。先月30日に行われた釜山(プサン)でのトランプ大統領と習近平主席の首脳会談で、米国は貿易条件をトランプ大統領の就任直後の状態に回復させただけだと評されている。中国は今回の対決で米国に押されず、レアアースの輸出や大豆などの農産物の輸入を材料に戦略的優位までみせつけた。

 対外政策でも、トランプ大統領が就任から24時間以内に終わらせると豪語していたウクライナ戦争は、ロシアとウクライナの両国がトランプ大統領の休戦案を一蹴し、トランプ大統領は現在、仲裁から手を引いている。トランプ大統領が自慢していたガザ戦争の休戦も同様に、イスラエルがガザだけでなくレバノンのヒズボラまで攻撃し、危険な状況に陥っている。このため、極右のインフルエンサーのニック・フエンテス氏らがイスラエルに対する非難的な世論を主導するなど、トランプ大統領のMAGA(米国を再び偉大に)陣営内の亀裂も拡大している。

 フィナンシャル・タイムズのコラムニストのエドワード・ルーズ氏は、8日付の「トランプはピークを過ぎたか?」と題する寄稿で、「第2次トランプ政権の任期の序幕は終わった」として、「民主党が停滞から抜け出したとみられる」と指摘した。ルーズ氏はトランプ大統領の権力乱用を防ぐ最善の対策は、来年の中間選挙での民主党の大勝だけだと指摘した。

チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1228189.html韓国語原文入力:2025-11-09 20:19
訳M.S

関連記事